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正直すぎる教員採用パンフ! 全員が超過勤務、仙台市教委の挑戦!

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

仙台市教育委員会の2020年度向け教員採用パンフレットが正直すぎると話題になっています。

 

弁護士ドットコムの記事を紹介しながら、採用活動のあり方について考えていきます

 

教員全員が超過勤務! 勤務時間は12時間20分!!

仙台市教育委員会が作成した教員募集パンフレットで、紹介されている教員8人全員が「超過勤務」ーー。河北新報が3月6日、市議会で市議からこんな指摘があったと報じた。

ネットでは「嘘を書くよりよっぽどいい」「呆れを通り越して笑える」と賛否両論だが、パンフレットでは、教員の長時間労働が「普通」となってしまっている現状があらわになっている。

出所)「「全員が超勤」正直すぎる教員採用パンフに賛否 仙台市教委は「現場の声を反映」」弁護士ドットコム(2019年3月17日配信)

 

教員採用パンフレットを作成する仙台市教育委員会の教職員課では、教員受験者からの「1日の働き方の流れを知りたい」という要望について、現場の教員に聞き取り調査を実施したうえで、8人の教員の事例をパンフレットに掲載しました。

 

掲載されているのは、小学校、中学校、高校、特別支援学校の8人の教員ですが、なんと8人全員が超過勤務になっています。

 

勤務時間が短い人で10時間30分、多い人だと12時間20分と1日の半分以上にもなっており、なかには休憩時間が10分しかないという教員も紹介されています。

 

本来の7時間45分からは大幅に超過している実態がみてとれます。

 

教職員課の担当者は「確かに超過勤務になっており、勤務時間外の勤務があることは事実」としながら「実際の現場の声を反映するとこうなった。逆に8時半出勤で17時退勤というのでは、違う情報を載せることになってしまう」と話す。

中教審(中央教育審議会)は1月、「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を示し、文科相に答申した。残業時間の上限目安を「原則1カ月で45時間、年間で360時間」と規定しており、仙台市教委も「ガイドラインを受けて、方針を早急に立てていく」としている。

出所)同上

 

働き方改革の一環として長時間労働の見直しが叫ばれていますが、現場の声をきくと、超長時間労働が常態化していることがわかります。

 

教員になりたい人を継続して確保していくために必要なこと

仙台市教育委員会の教員採用パンフレットは、いわゆるRJP(Realistic Job Preview)を実行しているということができます。

 

先日のブログでも書きましたが、RJPは採用活動における経営学の用語です。

RJPとは、リアリスティック・ジョブ・プレビュー(Realistic Job Preview)の頭文字であり、アール・ジェイ・ピーとそのまま発音します。
RJPが意味するところは「現実的な仕事情報の事前開示」となります。

出所)「キングダムに学ぶ部下を鼓舞する方法! 信のやり方は経営学の王道である!? 採用活動に役立てよう」2019年1月17日配信

 

つまり、パンフレットに仕事や職場のいいことばかりを書くのではなく、しんどいところや辛いところなど現実的な情報を開示することで、それでも頑張りたいと考える応募者を集めることができるというものです。

いいことばかりを書いて採用された人ばかりだとパンフレットと現実とのギャップから早期退職につながりかねません。

 

RJPは、夢や憧れだけでは勤まらない仕事の現実を事前に伝えることで軽い気持ちで応募してくる人を少なくし、また採用した人の早期退職を未然に防ぐねらいがあります。

 

仙台市の試みが上手くいって真剣に教員になりたいと考える応募者だけが集まり厳選採用となるのか、それとも応募者が激減するなど採用活動に支障をきたすのか、どちらの方向に進むのかによって、これからの採用活動のあり方に一石を投じることになります。

 

中教審(中央教育審議会)は1月、「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を示していますので、実態として教員の長時間労働をどのように是正していくのかについて真剣に議論をしていく時期に来ているのかもしれません。

 

近年では、長時間労働に加え、子どものいじめ問題への対応、親からのクレーム対応などからストレスをため込み病気になる教員が増えており、教員という職業の魅力を低下させることにつながっています。

 

教員の成り手をどのように採用していくのか、重要な問題が突きつけられているといえます。

 

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