働くことが幸せなのか、働かないことが幸せなのか? 第5の革新! 日本経済新聞にみる2050年
こんにちは、さんちゃんです。
昨日にひきつづき元日1月1日の日本経済新聞から、見開き6面7面の特集記事を紹介します。
タイトルは、「第5の革新 飛躍に点火 人類は 企業は 国家は」です。
第1の革新・・・猿人から都市国家~個から集団への変化
第2の革新・・・第1次~第2次産業革命~動力、エネルギーの革新
第3の革新・・・第3次産業革命~情報処理・共有の発展
第4の革新・・・生命科学の進歩~人の限界への挑戦
第5の革新・・・ヒト、機械、ネットワークの融合
加速度的に技術が進化すると考えられており、米国未来学者例・カーツワイル氏の予想として2045年にAIが人間の知性を超えるシンギュラリティが訪れるとしています。そこで、本当にそのような未来が訪れるのか、日経新聞が日本の若手研究者を対象としたアンケートでも9割が「そう思う(=シンギュラリティが訪れる)」と回答しています。
およそ20~30年のあいだに、われわれの生活や仕事のスタイルは大きく変わっていることになります。
6面にある「スケッチ2050」8コマ漫画のストーリーをみると、
移動・・・自動運転
会話・・・外国人と母語で会話が可能(全員が耳に完全自動翻訳機能があるチップをつけている)
仕事・・・そのほとんどはAIに代替
となっています。
そこでは「労働からの解放」により、趣味や娯楽といった余暇が生活の中心となり、古代ローマの「奴隷=労働」、「特権階級=遊興」と似た時代になると予想されています。
そのため、「人類とは何か」「幸福とは何か」「人は何に価値を見出すのか」が重要な問いかけとなってきます。
昨日のブログでも書きましたが、人間の本質に迫る哲学的な問いかけといえます。
記事のサブタイトルには「「頭脳資本主義」が価値を生み出す」とあるように、頭脳が競争力の源泉となる時代がすぐそこまできています。
また、AIに仕事が奪われるという論文について以前ブログでも紹介しましたが、著者のマイケル・オズボーン英国オックスフォード大学准教授も6面のインタビューで、未来の競争力は人が決めると回答しています。
さて、特集記事をよく読み込んでみると話が大きくなりすぎているきらいがあります。
元日の特集記事ですから、このくらい夢のある記事があったほうが読むほうもうれしいのが本音です。
とはいえ、今すぐに人類とは何かに迫ることはできません。
それでも、そこにつながるであろうポイントとして「労働からの解放」の意義を考えてみます。
日本における三大義務のひとつに勤労の義務があります。
しかし、すでに日経新聞の記事を紹介してきたように30年後には労働から解放される可能性があるといっているわけです。オズボーン准教授の論文においてAIに仕事が奪われるという話がありましたが、これらのことをどのようにとらえればいいのでしょうか。
仕事がなくなる = 収入がなくなる = 地獄だ!
といった感じでしょうか。
あるいは、
仕事はAIに任せる = 人間は仕事をしなくていい = 極楽だ!
となるのでしょうか。
このようにAIに仕事が奪われることを肯定的にとらえるか否定的にとらえるかについては、人々が労働に対するひとつの価値観となって表現されます。
現在では、働くことの前提として、労働を美徳とする価値観があったりするわけですが、それが変化するのか、しないのか、極めて興味深いポイントといえます。
そこから一歩進んで、働くことが幸せにつながると考えるのか、働かないことが幸せにつながると考えるのか、極めて難しい問いかけですが、人類全体の幸せを考えるよりは限定されます。
いきなり大きな問いかけである「人類の幸せ」に回答することは難しいですが、このように働くことに限定して、一つひとつポイントを整理していくと具体的な議論につながるのではないでしょうか。
この問いかけの延長線上に、人類とは、何に価値を見出すのか、があるように思われます。