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キングダムに学ぶ部下を鼓舞する方法! 信のやり方は経営学の王道である!? 採用活動に役立てよう

2019/01/17
 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

漫画キングダムに学ぶシリーズです。
今回は部下を鼓舞する方法として主人公のひとり信(しん。後の李信将軍)を取り上げます。
これまで嬴政(えいせい。後の秦の始皇帝、本作の主人公の一人)については何回も取り上げましたが、もう一人の主人公・信にを中心に取り上げるのははじめてとなります。

 

今回のブログでは、信が百将(ひゃくしょう。百人の部下をもつ隊の隊長)となり、最初に檄を飛ばすシーンを取り上げます。
信がリーダーとしての第一歩を踏み出した記念すべきシーンです(『キングダム』第11巻)。

そこでのセリフは、実は、なんと、部隊のモチベーションを高める方法として経営学の王道のような発言になっていますので紹介します。

 

特殊百人隊隊長・信の檄

信は、蛇甘平原(だかんへいげん)における魏国との戦で初陣を飾りました。
味方の死傷者が続出するなか、大活躍したことで一兵卒から百人隊の隊長に昇格します。
そして、趙国が攻めてきたことにより百将として公式に部下を率いて戦うはじめての戦を迎えます。

 

そこで、集まった100人を前に堂々たるスピーチをします。

 

※「特殊百人部隊」百将 信(※紹介テロップ)

尾平(部下)「!? 特殊百人部隊!?」
信「そうだ! 俺達の百人隊はどの大隊にも所属せず王騎将軍直属の特殊部隊になることを将軍本人に聞いてきた かと言って特殊部隊ってのが何なのか 何をする隊なのかは俺もわからねェ だがこれだけは言える 将軍がこの隊を他と色分けしたってことは他よりも重要な戦地に当てるってことだ ひょっとしたらとんでもねェとこに突撃させられるかも知れねェ だがその分挙げる武功は間違いなくバカでけェ!

※部下たちの目の色が変わる

信「この部隊の大半があの蛇甘平原を生き残った猛者達だ! 俺たちが力を束ねればどんな敵にも立ち向かえる!  いいかてめェら のこのこと攻めて来やがった趙軍をたたきつぶし 魏戦よりもさらにでっけェ武功をつかみ取るぞ!!」

部下たち「オオオオオオオ」
以前から信を知る部下たち「すげェ あいつ本当に信か?」「どうなってんだこりゃ」「信 お前…」「…」
渕さん(副長)※心の声[さすが信殿 最初の檄で一気に隊の心をつかんだ]
初陣で一緒に戦った部下たち「あのガキ(※信のこと) この半年の間に何かあったっスね」「…………」

 

ここでのポイントは、

①わからないことはわからないと正直に伝える:「何をする隊なのかは俺もわからねェ」
②大変であることを率直に伝える:「将軍がこの隊を他と色分けしたってことは他よりも重要な戦地に当てるってことだ」
③その対価として報酬が大きいことを伝える:「だがその分挙げる武功は間違いなくバカでけェ!」
④ともに戦う意思を伝える:「俺たちが力を束ねればどんな敵にも立ち向かえる!」

と展開されているところにあります。

信の檄には、経営学でRJPと呼ばれる「新人を戦力化する考え方」が盛り込まれています。

 

信の檄と経営学”RJP”による新人を戦力化する考え方

RJPとは、リアリスティック・ジョブ・プレビュー(Realistic Job Preview)の頭文字であり、アール・ジェイ・ピーとそのまま発音します。
RJPが意味するところは「現実的な仕事情報の事前開示」となります。

主に、採用活動から新卒社員の定着に関連して使われる用語です。

 

たとえば会社案内のパンフレットには、基本的に会社の「いいところ」しか書かれていません。ホームページや紹介動画を製作している会社もありますが、そこでの情報もやはり「いちばんきれいな部分を強調している」ことがほとんどです。
それに加えて、会社説明会などで自社のPRを重視しいい面ばかりを強調してしまうあまり、マイナス面の情報(たとえば休みがとりにくい、労働時間が長い、仕事がきつい、職場が暗い、トイレが汚い、など)を隠してしまうことがあります。

そのような採用活動を経て入社した新卒社員は、会社説明会等で事前に聞かされていた情報から期待値を膨らませて入社することになります。
その結果、「思っていたのと全然違う」と落胆することになり早期の離職へとつながります。

 

この「思っていたのと全然違う」という現象を経営学ではリアリティ・ショック(reality shock)と呼び、このリアリティ・ショックを軽減するための方法としてRJPが語られます。

 

RJPの考え方を応用すると、ある程度は正直に、仕事が大変であること、最初は雑用ばかりであまり面白くないかもしれないこと、土日に仕事が入ることもあること、社員食堂が狭いこと、など就職活動をしている側にとってマイナスとなる情報をも伝えます。
それでも入社したいという人を対象に採用することになりますので、結果的にミスマッチを軽減し早期の離職を防ぐことにつながるというものです。

 

信は、わからないことはわからないといい、大変であることを率直に伝えています。そこで不安になる部下に対して、その分の成果もまた大きいことを伝えて鼓舞しているのです。
戦ですから無傷というわけにはいきませんし、命の危険は常につきまといます。
嘘や出鱈目でけむに巻くのではなく、ありのままの現状と目標をストレートに伝えているところが共感を生む結果となっています。

 

実際には、採用活動において、なかなか会社のありのままを率直に語るということは難しいかもしれません。
それでも入社した後は一緒に働くことになりますので、いいことばかりを伝えていた結果、失望感から離職につながってしまっては採用活動が無駄になってしまいます。

現状と理想と目標とを、バランスよくうまくちりばめながら採用活動をおこなう必要があるといえます。

 

ちなみに、近年、新卒社員が一番リアリティ・ショックを受けているのが「失敗をおそれず挑戦する人材」などというフレーズです。それでいて入社後やりたい仕事を口に出そうものなら「まずは下積みから」というお決まりの流れが最も失望感を醸成させることにつながっています。


ドキっとされた方は入社前教育でRJPを意識してみてはいかがでしょうか。

 

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