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かんぽ生命、全契約者に意向確認、本気かパフォーマンスか!?

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

かんぽ生命による不適切保険契約に関する問題で営業自粛を発表していましたが、ここにきて全契約者を対象に契約内容が希望に沿っているのか、継続するか解約するかなどといった意向を確認するとの報道がありました。

 

かんぽ生命が全契約者約2650万人に継続・解約の意向確認!

かんぽ生命の全契約者となると、その数はおよそ2650万人ともいわれており極めて大規模な確認作業となります。

 かんぽ生命保険の不正販売を巡る問題で、販売委託を受ける日本郵便が、契約内容が希望に合っていたかどうかなどを全ての顧客に確認することが14日、分かった。日本郵便が「お客さま対応方針」と題する資料で全国の郵便局に通達した。12日付。契約状況や保険金の支払われる条件などを確かめた上で、継続や解約の意向を問う機会になり、解約が増える可能性もある。
かんぽ生命の顧客は約2648万人とされ、大規模な確認作業となる。
対応方針に関する資料の中で、かんぽ生命と連携して「全てのお客さまへコンタクトを行っていく」と記した。謝罪した上で、契約内容を顧客と一緒に確認するという。

出所)「かんぽ全契約者に意向確認 日本郵便、2600万人」共同通信2019年7月14日配信

 

現時点では対応方針に基づく確認作業の推進について、本気なのか、それとも対応していますというパフォーマンスなのかはわかりません。

 

それでも本気で1件1件丁寧に契約内容を顧客とともに確認するとともに、継続や解約の意向をうかがうというのは極めて大規模な作業であり終わりが見えるまでにはかなりの時間を要することになりそうです。

 

しかも、本当に丁寧に実施しなければ、いい加減な確認作業をした、顧客をぞんざいに扱ったと、さらなる批判を浴びせられることにつながります。

 

先日もブログにしましたが、本当に現場が大変な思いをすることになりそうです。
ほとんどの契約は顧客の意向に沿い適切に処理されていたと考えると、一部のいいかげんな契約の横行により真面目に働いてきたかんぽ生命の人にとっては災厄以外のなにものでもありません。

 

確認作業で注意すべきこと

丁寧な確認作業をおこなうためには何点か注意しなければならないポイントが考えられます。

 

1.全契約者の範囲をどうするか。

報道があったために慌てて解約した人も一定数いるはずです。

そういう人たちは今回の確認調査にカウントされるのでしょうか。
おそらくカウントされないと思うのですが、「どの時点における全契約者」を対象とするのかしっかりと提示しなければ、この数日間に泣く泣く解約したという人から不満が噴出することになります。

 

2.高齢の顧客および家族への対応をどうするか。

また、すでに別の報道でいわれていますが、契約者が高齢のためご本人の息子さんなどが矢面に立っているケースもあるようです。

 宮城県内の50代男性は、記事を見たという70代の母から突然連絡を受けた。「だまされているかもしれない」。今年に入り、毎月12万円もの保険料が請求されていた。夫婦計約24万円の年金生活。ひとまず捻出したが、とても支払い続けられない。
4年余り前、郵便局員に勧められるまま加入した父の養老保険。全額と思い一括で支払った300万円が、実は4年分に過ぎなかった。契約時に同席しなかった父に、母は事実を伝えられずにいる。
男性は「母は大きなショックを受けている。財産をだまし取られて怒りが収まらない」と話す。全額返金を求めて交渉中だ。
 宮城県内の別の50代男性は、80代で認知症の父の契約を巡る苦い経験がある。「保険の形でお金を残せば課税されずにお孫さんに渡せる」などと局員に言われ、12~14年に父と母で計5件契約。父の契約は母のサインで済まされた。
しかしその後「2年後には保険料を減額できる」との局員の説明が虚偽だったことが判明。年間200万円を10年間、年金生活者の父母が支払う内容だった。1年に及ぶ時間と労力をかけて契約無効にこぎ着けたが、非を認めようとしない郵便局側の態度に、今も釈然としない思いを抱える。

出所)「<かんぽ不正販売>「信頼していた」「高齢者食い物」…強引営業に憤りの声続々」河北新報2019年7月14日配信

 

河北新報による2つの事例では、(おそらく別の場所で暮らしている)年老いた親から突然連絡を受けて解約交渉をしているといった事例や、認知症など高齢の親が対象となった契約の事例などが紹介されています。

 

このように、契約者が高齢というのはかなりのケースに上りそうです。

認知症など判断力が低下している高齢者とどのように契約内容の確認をとるのか、説明して理解してもらえるのか、そして後日その家族から「高齢をいいことに騙された・言いくるめられた」といったケースに発展した場合にどのように対応するのか、かなり難しい問題といえます。

だからといって、確認作業において遠く離れて住んでいるご家族にまで同席を促そうとすると交通費や滞在費の負担も考えなければいけません。仕事を休まないといけないかもしれませんし、子どもが小さいなど実家に戻れないなど同席できない場合の後日トラブルを未然に防ぐために複数の家族に対してかんぽ生命の側から複数回にわたって説明に赴かなければならないことになるかもしれません。
高齢契約者にしても、自分では契約内容はよくわからないので交渉は息子に任せる、といった要望がでるかもしれまん。

 

いずれにしても、「全契約者」「確認作業をする」といっても一筋縄ではいかないことは想像に難くありません。

 

現時点では、かんぽ生命がなくなる(廃業・倒産する)といった話はでていませんし、関係者はそのような事態になるとは考えてもいないでしょうが、小規模弱小保険会社であればそのような事態も容易に想像できます。

そのような事態に陥らないように本気で対応しようとしているのか、パフォーマンスに過ぎないのか、これからのかんぽ生命の対応がどのようなものになっていくのか、注視する必要がありそうです。

 

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