利き酒(ききざけ)ならぬ利き茶「闘茶」の世界 新しいビジネスになるかも!?

こんにちは、さんちゃんです。
新しいビジネスとして定着するのではないかと思われるイベントが「日刊ゲンダイ」に紹介されていました。
その名も「闘茶」
【参考】
「気分は「バサラ大名」? 現代に蘇る闘茶を体験してみた」日刊ゲンダイDIGITAL(2019年2月21日配信)
闘茶(とうちゃ)とは?
「闘茶」とは、鎌倉時代から室町時代にかけて大流行した賭け事だ。茶の味を飲み当てて勝敗を競うもの。
「バサラ大名」と呼ばれた派手好きの武士たちがあまりにも熱中したため、景品として高価な美術品や道具、さらには土地などの莫大な資産が賭けられるようになった。果ては、破産して自殺する者まで出てきて、見かねた室町幕府が闘茶の禁止令を出し、やがてギャンブルとしての闘茶は廃れていった。しかし最近になって、この闘茶を現代によみがえらせようとする動きが出てきたのだ。仕掛け人は現在30歳の若手茶人、武井宗道さん。2017年から闘茶会の活動を開始し、去る2月9日に3度目が開催された。
出所)「気分は「バサラ大名」? 現代に蘇る闘茶を体験してみた」日刊ゲンダイDIGITAL(2019年2月21日配信)
かなり昔からあるイベント(行事)で、「賭け事」として大流行していたようです。
その後、廃れたようですが、現代版の「闘茶」として新しいイベントになっています。
記事によると、闘茶は「四種十服」(よんしゅじっぷく)として、4種類の抹茶を10回に分けて飲み、それぞれの味を当てるというシンプルなゲームになっています。
闘茶の流れ
1.試飲:全4種類のうち3種類の抹茶を試飲する(最後の1つは「客茶」と呼ばれ試飲せずに当てなければならない)
2.本番:ランダムに出された10杯の抹茶についてそれぞれの銘柄を判別する
このように極めてシンプルなゲームです。
しかし、ここに大の大人が熱狂する要素が隠されています。
闘茶に熱中する理由
1.ルールが単純であること
このように闘茶は極めて単純なゲームですが、この単純さこそが熱中する要素の一つ目となります。
「お茶を飲んで銘柄を当てる」というゲーム自体のルールが単純であるため、「自分もできる」「やってみたい」と人を惹きつけ、老若男女誰にとっても簡単に実施することができます(正式な会への参加は別ですが自宅で簡単に実施することができます)。
必ずしも金品を賭けることをしなくても、ゲームとしてのおもしろさだけで十分に楽しむことが可能です。
2.高貴かつ高価であること
抹茶、お茶会、茶道などと聞くとやはりどこか高貴な印象を持ちます。
そこには落ち着いた大人の娯楽という上流階級のイメージがあります。
また、当日の闘茶会で出された抹茶の値段は「一番安いもので30グラム600円、高いものでは同5400円」と適度に高価であるところも人を惹きつける理由となります。
3.正答することが難しいこと
武井宗道さんによると、過去の闘茶会で実施した闘茶の平均正答率は1割程度しかないようです。
抹茶はよほど飲み慣れた人であってもブラインドで当てることは困難であると武井さんは言っています。
当日の優勝者は10杯中6杯正答した女性だったようで、正答率は60%です。
実際にやってみると思っているよりも正答することが難しいということは「次こそは全問正解したい」などとゲームにのめり込む要素が高いといえます。
あわせて前述したように抹茶は高価な商品でもありますし、カフェインの含有量が高いため10杯連続で飲むこと自体が「贅沢な飲み物」となります。
このように、贅沢な飲み物を飲みながら正解の銘柄をたくさん正答できれば、羨望の的として承認欲求が満たされることにつながります。
ワインの「ソムリエ」や日本酒の「利き酒師」などに対してかっこいいと感じる人は少なくないと思います。
アルコールが飲めない人でも「闘茶」のスペシャリストとして同じようなステータスを得られるかもしれません。
イタリアNo.1を2度受賞しミラノで活躍するソムリエ林基就が企画・監修
新しいビジネスになるか!?
このように闘茶には、
1.ルールが単純であること
2.高貴かつ高価であること
3.正答することが難しいこと
という特徴がみられます。
そして、シニア世代でそれなりに金銭に余裕がある人、上流階級への憧れがある人、定年後の趣味や特技がない人・あるいは趣味を増やしたい人、などをターゲット顧客に「闘茶」は新しいビジネスとして成立する可能性を秘めています。
高齢化社会のなかで、シニア世代を対象とした新しいビジネスは現在もこれからも多数出現すると思いますが、「お茶を飲んで銘柄を当てる」というシンプルなゲームと、その公式イベントの開催や関連する茶器などの販売まで含めるとこれまでの茶道とは一風異なった新しい世界を提供できるのではないでしょうか。