リクルートはデータを扱う企業としてのプライドも捨てたのか!?
こんにちは、さんちゃんです。
リクルートキャリアによる学生の内定辞退情報を販売していた問題が収束しそうにありません。
内定辞退情報は自社でも活用! データは廃棄した!?
就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリア(東京)が学生の「内定辞退率」の予測データを企業に販売していた問題で、同社は19日、親会社のリクルートホールディングス(HD)と自社でもこのデータを利用していたことを明らかにした。リクルートキャリアは「採用の合否判定にデータは使っておらず、すでに廃棄した」(広報)と説明している。
内定辞退率は、学生によるリクナビのサイト上の閲覧履歴などを、人工知能(AI)で解析して予測。リクルートキャリアは、合否判定に使わない条件で38社に販売した。
出所)「リクルートHD、自社も利用=内定辞退予測データ」時事通信2019年8月19日配信
リクルートキャリアの広報の説明には驚きを隠しきれず、二度見してしまいました。
学生の内定辞退率情報については、すでに38社に販売したことが発覚しており、続々と購入した企業が明らかとなっています。
正当な対価を支払って購入した企業が非難を浴びている状況はなんとも忍びないのですが、販売元であるリクルートキャリアの説明がお粗末すぎて問題が収束しそうにありません。
リクルートキャリアはもとより、親会社のリクルートも就職内定時率情報を活用していたということで、そのこと自体は当然だろうと誰もが感じたと思います。
有用なデータ分析であれば活用することは当たり前です。リクルート自身も上場している株式会社であり毎年の新卒採用の効率化は望むところだからです。
しかし、そのあとの説明は目を疑います。
通り一辺倒の合否判定に使用していないはひとまず置いておいて、データを破棄したと説明しています。
データを収集して分析したのち販売するという企業において、そのデータの取り扱いは細心の注意が払われるものです。
ましてや新商品として分析開発してきたAI(人工知能)を活用した学生行動の分析データですから、表向きの発言は置いておいて極めて高い付加価値を持っている、あるいはこれから持つ可能性を秘めているデータを、まさか「破棄した」とは・・・。
もし本当にデータを破棄したのであれば、データを商品として扱う企業としてのプライドはないのでしょうか。
また、嘘であれば、よくもまあすぐにバレるようなレベルの嘘をつくなぁと、悲しくなってしまいます。
もちろん破棄したデータの詳細がわからないので、収集したデータ全てなのか、分析結果をとりまとめた最終報告用のデータのみなのかで印象は変わってきますが・・・。
それにしても令和に入り、業界トップを走る一流企業の信じられないような不誠実な対応が続いています。
なにか大きな異変が起こる前兆なのかもしれません。
学生自身が提供されたか確認できる特設サイトを設置! そこに時間と費用をかけなくても・・・
そして学生への対応として、リクルートキャリアでは特設サイトを設置することを発表しました。
不安に感じた学生自身が検索することで、販売されたかどうかがわかる仕組みのようです。
就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリア(東京)が就職活動中の学生の内定辞退率を予測したデータを企業に販売していた問題で、学生本人が自身のデータを企業側に提供されていたかどうか調べられる特設サイトを設置する方針であることが20日、分かった。
リクナビに登録した学生約80万人を対象に、23日までに特設サイトのURLをメールで送る。一連の騒動で不安を与えたとしておわびの内容も併記する。
出所)「リクナビ問題で特設サイト 提供の有無、検索可能に」共同通信2019年8月20日配信
どのようなサイトになるのかわかりませんが、そんなところに時間とお金を使う暇があれば他にやるべきことがあるだろうというのは多くの人が感じたことではないでしょうか。
学生に圧倒的シェアを誇る「リクナビ」の今回の問題は、採用活動、就職活動のあり方について見直しが叫ばれているなかで大きな分岐点となりそうです。