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70歳就業義務化を検討。生涯現役社会は本当に幸せか

2019/01/23
 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

11月26日に政府の未来投資会議において、成長戦略の方向性をとりまとめたようです。
ちなみに未来投資会議の議長は安倍晋三総理です。

 

70歳までの就業機会確保では、企業に「多様な選択肢のいずれかを求める方向」と明記し、将来の義務化を検討する方針を示した。来夏に実行計画をまとめ、早期の法制化を図る。
「70歳就業、義務化検討=法制化へ来夏実行計画―政府」(時事通信11/26配信)

 

現状では、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)によって、65歳までの安定した雇用を確保するための措置として以下の①から③の措置のいずれかを講じなければならないとされています。

①定年の引き上げ
②継続雇用制度の導入
③定年の定めの廃止

 

多くの企業では、②継続雇用制度の導入が実施れており、たとえば60歳で定年を迎えても労働者が望めば65歳までの雇用が継続されます。もちろん、グループ会社での雇用継続や、これまでの雇用形態(たとえば正社員)からの変更など、そのあたりは柔軟な対応が可能となっています。

今後、70歳までの同様の措置の延長が検討されるとのことです。おそらく当面は努力義務として経過措置を経たうえで義務規定となる流れだと思われます。

 

もちろん、私の周りにも健康な70歳はたくさんいますから、本人の希望に応じて働くことができる社会は素晴らしい社会だと思います。
とはいえ、どうも、年金受給年齢の引き下げや、少子高齢化の影響による年金財源が怪しくなりそうな雲行きがあるなどの理由も見え隠れしているようです。

結果的に、目指す方向性として、健康なうちは働くことを中心に考え、言葉は適切ではないかもですけど、健康でなくなったら仕事生活からリタイアするという印象にどうしてもなってしまいます。

 

生涯現役社会という言葉はすごくきれいです。
ところが、どうしても「仕事を継続している=現役」になっていると感じます。
仕事生活から離れても家庭や地域社会での生活があるわけですから、そちらの充実にももっと目を向けることはできないでしょうかね。政府としては税金を納めてくれる人が一人でも多い方が望ましいわけで、高年齢者にも雇用を、というメッセージになるのは致し方ないとは思いますが。

 

同時に、雇用される、という、企業で働くことが前提の、ある意味企業主体の働き方を定年後もそのまま延長して考える枠組みも、そろそろ再考の余地があってもいいのではないでしょうか。
欧米のイメージにあるセミ・リタイアメントが望ましいとは言わないですけど、70歳まで現在の仕事の延長で働き続けるのは、ちょっと…、という気がしないでもないです。

これからますます高年齢者の割合が増加することで、病気やケガのリスクや将来の成長力が削がれてしまうようでは本末転倒だと考えます。

政府には、ぜひ、企業で働くことに限定したような「多様な選択肢のいずれかを求める方向」だけにとどまらずに、社会全体のなかで「多様な選択肢を提示して、そのなかで高年齢者が自由に選択できる方向」を検討していただいて、21世紀の生き方・働き方のモデルケースを提示してもらえるとうれしいです。

 

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