元SMAPをTVで排除!? 公取委がジャニーズ事務所に注意!! 芸能界は変わるのか?
こんにちは、さんちゃんです。
先日、ジャニーズ事務所の創業者ジャニー喜多川氏の死去について書いたブログで、芸能界が慣習が変わるのではないかという話をしましたが、まさにその核心に迫る報道がなされました。
☆過去記事☆
ジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川氏死去、芸能界は激変するか!?
元SMAPをTVから排除の疑い!?
ジャニーズ事務所が、元所属タレントでジャニーズ事務所を退所した元SMAPの3名(稲垣吾郎さんと草彅剛さん、香取慎吾さん)に対して、TV出演させないような働きかけをしたのではないかという独占禁止法の疑いで公正取引委員会から注意を受けていたことが判明しました。
SMAPの元メンバー3人のテレビ出演を巡り、大手芸能事務所のジャニーズ事務所がテレビ局に出演させないよう圧力をかけた疑いがあり、公正取引委員会が独占禁止法違反の恐れがあるとして事務所に注意していたことが明らかになった。近年、芸能人が所属事務所との契約を巡ってトラブルになるケースが相次いでおり、公取委は事務所への監視を強化していた。
出所)「公取委、ジャニーズ注意 芸能界監視を強化 芸能人と所属事務所の契約トラブル相次ぎ」毎日新聞2019年7月17日配信
3名がTV出演していた番組が相次いで終了し、以後新しいTV番組に出演しなくなった時期がジャニーズ事務所を退所した時期と被ることから、ジャニーズ事務所がTV局に働きかけをしていたのではないかと疑いがかけられたようです。
ジャニーズ事務所は否定するコメントを発表しています。
またTV局側のコメントとして、「過度に忖度していた」という表現でTV局として出演オファーを見送っていたというニュアンスの発表もされています。
記事にもあるように、独占禁止法に抵触したわけではなく注意で終わっているわけですが、その情報が公に報道されたところに大きな意義があります。
なんせ、17日夜にNHKのニュース速報で流れたくらいの衝撃的な出来事でした。
また一夜明けた18日の民放のワイドショーなどでも報道がされましたが、出演者からのコメントや議論はほとんどなく事実のみを淡々と伝えるものがほとんどでした。
そのなかで、日本テレビ系「スッキリ」に出演しているタレントの加藤浩次さんはこの問題に独自の立場から発言をされていました。
要点をまとめると、ジャニーズ事務所に限らず大手芸能事務所から独立した俳優・女優、タレントなどは数年間はTVに出演することが難しくなるというのは周知の事実、業界としての暗黙の了解のようなもので視聴者はもちろん自分(加藤さん)たちも業界内にいて知っている。
そして、これまでは芸能界の常識のような扱いであったが、新しい時代には変わっていくことも大切である、という考え方を表明しました。
大手芸能事務所やTV局が当事者となっている問題については、出演者の口が重くなるのはいつものことですが、加藤さんの発言は状況認識から今後の課題についてしっかりと発言しており、同時に、これまでの習慣を悪いものと決めつけるわけでもなく新しい時代にあったものにすべきという発言は芯のある発言と評価できます。
ジャニー喜多川氏が死去したことと報道されたことの関係性は!?
今回のジャニーズ事務所が元所属タレントに圧力をかけていたのではないかという疑いは、先述した加藤さんも指摘しているように多くの視聴者が暗黙の了解で気づいているものだったと思います。
ジャニーズ事務所に限らず、所属事務所とトラブルになった人気俳優・女優、タレントがその後TV番組から消えるというのは珍しいことではありませんでした。
記憶に新しいところですとNHKあさの連続テレビ小説「あまちゃん」の主人公を演じた能年玲奈さんが所属事務所を辞めてからTV出演は激減しましたし、「能年玲奈」という本名兼芸名が所属事務所の権利下にあるという理由で「のん」と改名したことも話題となりました。
今回の公正取引委員会の注意は芸能界の一大勢力である「ジャニーズ事務所」と元一流アイドルグループ「SMAP」とに関する出来事であり、ニュースソースとしては大きいものの、それこそ報道には忖度される可能性の高い案件だと思われます。
それにも関わらず、「公取委がジャニーズ事務所に注意した」という事実がニュースとして報道されたということ自体が芸能界の変化を感じずにはいられません。
直接、ジャニー喜多川氏の死去と関連するということではないでしょうが、これまでのような芸能事務所側が圧倒的な力関係でTV局や所属タレント等を縛るということはできなくなるかもしれません。
闇営業と元所属タレントへの圧力問題から芸能界の働き方を考える!
このことは、もう一つの大手芸能事務所「吉本興業」の所属タレントが中心となって行われていた「闇営業」問題やタレントの報酬制度とも密接にかかわってくる問題ともいえます。
とはいえ、様々な報道やタレントの発言を総合すると芸能界では、一部のトップタレントが高額報酬を獲得している一方で多数の「売れない芸人」といわれるようにタレント活動だけでは生活がままならないのでアルバイトをしながら芸を磨くというタレントが多数いるようです。
そこには下積みを経験することで芸能界の慣習に触れるという意味合いや絶対に成功したいというハングリー精神を養う意味合いもあるでしょうし、ある種の才能(タレント)の世界、人気商売ゆえの生々しい格差がみられる世界でもあります。
そして、売れないタレントの一部がおこなっていたのが「闇営業」です。
闇営業という用語のインパクトが強すぎて言葉だけが先走って定着してしまいましたが、その意味するところは「所属事務所を通さない直営業」と「反社会的組織等への営業活動」の2種類が混在しており、多くはこの両方を兼ねた営業をいうようですので、ここでもそのように考えます。
そのため、たとえば友人の結婚式の司会を会社に内緒で実施してお小遣いを得るというのは闇営業の範疇に含みません(脱税等に繋がりますので別の問題が発生することはあり得ます)。
闇営業は所属事務所の取り分がゼロのため100%自身の報酬に繋がりますし、おそらくですが反社会的組織から提示される報酬は一般的なそれよりも高額だと考えられます。
このあたりが闇営業になびく芸人・タレントがでてくる理由とも考えられます。
闇営業の問題、そして芸能事務所による元所属タレントへの出演圧力の問題など立て続けに報道される事態となったことからも、芸能界に大きな変化の波が押し寄せていることは間違いありません。
そしてそのことは、芸能人の働き方に直結してきますので、所属事務所とタレントのマネジメントのあり方について、そこではお互いにどこまでの権利義務関係が発生するのかといった内容も論点として検討されるものと思われます。
そういう意味ではコンビニのフランチャイズ店舗オーナーの問題と重なりあう部分があるかもしれません。
芸能人、タレント、俳優・女優、歌手、は労働者なのか、自営業者なのか、その労働者性について真剣に議論すべき段階にきているのではないでしょうか。