毎月勤労統計の不正・・・、そろそろ前向きな議論をはじめませんか?
こんにちは、さんちゃんです。
毎月勤労統計調査に関する続報ですが、当初「ずさん」な調査との表記がみられましたが、連休明けからは「不正」な調査と表記する媒体が目立っています(たとえば、毎日新聞や共同通信など「不正調査問題」との表記が目立つ」)。
これまでに発覚している内容をまとめると次のとおりです。
出所)「【図解・行政】これまでに判明した毎月勤労統計調査の問題点(2019年1月)」時事通信2019年1月17日配信
さて、この問題で、政府は2019年度予算案の修正を閣議決定し、6億5000万円の予算増額をおこない追加財源は赤字国債で賄うと発表しました(「政府、来年度予算案を修正=赤字国債6.5億円増発―勤労統計不正」時事通信2019年1月18日配信)。
しかしながら、一部のデータについてすでに破棄または紛失しており再集計は困難との報道もでています(「データ廃棄で、統計の修正不可能 不正調査、野党が関係省庁を聴取」共同通信2019年1月18日配信)。
そのため、どこまでいってもデータの再現性はありません。
与野党ともに国会その他の場面で関係者の責任問題を追及すると思うのですが、はっきりいって国民のガス抜きアピール程度にしかならない可能性が高いです。
繰り返しになりますが、一部データが欠損しているわけですからもはや修正不能です。
状況が状況ですので、ここからの議論で大切となるのは、原因追及(特に犯人捜し)に心血を注ぐよりも、今後どのように対応するか、という前向きな議論です。
犯人捜しに躍起になって、結果的に時間とともにうやむやになってしまうと「消えた年金問題」から何も変わらないことになります。
不正問題が原因と考えられる雇用保険等の支払い不足の対象者は2004年以降延べ人数で2000万人を超えており、費用にすると総額約800億円に上るといわれています。
この問題をどのように対応するのか、政府や関係省庁の動向に注目しておく必要があります。
その対応次第では、大きく政治が動くことも想定されます。