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自分らしく生きる!「生き方改革」のための働き方3選!

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

昨日のブログで、働き方改革の大前提として個人の生き方を見つめ直すことが大切であると書きました。

なぜ「働き方改革」に戸惑うのか? 「生き方改革」が語られていないからである!

 

本日は、生き方と働き方の関係性についてよりよく生きる・働くための3つのパターンを紹介します。

 

幸せな働き方の現実

「どこにある?ベストな人生」『日経ビジネス』2019年2月18日号によると、幸せな働き方としてとりあげられることが多い誤解として次の2つを紹介していいます。

 

現実1.ワークライフバランスを極めるのは難しい

ワークライフバランスの先進国として北欧の事例が紹介されています。

ポイントは「効率的な働き方」と「解雇条件の緩さ」にあります。

効率的な働き方として、たとえば終業時間がきっちり決められており、だらだらと残業する概念がありません。
その分、時間管理は厳格で設定された会議時間を延長することはなく、時間がきたら終了となります。中途半端に終わった場合は会議の主宰者にダメ社員の烙印が押されるといいます。

 

そしてダメ社員に対しては解雇が待っています。
解雇条件が緩いため、その点ではスピード感と緊張感がある職場となっています。

 

日本では、効率的な働き方を志向する企業が増えてきています。
それでも「開始時間は厳密に、終了時間は議論が尽きるまで」といった企業がまだまだ多いのが現実です。

 

さすがに残業(≒ハードワーク)をすることが会社への忠誠心と考えられていたのは一昔前ですが、それでも定時に退社することがはばかられる慣習はいまだに残っているといえます。

結局、終わりの時間がだらだらと伸びることでワークライフバランスの達成は難しくなります。

 

同時に、雇用の流動性として、解雇条件が緩いが転職条件も易しい(労働移動が頻繁におこる)社会である北欧と、解雇条件は厳しく転職条件も厳しい(労働移動が起こりにくい)社会である日本とでは、会社と個人の関係性は大きく異なります。
そのため、日本では前述のような会社に対する忠誠心(示す行動)が人事評価の対象となることがあります。

 

現実2.好きを仕事にしても食べていけない

「好き」や「やりがい」など経済的物質的報酬ではなく内発的な報酬を追求した職業では食べていくことが困難な事例が紹介されています。
そこににはトラックの運転手、バイク便のライダー、小学校の教員、スポーツ選手、など多様な職業が紹介されています。

教員は激務で週労働時間が極めて長時間の職業として働き方改革のなかでも議論されていますし、スポーツ選手は引退後の生活を含めてキャリアプランを設計する必要があります。

 

生き方改革のための働き方3選

「どこにある?ベストな人生」『日経ビジネス』2019年2月18日号では、ベストな生き方の探求として「FIRE」と「幸福感」の2つをとりあげています。そこに「パラレルキャリア」を含めた3つの働き方を紹介します。

 

働き方1.FIRE~経済的独立を目指し悠々自適生活~

FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの頭文字で「経済的に独立して早期退職」を意味します。

近年、海外で流行している生き方です。

 

FIREのポイントは、「20~30歳代で高額の貯蓄をおこなうために高収入の仕事に従事する」「早期退職後は生活を第一に設計する」というものです。

 

人間の悩みの多くは仕事に関するものです。
そのため経済的に独立しうるだけの貯蓄があれば、多くの悩みから解消されるという考え方です。

 

ただし、日本でFIREを実践しようとすると、外資系投資銀行、外資系コンサルティング・ファーム、M&A仲介会社、高収入のメーカーなど限られた高収入企業に勤務することが近道ですが、これらの企業は採用が狭き門であるとともに激務でもあります。

また、起業家として財をなすこともFIREに近づく一つの手段ですが、成功事例の影に数多の失敗事例があることも事実です。

 

いずれにしても経済的報酬のために定年まで働くという価値観ではなく、一定金額の財をなしたのちには資産運用をしながら悠々自適に生活をおこなうというイメージです。
その際、必ずしも無業というわけではなく(経済的報酬が主目的ではないが)仕事をしている人も少なくありません。

 

とはいえ、FIREはひとつの理想的な生き方、働き方と考えられますが現実的にすべての人が目指せる働き方というわけではありません。

 

働き方2.古き良き家族的経営~日々の幸福感にあふれる職場づくり~

事例として紹介されているのはチョークを製造する文具メーカーの日本理化学工業株式会社です。

 

社長の大山隆久氏は、雇用した障がい者の勤勉さを目の当たりにして、施設でのんびり暮らすこともできるのになぜ働くのかについて、禅寺の住職に疑問を投げかけたところ次のような回答を得た。

 

人間の幸せは、「①愛されること、②褒めること、③役立つこと、④必要にされること」。施設や家庭でできるのは①だけで、②や③や④は働くことでしか得られない」

出所)「どこにある?ベストな人生」『日経ビジネス』2019年2月18日号

 

大山社長は住職のこの言葉を聞いて、残業も少なくなくワークライフバランスも確立していない自社でも「幸せ」を実感できていることが離職率の低さややりがいにつながっていることを理解されたようです。

 

日本理化学工業は、創業82年で60年前から障碍者雇用を実施しています。
チョークの国内シェアトップを誇り、長期安定的雇用として家族的企業の典型的な事例といえます。

 

FIREと家族的経営を志向する日本理化学工業とは、ある意味では両極端な生き方、働き方といえます。
両者の価値観を時間、報酬、雇用の3つの軸で表現すると次のようになります。

時間軸:「高速短期集中」と「低速長期積立」
報酬軸:「高収入」と「普通」
雇用軸:「早期退職と「定年退職」

 

以前の日本企業には理化学工業と類似の方針で長期雇用、家族的経営といえるような企業は少なくありませんでした。

しかし、現在では、チョークという教育機関で安定的に需要が見込める製品のトップシェア企業としての経済的基盤がある理化学工業など一部の優良企業だからこそできる働き方ともいえます。

 

働き方3.パラレルキャリア~権利と義務を個人主導とする生き方~

これまでみてきたように、FIREにしても家族的経営にしてもかなり限定された企業で働くことが前提となっています。

 

これから就職する学生にとっては、自分の生き方を探求するなかでFIREや家族的経営を目指すのもいいかもしれません。
とはいえほとんどの人にとってこれら両極端な2つの価値観の中間に位置する企業で働くことになります。

 

そのため、これからの生き方、働き方を考える際には「パラレルキャリ」という考え方が重要性を増しています。

 

パラレルキャリアとは、経営学者ピーター・ドラッカーが紹介した概念で「本業を持ちながら、別の(第二の)キャリアを築くこと」をいいます。

もともとの意味としては、経済活動に限定されておらず、地域活動や慈善活動なども含まれています。

 

2018年1月に政府から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が公表されて以降、「本業+もうひとつ」という考え方は急速に浸透しつつあります。

 

労働法上の課題、たとえば2社以上で勤務する場合の割増賃金や労災、税金や年金の扱い方など解決しなければならない課題は少なくありませんが、いずれも会社主導で考えているために複雑な手続きとなっています。

 

近い将来、法律上の課題をクリアできて副業や兼業がこれまで以上に一般化するようになると、特定の一つの企業では長期雇用でもなければそこでの収入で生活のすべてをまかなっているわけでもないという人がたくさんでてきます。

 

そうすると、企業が個人の生活や雇用について丸抱えしない・できない社会となりますので、関連する手続きを会社主導で考えるのではなく、個人が権利と責任を持って手続きをおこなうような社会へと変化していくのではないかと考えられます。

 

そのためには一人ひとりが、これまで以上に働くことや生きることについての知識を身につける必要があります。
具体的には年金や税金の仕組み、賃金、労働時間、健康管理などについて、他人任せではなく自分自身で考えていくことが求められます。

 

このような知識を深めることこそが経済的自立への第一歩といえます。

 

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