「NISA」と「つみたてNISA」の一本化見送り、2024年NISAは新制度へ!
こんにちは、さんちゃんです。
かねてから検討されてきた現行のNISA制度をつみたてNISA制度に一本化する案は見送られることになりました。
ちなみに「NISA」とは、ニーサと読み、少額投資非課税制度のことをいいます。
NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAなどNISAの枠組みについては「NISAの日」(2月11日)にブログで紹介していますので、あわせて参考にしてください。
NISAとつみたてNISAの一本化案見送りへ!
政府、与党が検討する少額投資非課税制度(NISA)の見直し案が27日、判明した。2023年末に期限を迎える一般のNISAは短期売買に使われているとの指摘があり、安定的な資産形成を促す新制度に移行。24年以降も存続させ、長期積立枠「つみたてNISA」との一本化は見送る。自民、公明両党で議論し、12月中旬に策定する20年度与党税制改正大綱への反映を目指す。
出所)「NISA、24年に新制度 つみたてとの一本化見送り」共同通信2019年11月28日配信
そして、従来からNISAをつみたてNISAに統合するかたちでの一本化が検討されていましたが、今回、別制度としてそのまま二本立てを軸に検討がすすめられていることがわかりました。
NISA制度を見直し新制度を設計するひとつの理由として、短期投資に活用されて暗転的資産形成に寄与していないとありますが、現行制度を俯瞰してみるといたしかたないところがみえてきます。
現行では、
NISAだと年間非課税投資枠120万円で最長5年間 = 合計600万円相当
つみたてNISAでは年間非課税投資枠40万円で最長20年間 = 合計800万円相当
の投資資金の運用益が非課税となっています。
通常約20%の税金が非課税となることをおもうと非常にうれしい制度ではありますが、年間120万円と金額が(投資という枠組みにておいて)少額であること、損失を計上した場合の繰り越しなどに制限があること、そして最長5年間の制限があること、など現行NISAはある程度短期目線にならざるを得ない制度設計といえます。
貯蓄から投資へ! 理想と現実
このように現行制度をみてみると、NISAのネーミング自体からも「少額投資」非課税制度とありますので、高額の非課税投資枠の設計は難しいと考えられます。
しかし、政府が新制度設計のために指摘しているように安定的な資産形成を促す制度の設計を検討するのであればもう少し非課税枠が高額とすることで魅力的な制度として投資に資金を回す人が増えるのではないでしょうか。
政府には、いみじくも老後2000万円不足問題がクローズアップされたわけですから、現行のNISAで運用できる年間非課税投資額120万円で期間を20年間に延長する設計や、年間400~500万円程度の非課税投資枠を設けて5、6年の期間を設計するなど非課税投資枠の拡大など検討してもらいたいものです。
そうすることで「貯蓄から投資へ」といったスローガンにも合致しますし、株式市場に参加する個人投資家が増えるのではないでしょうか。