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働き方改革と労働生産性、個人は休日の有効利用を考え、会社は塩漬け株をどうするかを考えるということ

2018/12/05
 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

働き方改革関連法案が6月に成立。働き方はどう変わる?

働き方改革関連法案が6月に成立され、残業時間の上限規制、有給取得の義務化、高度プロフェショナル制度の創設など、2019年4月より施行されることになりました。労働基準法、労働安全衛生法など5つの法改正にまたがる極めて大きな変革となりますので、実はよくわからないと戸惑っている方も多いのではないでしょうか。

特に残業時間の上限規制は労働基準法が1947年に制定されて以来初めての上限規制が設定されることになりました(これまでも制限はありましたが、労使協定(36協定)により実質制限なし)。

また、一般的な正社員に付与されている10日以上の年次有給休暇がある労働者については5日分について日にちを指定して取得させることを企業に義務づけることになりました。

 

実際にはそこで何が変化するのでしょうか。確実に言えることは全体として労働時間は減少します。全体としてと一言加えたのは、日本の労働時間の特徴として、1960~70年代から2000年代にかけて実は労働時間が減少していること、その実態は、正規労働と非正規労働による労働時間の二極化であり、女性の社会進出、高齢者雇用の創出などとも関連しますが、結果としての一人当たり労働時間の減少が大きな要因だからです。

当然ながら働き盛りの正規労働者の労働時間はかなりの長時間であり、そのことが過労死やメンタルヘルスの問題につながっていることは周知のとおりです。この働き盛りの労働者を半強制的に休ませるところが働き方改革の特徴といえます。

 

個人のメリットは、休日の増加

とはいえ、バリバリ仕事をしている人にすると、休むよりも働きたいと考える人も少なくないと思います。それでもなおこの法改正から考える個人のメリットに休日の増加があります。実は、諸外国、特にアメリカと比較して、労働者の残業時間はほとんど変わらない、もしくは日本の方が少ないというデータもあります。それでも日本人の労働時間がやはり長時間となっている理由のひとつは休日の少なさがあります。日本人は休日をほとんどとっておらず土日も仕事、諸外国のビジネスパーソンは、バリバリ働くときは働く、もちろん残業だってする、ただし、休日は家族と過ごすなどしっかり休む、といった違いがみられます。

 

どちらの働き方、生き方がいいのか悪いのかといった議論は置いておいて、いずれにしても、この機会に、自分自身の働き方を見直し、増加する休日に持ち帰った仕事をカフェでするような生活は一切考えずに、どのように休日を過ごすか、家族と過ごすもよし、趣味に生きるもよし、副業やセカンドキャリアの準備もよし、そこから生まれるアイデアがまた仕事に活かされる(ことがあってもいいかな)くらいの気持ちで、メリハリのある生活を志すことが大切ではないでしょうか。

有給なんて病気になったときくらいしか取ったことがないという方は、ぜひこの機会に休日の楽しみ方を準備しておくといいかもしれません。

 

企業のメリットは、生産性の向上、ただし・・・

企業としては、働き盛りの労働者を結果として強制的に休ませなければならないことに不安も大きいと思います。どこの職場でもあの人がいないと、というスター社員はいますので。もちろんスター社員のみが休まれると困るでしょうか、この法案のミソは、みんなまんべんなく休暇がとれるところにあります。結果として休日賃金等は支払う必要がなくなりますし、さらに、次のふたつの意味で生産性の向上が見込めるかもしれません。

ひとつ目は、働く個々人の職場環境の変化です。(大きな声では言えませんが)職場には無駄と思えるような会議や調整作業など、非効率な時間も少なくありません。スター社員にとってはなおさら集中して仕事ができる時間を奪われることになりかねません。そこでローテーションを組んで休むようにすると「全員が集まらない」環境をつくりだせますので無駄な会議等を減らすきっかけになるかもしれません。

ふたつ目は、(こちらも大きな声では言えませんが)どこの職場にも、給料は高いのに仕事は・・・というベテラン社員が一人くらいはいるものです。労働生産性を下げている要因であり、流動性の低い日本の職場環境では対応が難しい存在であったりします。職場にいてもほとんど役に立たないし損切りしようにもできないし、塩漬けになってしまった株式のような感じですね。しかし、ある意味では、このような労働者を半強制的に休ませることできる働き方改革関連法案は、うまく活用すると他の労働者の職場環境を整えるための重要な制度となってくるでしょう。間違ってもスター社員と同じ日に休ませるなどをしてはいけません。

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