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【感想】『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』cis(2018)角川書店

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

本日は、amazonでベストセラー1位(カテゴリー:株式投資・投資信託、2019年3月6日現在)である『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』について、気になった「言葉」をまとめていきます。

 


一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学

 

2018年12月に出たばかりの書籍ですので、内容はネタバレになってしまうところがあります。
ご理解いただいたうえでブログを読んでいただけるとうれしいです。

 

著者:cis(しす)とは何者か?

著者のcisさんは1979年生まれの男性で、230億円を稼いだ個人投資家として知られています。

 

ちなみにcis(しす)という名前の由来は、子どもの頃に、格闘ゲームで高得点ととった後にニックネームを入力するスコアランキングにおいて、「俺と戦う奴は必ず死す」という意味で「死す」=「cis」と入力していたことが由来となっています。

 

ザ・中二病という感じですが、ゲームの大会で優勝した経験もあるなど、かなりのゲーマーであったようです。

ゲーム、ギャンブル(競馬、パチンコ、カジノ、麻雀など)にも造詣が深く、本書にはそのあたりの記述もみられます。

また、株式投資についてもゲーム感覚、ギャンブル性を重要視していると語っており、長期的な経済成長よりも、目の前にある相場の動きに注目することが大切であるといいます。

cisさん自身、自分のことを「トレード職人」と語るように、会社経営をしたり、年金運用ファンドをつくったり、などといったことは考えていないようです。

 

株で230億円稼いだcisさんの言葉

1.上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる。(14頁)

第1章「本能に克てねば投資に勝てない」の冒頭の言葉です。

投資家へのアドバイスを求められた際に、この言葉だけを言うことにしているようです。

 

cisさんは、長期的な株式投資はほとんどしておらず、デイトレードで資産を増やしてきました。
そこでの名言がこの言葉です。

 

よく上がり続けると下がる、下がり続けると上がる、その節目を狙うといった方法が語られていますが、cisさん曰はく、そのような考え方のそもそもが間違い。
株は確率のゲームではなく、バランスをとるような思考では勝てないとのことです。

自分自身の勝手な予想で、たとえば「そろそろ下げ止まり、だから買いかな」などと「押し目買い」はやってはいけない買い方のひとつと断言しています(19頁)。

 

この言葉だけでも、cisさんが只者ではないことがわかります。

 

2.上昇局面での利確は勝つための方法としては間違っている。(22頁)

こちらも一般的な格言に真っ向からの反対意見となります。

 

一般的な株の必勝法にある「ある程度利益が出た時点で半分は売って利確(利益確定)しておくべし」といった考え方では大きく勝てない。

つまり、上昇局面では、上がり続ける株として保有し続けることが大切で、下落した段階で利確となります。

 

一方、下がった株はすぐに売る「損切り」をすることが大切で、勝率(上がって利益を獲得する率)は3割くらいといいます。

つまり、7割は「下がってしまったので損切り」となります。

 

それでも大きく勝てる理由は、トータルでプラスにするために、負ける時はすぐに損切りするので「ちょい負け」、勝つときは「負け額に対して10倍、20倍と勝つこともあるから」とのこと。

 

「重要なのは、損をしないことではなく、大きな損をしないこと。大ケガだけはしないようにする、という方針で僕は今の資産を築いた。」(27頁)

 

あわせて、損切りした株が、その後上昇した際には、悔しいという感情よりも、また上がり続けることを想定して購入するくらいの貪欲さが大切といいます。

 

3.勝ちたい気持ちというより、損するのが怖いという気持ちを制御しないと、相場で勝つのは難しい。難しいというより不可能(35頁)

分かってはいてもなかなかできない行動です。

cisさんが言うように、cisさんの株のやり方は極めてシンプルですが、なかなか真似することができません。
たとえば150億円あった場合に、10億円は置いておいて140億円を突っ込むという集中投資をおこなうような行動です。

 

凡人には怖すぎて、リスクを考えてしまうのですが、そもそもリターンを求めてリスクを許容するゲームである株式投資でリスクを許容できないのであれば意味がないと語ります。

 

ポイントは、損をすることは当たり前、小さな損は気にせず「逃げ足の速さで勝負する」、一方、大きく勝つ可能性がある買い方をしないとリスクをとって売買する意味はない、という信念にあります。

 

4.相場では、1匹目のドジョウがものすごくオイシイ。(40頁)

第2章「相場は仮説を生み出した人が勝つ」の冒頭の言葉。

このあとには「2匹目のドジョウもそれなりにいるけど、3匹目からは、いるかいないかわからない。」と続きます。

 

とにかく株価が動く前提となる仮説を考える、知られていない攻略法を見出すことが1匹目のドジョウ。
2匹目のドジョウは、マーケットから学習して儲かっているであろう事象をすぐにやること。

3匹目以降は、マスメディアなどで言われた手法や銘柄に着目すること、儲かるかどうかは不明。

 

5.リスク恐怖症の人は相場には向かない。勝つためには、行動を起こす早さも問われる。(64頁)

第3章「勝つための一歩は場と自分を冷静に見ること」の冒頭の言葉の後半部分で、前半部分「相場とは、リターンを求めてリスク取る行為。リスクは絶対にある。」につづく言葉となります。

 

「多くの人は「安く買って高く売る」という発想でいるから、高いときは買いたくないと思ってしまう。その高いとは何と比較して高いのかといったら、過去と比較しての話。」(65頁)

 

株式投資の神髄ともいえる言葉です。

cisさんは、適正価格なんて本質的に存在しない、過去と比較して考えないほうがいいと断言します。

 

つまり、購入時点で「将来的に上がる」から購入するわけで、だからこそ「下がったら」即売る、上がったたら下がるまで持ち続けるという行動をブレずに実行しているわけです。

そこに過去のデータを参考にすることはあっても、大切なことは将来上がるのか下がるのかということのみです。

 

たくさんの負け体験(損切りの割合が7割)から、自分自身の考えた売買理論を否定して更新し続けるなかでブレない信念として持ち続けているようです。

 

読んで実感。最もすごいところは「自分を信じる力」

第5章以降は、幼少期の駄菓子屋「当たりくじ」をあてる方法を見出したり、中学高校大学時代にはパチンコの元締めのようなことで稼いだ話などが語られています。

 

高校時代までに200万円、大学卒業時点では2000万円の資金を稼いだようです。
凡人の私からしたらそれだけでも凄い話ですが、この資金で21歳のときに株式投資の世界に入ったというお話になります。

 

2000年に証券口座を開設して株式投資をスタートしたようですが、ちょうどIT革命の時期であったこと、「2ちゃんねる」の黎明期などとも重なり、個人投資家としてのチャンスが大きかった時代と述懐しています。

そこでのエピソードも強烈で、6人で実施した2ちゃんねるでのオフ会参加者のうち4名が億万長者のトレーダーになった話や、彼女募集をおこなったところ1000人を超えるアクセスがあったこと、実際にそこで奥様と出会ったことなどが語られています。

 

さらには、ライブドア・ショックで5億円損失を計上し「おっすおら損五億」とネット掲示板に書き込んだあと麻雀を楽しむその感性など、真似したくてもできるものではないと思います。

 

読んでみて率直な感想は、「自分を信じること」が大切だと感じました。

 


一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学 [ cis ]
 

「早い人はいつでも早く、遅い人はいつでも遅い。投資家としては早い人のほうが適性がある。この早さというのは、頭の良さとは違い、行動を起こす早さ」(166頁)

 

そして行動することの大切さを痛感しました。

 

相場に入ってみる(見てるだけだと学べない)、そして下がったら即撤退、上がったら持ち続ける。
リスクヘッジをせずに資金投入はできそうもありませんが、明日から少しトレードの回数を多くしていこうと思います。

 

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