平成の30年間で変化したこと(4)「昭和vs平成の名経営者10選」から令和の経営を占う!
こんにちは、さんちゃんです。
平成の30年間で変化したこと第4弾は「経営者でふり返る平成」です。
そこから令和時代の経営者の条件を考えていきます。
「日経ビジネス」2019年4月29日・5月6日合併号を参考に、昭和の名経営者と平成の名経営者をそれぞれ10人ずつ選出します。
昭和の名経営者10選
第1位 松下幸之助(松下電器産業相談役)
言わずと知れた経営の神様、松下電器産業の創業者
第2位 土光敏夫(経済団体連合会名誉会長)
第4代経団連会長、石川島播磨重工業、東芝の社長を歴任した実業家。質素な生活から「メザシの土光」の異名も
第3位 本田宗一郎(本田技研工業最高顧問)
本田技研工業創業者、平成元年アジア人初「アメリカ自動車殿堂入り」
第4位 石坂泰三(元経団連会長)
第2代経団連会長、第一生命保険、東芝の社長を歴任した実業家。経団連会長として「財界総理」の異名を
第5位 井深大(ソニー名誉会長)
ソニーの創業者、盛田との二人三脚は有名。葬儀での弔辞は元社員でノーベル物理学賞受賞の江崎玲於奈が務める
第6位 桜田武(日本経営者団体連盟名誉会長)
第4代日経連会長、ミスター日経連、池田勇人内閣での財界四天王のひとり。日清紡績の中興の祖である
第7位 出光佐三(出光興産店主)
出光興産創業者。百田尚樹『海賊と呼ばれた男』のモデル
第7位 小林一三(阪急グループ創始者)
阪急東宝グループ創業者。電鉄、不動産、百貨店、映画・宝塚歌劇・プロ野球の興行など多様な事業を興した実業家
第9位 倉田主税(元日立製作所社長)
日立製作所社長(2代目)、日本科学技術振興団初代会長などを歴任、産業の国産技術確立に貢献
第9位 盛田昭夫(ソニー会長)
井深とともにソニー創業者のひとり。OEM契約を断り独自技術で世界を席巻した逸話は有名
いずれも日本を代表する製造業の経営者で独自の技術や販売網を築き上げた創業者が数多く選出されています。
平成の名経営者10選
第1位 孫正義(ソフトバンクグループ)
第2位 稲盛和夫(京セラ)
第3位 柳井正(ファーストリテイリング)
第4位 三木谷浩史(楽天)
第5位 永守重信(日本電産)
第6位 鈴木敏文(セブン&アイホールディングス)
第7位 豊田章男(トヨタ自動車)
第8位 小倉昌男(ヤマト運輸)
第9位 似鳥昭雄(ニトリホールディングス)
第10位 カルロス・ゴーン(日産自動車)
第1位に輝いたのは、いまや日本企業の時価総額で第2位となったソフトバンクグループの創業者、孫正義会長兼社長です。
1980年代に創業、1998年(平成10年)の株式上場という比較的社歴の浅い会社で時価総額12兆円を誇る超巨大企業を率いているわけですから議論の余地はありません。
次いでファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井会長兼社長、楽天の三木谷会長兼社長、ヤマト運輸の小倉昌男元社長(故人)など、新しいビジネスモデルを創りあげた名経営者がならんでいます。
そのなかでも10選のなかで唯一の故人である小倉昌男元社長は昭和から平成にかけて宅急便を全国展開し物流サービスに革命を興したといっても過言ではありません。
あわせて「企業再生」においても抜群の手腕を発揮した稲盛京セラ創業者、永守日本電産会長、ゴーン日産自動車元会長などがランクインされています。
令和時代における名経営者の条件とは
昭和と平成の名経営者をあらためて見直すと、圧倒的な技術力を誇るとともに独自の販売網を形成するなど「顧客を創造」してきたビジネスを展開してきた企業がラインナップされていることがわかります。
これらを前提に、令和時代における名経営者の条件を考えると、
1.基盤となる独自技術に優れており、その技術を用いて新しい市場を創造する
2.世界中を顧客とするような商品・サービスの販売網を築き上げる
3.伝統を最先端に再興する
といった新しいビジネスを創造することなどが想定されます。
1.は、ソフトバンクグループやトヨタ自動車などによって「自動運転」技術が確立されるなどにより移動の概念が大きく変化するなどです。
2.は、先進諸国に加え、アジア、アフリカ、中南米など全世界を対象とした商品やサービスの開発が行われるイメージです。
たとえば自動翻訳機、新しい物流システム、遠隔での医療や生産・製造などを可能とするシステムなどが考えられます。
3.は、「水」、「土」、「空気」など自然を対象としたビジネス、農林水産業の新しいビジネスなどが考えられます。
そのほか、宇宙工学、医療、人工知能など目まぐるしいスピードで技術革新がおこなわれている分野において平成には影も形もなかったような新しいビジネスが誕生する可能性があります。
令和生まれの経営者、科学者が誕生するにはもう少し時間が必要ですが、そういった発展を夢見ながら平成生まれ、昭和生まれ、大正生まれの経営者の系譜を学ぶことは次世代のビジネスに向けた重要な学びとなります。