みんな違ってみんないい! 不登校少年の挑戦に感じること
こんにちは、さんちゃんです。
本日、5月5日は「子どもの日」、1948年(昭和23年)に制定された国民の祝日です。
興味深い記事がありましたので紹介します。
不登校少年の挑戦!
「俺が自由な世界をつくる」。自由を求めて学校に通わない選択をした中村逞珂(ゆたか)さん(10)=宜野湾市=が「少年革命家 ゆたぼん」と名乗り、ユーチューバーとして活動している。大阪生まれ、沖縄在住のゆたぼんは「ハイサイまいど!」で始まる楽しい動画を提供しつつ、いじめや不登校に悩む子や親に「不登校は不幸じゃない」と強いメッセージを発信している。
…中略…
人気作家や編集者、お笑い芸人などと共演を重ね「ノートに書くだけが勉強じゃない。いろんな人に会うことも勉強だ」と、学校ではできない学びに自信を深めている。
…中略…
夢は子どもだけが乗れるピースボートで世界中に友達をつくり、戦争をなくすこと。子どもの自殺が増えるとされる夏休み明けの頃には、子どもを集めたライブを開催する計画も練っている。
出所)「「不登校は不幸じゃない」10歳のユーチューバー 沖縄から世界に発信「ハイサイまいど!」」琉球新報
まったく知らなかったので、さっそく中村さんのYouTubeチャンネルを確認すると「等身大の少年」による素直なメッセージにあふれていました。
そこには、学校に対する漠然とした悩み、不登校は不幸なことではない、死にたいくらいなら学校に行くな、などなど本当に純粋な少年だと感じられる動画タイトルが並んでいました。
少年革命家を名乗ったり、人気漫画One Pieceの主人公ルフィがかぶるような麦わら帽子をかぶっていたり、自由や幸福、子どもの夢をかなえるための行動として、YouTubeでの活動を選択されたようです。
父親の影響というブルーハーツや尾崎豊など1980年代から1990年代の音楽をカバーした動画も投稿されています。
本当に純粋な少年という印象で、自分自身が大人になったからこそわかる「なんとなく冷めた考え」やだからこその「あの頃の漠然とした世の中に対する負のエネルギー」などがストレートに伝わってきます。
この活動が少年時代に特有のエネルギーからくるものなのか、20代、30代、あるいはそれ以上の年齢になっても継続されているのか、興味深いところではあります。
もちろんこういう活動に対しては賛否両論あるでしょうが、他人がとやかく言うものではありませんし、現状では「少年の心を持った少年らしい行動をしている少年」というほほえましい少年の活動という印象でしかありません。
これからどのような活動をされるかによって、中村さんが天才か凡人か、本当に革命家といえるのかについての評価が形づくられるのではないでしょうか。
みんな違ってみんないい
詩人・金子みすゞの有名な「わたしと小鳥とすずと」の一節です。
全文は次のようになっています。
わたしが両手をひろげても
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥はわたしのように
地べたをはやくははしれないわたしがからだをゆすっても
きれいな音はでないけど
あの鳴る鈴はわたしのように
たくさんな歌は知らないよすずと小鳥とそれからわたし
みんなちがって
みんないい
鈴と小鳥と自分自身、それぞれの特徴があってそれぞれが素晴らしいといいます。
一方で、数年前に話題になりましたが「みんな違ってみんないい」の対義語として「揃いも揃ってみんなダメ」が紹介されていました。
誰しも「みんなと同じ考えや行動」と「みんなと違う考えや行動」のあいだには何が正解で不正解か、幸せか不幸せか、といった感情が揺れ動く時期があると思います。
その葛藤のなかで大人になっていったというとかっこよく聞こえますが、「揃いも揃ってみんなダメ」のようになんとなく惰性で生活をしている部分があることにも気づかされます。
10歳の中村さんがYouTubeで活動すること自体がそれほど特別なことだとは思いません。
少年特有の純粋な気持ちや行動がそのままストレートに表現されています。
これからはメディアに取り上げられることで影響力が大きくなっていくと思いますので、周囲のサポートもより重要になってくると考えられます。
そういった環境変化からくる戸惑いもあるでしょうが、中村さんの今後の活動が期待されますし、また、ご本人が20歳、30歳、40歳になったときには、ぜひ過去を振り返ってのそのときそのときの気持ちを発信していただきたいと思います。