赤毛のアンの感性と想像力、ネーミングへのこだわり
こんにちは、さんちゃんです。
「赤毛のアン」(Anne of Green Gables)をご存知でしょうか。
今から110年前の1908年、小説家ルーシー・モード・モンゴメリーによって出版された長編小説です。
孤児院から引き取られたアン・シャーリー(Anne Shirley)が、プリンス・エドワード島を舞台にその想像力と行動力でドタバタ劇を繰り広げながら成長していく物語です。
実は、すごく好きな小説で、高校時代に「アンの娘リラ」まで一気に読み切った記憶があります。
少女時代の話で一応の完結はしていますが、そのあと続編が8冊でています(村岡花子訳)。
現在読まれている方にはネタバレになってしまう部分もあるかもしれません。
まだ読んでいない方はこの機会にぜひ。
おしゃべりなアンと、寡黙なマシュー・クスバート。
マシューの「そうさなぁ…」”Well now”という言葉が、なんとも心地よく響いてきます。
厳格なマリラ・クスバート、そしてレイチェル・リンド、
同い年のダイアナ・バリー、
赤毛のアンに人参と茶化したギルバート・ブライス、
すべての登場人物が魅力的です。
私自身は、初期はマシュー・クスバート。後期はウォルター・ブライスがお気に入りです。
ウォルター・ブライスの儚さとカッコよさについて詳しく書きたいんですが、それを書くと本当にネタバレになってしまいますので、ここで書けないのが残念です。
さて、赤毛のアンの魅力は、なんといってもアンがいたるところでつける想像力あふれるネーミングです。そのネーミング・センスには圧倒されつづけます。
リンゴの並木道をみて、「歓喜の白路」(the White Way of Delight)と即興で名前をつけていきます。また、「恋人の小径」や「お化けの森」というネーミングも好奇心を掻き立てられます。
さらに、自分自身のアンという名前にもこだわりがあって、最初に孤児院から引き取られて家に着いたときに、マリラ・クスバートから、名前を聞かれて「コーデリアと呼んで」というわけです。理由はエレガントな名前、ロマンティックな名前だから。アンという名前はロマンティックではない、というのがその理由です。
マリラにはその違いがわかりませんが、アンはさらに続けます。アンと呼ぶのであれば、”A-n-n”の綴りのアンではなくて、”e”をつけた”A-n-n-e”のアンと呼んで欲しいと。
”Ann”と”Anne”の違い、わかりますか。
言われてみると、・・・、あんまりよくはわからないですよね。
それでも、なんとなく4文字のAnneでアンと読む方がエレガントに響いてくる感じがします。このあたりの感覚は読んだ人にしかわからないかもしれません。
赤毛のアンには随所にそういうった感性がちりばめられていて、子どもが読むと同じ目線でドキドキワクワクできますし、大人が読むとまた違った視点を持ちつつも童心に帰ることができます。
目をキラキラ輝かせながら(勝手なイメージですけど)、おしゃべりを続けるアン・シャーリーは本当にアイデアの宝庫だと思います。
アン・シャーリーは、グリーンゲイブルス(アンがマシュー・マリラ兄妹に引き取られて住んでいた緑の切妻屋根の家)で、日々どんなことを考えていたのでしょうか。
ちなみに、カナダのプリンスエドワード島には、今でもグリーンゲイブルスがあります。
アン・シャーリーが住んでいた1908年当時の模様をそのままに現存しています(小説に登場する架空の人物ですから、復元といった方が正確かもしれませんが、まぁ現存でいいでしょう)。
観光スポットとして訪れる人も多いようです。近くには作者モンゴメリーの生家もその当時のおもむきのまま現存しています。
実は、私もまだ行ったことがないので、ぜひ時間をみつけて行ってみたいと考えています。
ちなみに、私のネーム、”さんちゃん”も、Sanchanneと”n”を重ねて”e”をつけて表記しています。アンの感性と想像力にあやかりたいとの思いからですが、効果のほどは・・・。