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セカンド・キャリア、プロ野球選手から公認会計士へ。戦力外通告からの見えない努力、すべてのビジネスパーソンの参考に

2018/12/05
 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

アメリカ大リーグではイチロー選手以来となる大谷翔平選手が新人王を獲得したという嬉しいニュースが入ってきました。日本でも2年連続ソフトバンクが日本一を獲得してプロ野球シーズンが終わりました。これからオフシーズンですね。

 

オフの過ごし方が大切なのはビジネスパーソンも同じ

しかし、オフシーズンこそが来年度のプロ野球を占ううえで重要な時期となります。数か月間試合がないわけですから、その期間をどう過ごすのかが問われます。休養をとることは大切ですが、家でゴロゴロしているだけだとあっという間に体がなまってしまいます。プロスポーツ選手であればそれは死活問題となります。ご飯を食べに行くとサインを求められたり、夜の街ではモテモテ、人気選手だとTV出演などシーズン中とは異なる環境で過ごすことになります。息抜きとしてはOKでしょうが、そういった誘惑に溺れることなく自主練習をしたり試合勘を養ったり、一般の私たちが考えるよりもものすごく気を使ってらっしゃるのは想像に難くありません。そうやって毎年、トップアスリートたちによるプロスポーツが繰り広げられているわけです。このことは休日の過ごし方という意味では私たち一般人も見習わないといけないことですね。

 

プロ野球選手の平均引退年齢は29.6歳~セカンド・キャリアをどう築くか~

さて、一方で、戦力外通告を受けてプロ野球の世界から離れていく選手たちがいます。往年の人気選手からほとんど無名の選手まで、なかにはドラフト会議で名前を賑わせたのにその後ケガなどの影響で一度も一軍で試合をせずにグラウンドを去るることになった選手など、年齢や状況は様々です。近年ではトライアウト(戦力外通告を受けた選手がプロとして再契約を目指すためにアピールする機会)に参加する選手への密着企画などTV番組にもなっていますが、それでもやはり多くの選手たちがユニフォームを脱いで第二の人生を歩むことになります。

早ければ20歳代前半に、平均すると30歳を手前の時期に引退することになります。30歳からだと第二の人生、やり直すこともできるだろうという球団側の配慮もあるようですが、それでもやはり、野球一筋で頑張ってきた若者にとって、その多くは中学生や高校生の頃は地域で一番の実力と人気を兼ね備えていたような人ですから、喪失感はすごく大きいと思います。

 

公認会計士になった奥村武博さん~野球しかやってなかったはネガティブではない~

プロ野球選手のセカンド・キャリアとなると球団スタッフとして残る以外だと、よく言われるのが飲食店経営ですね。有名なところだと、元・読売巨人投手の條辺剛さんのうどん屋「讃岐うどん 條辺」なんかがありますね。うどんとともに、現役当時の長嶋茂雄監督による看板の題字やサイン色紙を目当てに全国からファンが食べにくるそうです。一度は行ってみたいですね。

そんななか、昨日、奥村武博さんの記事を読みました。誰やそれ、という人も少なくないでしょう。1998年のドラフトで井川慶選手(1位指名)と同期で6位指名で入団された元阪神タイガースの投手です。それでもやっぱり誰やそれという方、実は私もそうでした。しかし記事を読んでみて、大切は視点がたくさんありましたのでご紹介できたらなぁと思います。

ちなみに記事はこちら

 

それでは、奥村さんのセカンド・キャリアについてのポイント解説です。

〇18歳。高卒でプロ野球選手になるも、ケガの影響もあり4年で戦力外通告

〇その後、打撃投手として球団に残るも、打たれる投球に馴染めず1年で退団

〇飲食店やウェイターなど職を転々。元同僚の勇姿をテレビでみて現在の自分との違いにモヤモヤした毎日

 

☆ポイント1.~狭い職業観への気づきと他者の支え~

〇そんなとき、飲食店など身近な狭い範囲でしか職業をみていなかったことに気づく

〇見かねた彼女(その後、めでたくご結婚)からのプレゼント

 

ここでの流れ、順番がすごく大切です。自分自身が「気づく」ことが最初の必須要件です。モヤモヤした気持ちになったり自暴自棄になったりすることもあると思いますが、自分自身の現在地点をしっかり再確認して改めて前をみることでこれまで見えなかったものが見えてくるわけですね。だいたい道に迷っている人は目的地ではなく現在地がわかっていない人がほとんどです。奥村さんは自分自身の立ち位置を再認識されたわけで、本当の意味での契機となったといえると思います。

そこに、彼女からのプレゼント。記事ではこちらがきっかけとありますが、まあ、奥村さん自身の気持ちがモヤモヤしたままだと読まずにスルーされますので、その意味でも抜群のタイミングでのプレゼントといえるんじゃないでしょうか。

 

☆ポイント2.~前を向くと見つかる目標。過去の経験と将来イメージから現在の行動を決める~

〇ふと、本を読む中で公認会計士の文字が目に飛び込んでくる

〇高校時代に簿記を学んでいた経験があった

〇公認会計士となりビジネスの世界で活躍する具体的なイメージが湧く

 

きっかけをつかんだ人間は強いですね。奥村さんにとっては公認会計士の文字が光って見えたんじゃないでしょうか。そしてよくよく考えてみると高校時代に簿記を勉強していたと。おそらく(というと失礼ですが)プロ野球に行くくらいの実力の方ですから、そんなに真剣に勉強をしていたとは思えないのですが(本当にごめんなさい)、それでも過去の経験と相まって将来イメージが一つひとつ具体化されていく、本当にすごいことですよね。その後、資格試験の勉強に一心不乱に努力をされるわけですが、なかなか苦しい時期がつづくようです。

 

☆ポイント3.~自分なりの勉強方法の確立。諦めないこと~

〇一次試験(短答式試験)合格するも、二次試験(論文式試験)不合格

〇諦めかけたときに、再び彼女に発破をかけられ、やる気を取り戻す

〇野球の練習と同じ姿勢と方法で勉強と向き合う独自の勉強スタイルを確立

〇野球をしてきた強みへの誇り、後輩たちへのエール

 

苦節10年、2013年に見事、公認会計士試験に合格された奥村さん。途中で諦めかけたときも彼女の言葉でやる気を取り戻したようです。もちろん、やる気だけ出せばそれで合格できるような甘い試験ではありません。そこは元プロ野球選手、なんと、野球の練習方法で培った弱点克服分析や本番にピークを持ってくる方法などを駆使されたようです。プロ野球と公認会計士というまったく似ても似つかないふたつのプロの世界ですが、奥村さんにとって、その根底には共通した考え方や捉え方があったんでしょうね。現時点でプロ野球選手と公認会計士の両方でプロになった人は奥村さんお一人とのことなので私たちがそのままマネすることはできませんが、それでも、「過去に培った経験を将来に活かすために現在の行動を考え抜く」というのはすべてのビジネスパーソンにとって参考となるんじゃないでしょうか。

最後に、現実として毎年少なくないプロ野球選手が夢破れて引退していくわけですが、元プロ野球選手として奥村さんから後輩へのメッセージがかっこいいです。そのまま引用して、ブログを終えます。

「私が選手経験を試験勉強に生かせたように、プロ野球選手は、他人の良い所を見て盗む力や、パフォーマンスを数字に置き換えて分析する力など、ビジネスに生かせるスキルが自然と身に付いています。引退後に、ネガティブな意味で『野球しかしてこなかった』という表現を使う人が多いですが、私は、ずっと野球をしてきた人は、いろいろな能力が育っているすばらしい人材だと感じています」

「プロ野球選手になる夢がかなって、ビジネス界でも成功を目指せるのは素晴らしいこと。『野球しかできない』と、可能性を自分で狭めないでほしい。自分が好きなことの中から今後やりたいことの種を探して、それを広げてみてください」

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