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狩りは残酷なのか!? 多様性と文化の理解は難しい!

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

猟友会に所属する福井県高浜町議会の議員が、フェイスブックに掲載した写真や文章によって問題となっているようです。

 

残念ながらフェイスブックのページを直接みることはできなかったのですが(おそらく消去済み)、記事を引用しつつ「多様性」や「文化」について考えていきます。

 

狩りは残酷!? 命を軽視している!?

福井県高浜町議会の児玉千明議員(30)がSNS(会員制交流サイト)フェイスブックなどに掲載していた、獣肉や自身を写した写真や文章が「命を軽視するような行為」で不適切だとして、東京の動物愛護団体が3月13日までに、児玉議員の辞職を求める要望書を同町議会事務局に送付したことが団体への取材で分かった。また、この写真などが別のSNS上で頒布されたことなどから、同町議会事務局に8日以降、100件を超す抗議のメールが送られる事態となっている。

出所)「猟友会所属の女性議員のSNS投稿写真が炎上「命を軽視」」福井新聞(2019年3月14日配信)

 

論点になりそうなところは次の3点が考えられます。

①獣肉や自身を写した写真や文章は「命を軽視するような行為」で不適切といえるのか?
②児玉議員の辞職を求める要望書が送付されたようであるが、辞職しなければならないのか?
③SNSで拡散されたのち、100件超の抗議メールが届いているがどのような内容か?

 

①獣肉や自身を写した写真や文章は「命を軽視するような行為」で不適切といえるのか?

先ほども書きましたが残念ながらフェイスブックに当該投稿をみつけることができませんでした。

 

記事を抜粋すると、

県猟友会高浜支部に所属しているなど、獣肉を解体する機会がある。

…中略…

問題視しているのは、児玉議員が昨秋までにフェイスブック(FB)に投稿した自身の写真や文章。獣の肉塊がぶら下がった前で包丁を持ったり、鹿の革製のちょうネクタイを身につけたりして、ともに白目をむいて写ったものなどがある。

…中略…

児玉議員は取材に対し、投稿は「残酷、きたないなどの鳥獣処理の悪いイメージを払拭するのが目的だった」とし「不快にさせ、さらに町などに迷惑をかけてしまったのは申し訳なく反省している」としている。

出所)同上

 

問題となっている写真は、狩りをしたあとに獣肉をさばいているところの画像だと思われます。
推測の域を出ませんが、少し大げさなポーズとともに掲載されたのではないでしょうか。

 

児玉議員のフェイスブックをみてみると、一見すると議員のものとは思えないようなやわらかい内容の投稿であふれています。
たとえばご家族の誕生日祝いなど団らんの写真や議会での仕事に関連した写真などたくさん投稿されており、町会議員というお堅いイメージを払しょくするようなねらいがあるようで、おそらく30歳とお若い児玉議員が若者へのメッセージとしてそのあたりを意識されているのだと思います。

 

②児玉議員の辞職を求める要望書が送付されたようであるが、辞職しなければならないのか?

そこに、東京の動物愛護団体が、辞職を求めるという要望書が提出されたわけです。

 

何度も繰り返しになりますが、直接そのフェイスブックの写真や文章をみていないので何とも言えませんが、「辞職する必要はない」のではないか、と思います。

 

資格のない人間が小動物などを解体していたら大きな問題になると思います。
しかし、児玉議員は猟友会に所属している有資格者であること、おそらく猟友会の関係者にも支援者がいらっしゃることなどを考えると活動報告のひとつと素直に受け止めることができます。

 

とはいえ、牛、豚、鶏など食肉の解体についても、画像になるとインパクトが大きくショックを受ける人がいることは想定されます。狩りのあとの獣肉だとより生々しい画像となりますので、嫌悪感を示す人がいても不思議ではありません。

 

多くの人は狩りをしたことがありませんし、そのあとの獣肉の解体もみたことがありません。
画像として発信するには少し配慮が足りなかったといえそうです。

 

記事にも「高浜町議会の粟野明雄議長が、児玉議員に対し口頭で厳重注意した」とありますので、次から気をつければいいのではないでしょうか。

 

③SNSで拡散されたのち、100件超の抗議メールが届いているがどのような内容か?

記事によると、抗議メールの内容の多くは、個人攻撃であふれかえっているようで「炎上」状態になっているとのことです。

 

おそらく写真や文章が面白おかしく拡散されたのち、それを見た人たちによる個人攻撃となっているのだと考えられます。

いわゆるバイトテロで人物を特定したり、社会的に制裁を加えることに正義感を抱いておこなう個人攻撃と同じメカニズムだと思います。

なかには脅迫めいた内容のメールもあったことから、児玉議員は法的処置を含めた毅然とした対応を検討するようです。

 

これらの論点は、児玉議員が実施したこと、動物愛護団体が求めている要望、抗議メール、のそれぞれについて是々非々で議論を深めていくことが大切となります。

 

私的な意見でいうと、

児玉議員が実施したこと・・・ちょっとやりすぎ
動物愛護団体が求めている要望・・・議員を辞職する必要はない
抗議メール・・・毅然と対応すべき

となります。

 

獣肉解体写真の問題から「多様性」と「文化」について考える

狩りをする人としない人が互いに認め合うことが多様性

より本質的な議論としては、狩りをおこない獣肉を解体すること自体は法律上問題のない行為です。

もちろん、資格の有無や狩りをする時期の制限などルールに従う必要がありますが、ヨーロッパでは狩りは王侯貴族をはじめ高貴な趣味のひとつといわれています。

日本でも時代劇などで殿様が鷹狩りをするシーンがありますが(最近時代劇を見る機会は激減していますが)、やはり上流階級の趣味のような位置づけだと思われます。

 

さらには、狩りをする必要がある地域性や、生活をかけておこなう猟師など仕事の側面もありますので、狩りおよび獣肉解体をおこなう理由は多様なものがあります。

あわせて狩りの対象となる動物には、文化の違いが色濃くあらわれることになります。

 

このように考えると、狩りおよび獣肉解体は、実践する人にとっては、仕事であったり、趣味であったり、ということになります。

 

他人の仕事や趣味にとやかく言う必要はない、というのが私の率直な気持ちになります。

 

動物や植物を毎日食べている人間として、獣肉の解体写真に対して「命を軽視するような行為」であるから不快だ、という感情をもつことはその人の自由だと思いますが、それを理由に議員を辞職せよというのは少々過激だなあと感じます。

 

狩りをする人も狩りをしない人も、それぞれの仕事や趣味を認め合うことが多様性を認める第一歩ではないでしょうか。

 

文化の違いを認めながら過敏になりすぎないことが大切

そういえば、2014年にはファミリーマートが発売しようとした「ファミマプレミアム黒毛和牛入り ハンバーグ弁当〜フォアグラパテ添え」が一部消費者からの抗議によって発売中止に追い込まれる事態になりました。

 

曰はく、フォアグラは動物虐待だから。

 

あまり生産的な議論とはいえないように感じました。

 

日本では、牛肉、豚肉、鶏肉、を食用として主に食べていますが、諸外国では牛肉NG、豚肉NGといった国や民族があることはよく知られています。

 

また、日本では、雉(きじ)、猪(いのしい)、熊(くま)、馬(うま)、羊(ひつじ)、鯨(くじら)などを食す文化があります。

これらについて食べないという人もいるでしょうし、食べる人もいると思います。

たとえば鯨のように捕獲や食べることについて諸外国と摩擦になっているものもあります。

 

一方で、猿、うさぎ、犬、などは日本ではあまり食べる機会がありませんが、それらをたくさん食べる国や民族もあります。

 

私自身あまり食べたいとは思わないものもありますが、だからといってこれらを食べる人に対して先入観や偏見、軽蔑の態度はもたないようにしています。

 

今後といってもあと2週間もすると新年度が始まります。
外国人労働者のビザ拡大とともに「衣食住」を日本でおこなう外国人が増加することが想定されています。

文化の違いから戸惑うことも多いと思いますが、多様性を認め合える社会であってほしいと思います。

 

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