YouTubeでゴルフ! 最大手UUUM株式会社・鎌田社長が語るビジネスの本質!
こんにちは、さんちゃんです。
本日は、今注目のYouTubeクリエイターを多数所属しているインフルエンサー・マネジメント会社「UUUM株式会社」のゴルフ事業について同社代表取締役の鎌田和樹氏のインタビューを紹介します。
このブログではこれまでも「新しい働き方の一形態」としてYouTuberや、彼らのマネジメント会社UUUM(うーむ)について取り上げてきました。
今回は、鎌田社長による「YouTubeでゴル事業」を立ち上げた理由から、ビジネスの本質に迫ります。
「UUUM代表取締役・鎌田和樹氏が語る、ゴルフ事業立ち上げの理由「僕らだからこそリーチできる人たちがいる」」Real Sound(2019年2月27日配信)
YouTubeで「ゴルフ」チャンネルをやる理由(1)~新しい市場・サービスの開拓~
明日、3月1日にはUUUM株式会社(以下、UUUM)が主催するプロアマ大会「UUUMトーナメント リクナビNEXT CUP in沖縄」が開催されます。
プロゴルファー、人気YouTuber、一般のアマチュアの参加者によるプロアマトーナメントです。
これだけだと、単純に儲かっている会社がゴルフ大会のスポンサーになったという印象を受けます。
しかし、実は、UUUMは2018年1月からYouTubeに「UUUM GOLF」というチャンネルを展開しており、登録者数15万人、100万回再生動画もあるなど、実際にゴルフ大会を主催するまでに新しいファンを獲得してきました。
UUUM GOLFについて
「もっと自由に、もっと新しいゴルフを!」をコンセプトにスタートしたUUUM運営によるYouTubeチャンネル。これからゴルフを始める方々から、キャリアの長い方々まで、楽しみながら上達できるようなレッスンコンテンツや、ギア・ファッション・コース情報を発信しています。
出所)UUUM株式会社ニュースリリース(2019年2月21日)
そういう意味では、今回のゴルフ大会の開催は満を持してベストなタイミングでの開催といったところでしょうか。
鎌田和樹社長は「Real Sound」のインタービューで次のように語っています。
ーーさて、そんな人気クリエイターたちも出演している「UUUM GOLF」チャンネルですが、ゴルフ動画の展開についてはどうお考えですか?
鎌田:こちらはきちんと戦略があって、ゴルフに限らず「レッスン動画」というのはYouTube上にたくさんあって、必ずしも有名ではない方の動画が100万再生を超えている、というのも珍しくないんです。YouTubeのいいところは、コンテンツを置いておけば、いつか再生されること。なかでもレッスン系は繰り返し視聴されるので、ストックとして計算できるだろうと。また、YouTubeチャンネルで大々的にゴルフをやっている人がいなかったので、これはチャンスだと思いました。特にゴルフは、雑誌はたくさんありますが、スイングは動画で見ないと伝わりにくい。上級者というより、僕らだからリーチできる、これからゴルフをやりたい若い人とか、好きなクリエイターがやっているからやってみたいと思う人とか、そういう人たちにアプローチして、ゴルフ人口が増えてくれたらいいなと。
鎌田氏のインタビューからは、動画サイトとしてのYouTubeの強みやゴルフという競技の性質を熟知しているからこそビジネスとして成立させていることがうかがえます。
ポイントは、
●YouTubeではレッスン動画(音楽系、ダンス系、スポーツ系などあらゆるジャンルで動画あり)の視聴回数が非常に多い
●いつでも好きな時に繰り返し再生してもらえるコンテンツである
●ゴルフに特化したYouTubeチャンネルはなかった = 競合がいないため参入のチャンスである
●ゴルフの雑誌は非常に多い =レッスン情報への需要は大きい
●ゴルフのレッスンは雑誌よりも動画の方が伝わりやすい(スイングや握り方など)
となります。
つまり、ゴルフのレッスンには動画教材が最適であるにも関わらず、(顧客が無料で視聴できる)YouTubeにゴルフ専門チャンネルがなかったことからビジネスとしてUUUM GOLFを立ち上げたわけです。
そこでは、YouTubeのクリエイターを目当てにゴルフに興味を持って始めた若者や、ゴルフを長年やっていたがYouTubeにはあまり馴染みのなかった中高年層を取り込むことに成功しています。
YouTubeで「ゴルフ」チャンネルをやる理由(2)~ゴルフに精通したスタッフの存在~
とはいえ、単純にYouTubeでゴルフチャンネルがないから始めたらいいというわけではありません。
もしかすると採算が取れない、実は不人気などの理由があるのかもしれません。
社長がゴルフ好きだからといって、おもいつきだけでビジネスとして参入できません。
この点についても鎌田社長はインタビューで興味深い発言をされています。
ーーなるほど。そうしてゴルフへの関心を深めるなかで、「UUUM GOLF」というチャンネルを設立し、公式のトーナメントを開くまでに至りました。「好き」から「事業化」には一段階、ハードルがあると思いますが、どんな経緯があったのでしょう?
鎌田:YouTuberを象徴する言葉に「好きなことで、生きていく」というものがありますが、それは大変なことですし、だからこそ、そのなかで光るものが生まれます。僕も会社を背負っていますから、ゴルフの魅力は実感していても、すぐに「好きだから事業にする」という判断はできませんでした。きっかけは、いまのゴルフ事業の責任者と出会ったことですね。ゴルフ業界に長年いて、雑誌も作っていたエキスパートです。これはどの事業にも言えることなのですが、ひとつ決めているのは、「適任の担当者がいなかったらやらない」ということなんです。
ーーなるほど、現場できちんと導ける人材がいなければ、事業にしないと。
鎌田:そう、トップがひらめきでウルトラCを狙うより、日々一つのことに集中して向き合っている人のほうが強いんです。僕も気づいたことを言うことはできますが、コツコツ、地道に積み上げてノウハウ化するABテストはできない。そういう担当者が見つかるまで、絶対に事業化はしない……と思っていたら、巡り会えたんですよね。古臭く聞こえるかもしれませんが、僕はそういう縁とか、和とか、義みたいなものをめちゃくちゃ大切にしていて、だからこそ今のUUUMがあると思っていて。偶然も重なれば必然ですし、「これはゴルフ事業をやれということだな」と思って、「UUUM GOLF」を立ち上げました。
ここからも鎌田社長の経営に対する姿勢、ビジネスのスタンスが語られています。
「適任の担当者がいないとやらない」
言い換えると、適任者が現れたらすぐにでも事業化できるように事業の種は常に仕込んでおくということになります。
UUUM GOLFは、ある意味では、若者が使っているものの代表例であるYouTubeと、おじさんの娯楽の代表例であるゴルフとを結びつけるアイデアと、それを事業化するビジネスセンスとの両方を兼ね備えた柔軟な思考を持つ鎌田社長だからチャンネル設立が可能であったといえるかもしれません。
代表挨拶(UUUMのwebサイト)に鎌田社長の経歴が紹介されていますが、2003年に19歳で通信会社に入社後、店舗開発・運営、アライアンスなど多岐にわたる分野で実績をあげ29歳で独立した「ビジネスの現場を知る」次世代を担う若手経営者のひとりです。