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巨人・増田選手のピッチャー登板の賛否、議論されない「選手の安全」の視点!!

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

コロナ禍のなかでプロ野球などプロスポーツでは無観客といった対策をたてつつシーズンが始まっています。

 

先週6日におこなわれた讀賣巨人vs阪神の試合で珍しい出来事がおこり、球界OBを巻き込んだん賛否が話題となっています。

 

内野手である増田選手がマウンドへ!?

8月6日に行われた巨人阪神戦において、11対0と大差で負けていた巨人軍の原監督は、8回に本来内野手登録である増田 大輝(ますだだいき)選手を中継ぎとしてピッチャーで起用しました。

 

そのとき、巨人軍のブルペンには控え投手が4人いたため、投手ではない増田選手の登板には驚きの声があがるとともに球界OBからは賛否両論が巻き起こりました。

 

たとえば、巨人軍OBの広岡達朗氏、堀内恒夫氏などは明確に反対の立場であり、上原浩治氏や大リーグで現役のダルビッシュ有氏などは賛成の立場を鮮明にしました。

さらには張本勲氏、金村義明氏、東尾修氏、中畑清氏、デーブ大久保氏などに加え、DeNAのラミレス監督も肯定的意見を表明しています。

 

また、インターネットなどによるファンもおおむね内野手の増田選手による投手起用と原監督の采配に賛成的意見が多数を占めているようです。

 

 ファンの声を聞かせてください-。巨人増田大の6日阪神戦での投手起用について、ツイッター「日刊スポーツ巨人担当」と「日刊スポーツ野球取材基地」でアンケートを実施した。
午前10時からコメント欄を使って、意見を募集。正午からは「賛成」「反対」の2択から投票を募集した。2万5000人を超えるフォロワーから4299票が集まり、96%が賛成した。
新型コロナウイルスの影響で過密日程の中、酷使が予想される中継ぎの負担軽減を推す声が多かった。昨季から増田大などに可能性を伝えた上で準備させた点など、原監督の危機管理能力や先見性を評価する声も挙がった。長期連戦中、大差を追う展開などの条件付きでの賛成も見られ、登板する野手の制球力など一定の能力も求めた。増田大の能力の高さを絶賛する声や、観戦をやめかけた人が続ける効果もあったようだ。
出所)「「巨人野手登板」賛成96% ツイッターで独自調査」日刊スポーツ2020年8月10日配信

 

賛成派の論調は、MLB(アメリカ大リーグ)では一般的に認められていること、今年の特殊事情としてコロナによる試合数の制限や連戦の増加による投手の負担軽減、大差がついたゲームにおける投手温存戦略が有効であること、などが挙げられる。

 

一方、反対派の論調では、讀賣巨人軍の「らしさ」「伝統」が損なわれるといった意見や、捨て試合をつくることがファンや相手チームに失礼であること、投手でない選手がマウンドにあがることで投手のプライドに傷がつくこと、などが指摘されている。

 

欠落している「選手の安全」の視点!

賛成はが大勢を占めているようで、讀賣巨人が常に球界の盟主という位置づけを前提とした古い人たちといったニュアンスが強いように感じられる。

 

しかし、そこで大きく抜け落ちている論点があるように感じる。

 

私が最も気になった点は「選手の安全」の視点である。
これは大きく次の3点からなる。

 

1.投手が本職でない選手がマウンドに上がることによって肘や肩を故障しないか?
2.投げたボールがすっぽ抜けてデッドボールとなり打者がケガをしないか?
3.打者が打った打球が投手強襲となった場合、本来投手ではない選手がしっかり対応できるのか?

 

1.と3.は投手側の安全性についてであり、2.は打者側の安全性についてである。

 

たとえば、投げたボールが相手チームの主砲への死球(デッドボール)となりケガをするようなことになればどう対応するのだろうか。

今回の増田選手の投球は見事であり、セカンドゴロ、四球、ライトフライできっちりと抑えられたわけだが、必ずしもうまくいくケースばかりとは限らない。

 

大きく遺恨を残すうえに今以上の議論が巻き起こることは想像に難くない。

 

また、記憶に新しいところでいうと、ヤンキースの田中将大投手がチームの紅白戦で投げた球がピッチャー返しとなり頭部に直撃する事故が発生している。

田中投手はマウンドで倒れ込み、その後病院に搬送されることになったが幸い大事には至らなかった。

 

本職で、かつ超一流の田中将大投手であっても打球が頭部に直撃する危険性と隣り合わせである。
いくら高校時代に投手経験があるからといって投手本職でない増田選手にとっては、万が一打球が自身にめがけて飛んできた場合、しっかりさばききれるかどうか不安が残る。

 

今回の増田選手の登板は、ペナントレースの戦略や大差がついたゲームにおけるファンサービスといった視点で議論されることが多いが、急増投手の登板による投手・打者双方の安全性についてはほとんど議論されていないようである。

 

今後、他球団を含めて類似のケースが出る場合も十分に考えられることからも、選手の安全性について選手個々人、監督、コーチがしっかりと考えておくことが必要となってくるだろう。

 

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