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ONE PIECEに学ぶインバウンドの未来! 観光客が多すぎて悲鳴!?

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

京都祇園に外国からの観光客が大挙として押し寄せた結果、観光客を締め出そうとする動きがでています。

 

ふと、ONE PIECE空島編の知る人ぞ知る有名なシーンが思い浮かびましたので「インバウンドの未来」について考察していきます。

 

大量の観光客はむしろ邪魔者!?

そもそもインバウンドとは元来、”inbound tourism”などと表記され「海外から国内向けの観光旅行」を意味しています。

現在では「インバウンド」という用語だけで「外国人の観光客」を表現することばとしても用いられます。

近年インバウンドは急成長を遂げ主に中国人観光客の行動を意味する「爆買い」などが流行になったことは記憶に新しいと思います。

 

政府の観光立国に向けた施策もあり、インバウンド需要を見込んだビジネスもたくさん生まれました。

 

とはいえ、大量に押し寄せてくる外国人観光客に対して、必ずしもすべてウェルカムといかないのが人間社会です。

 

観光地に外国人観光客が押し寄せることで日本人の常識とは異なる行動(だからすなわち悪いというわけではない)が目立つ結果、これまでの景観が損なわれたと感じる日本人観光客の足が遠のいたり、地元の住民にとっては騒音やごみ問題、文化の違いからくる騒動などでうんざりしているという人も少なくないようです。

 

そんななか京都祇園では思い切った行動にでています。

 

 観光産業にかかわっているわけではない多くの人にとって、観光とは非日常である。観光と聞けば、ふだんの自分の役割や生活から離れて羽を伸ばし、住み慣れたいつもの場所とはちがう土地を楽しむ……そんな、特別な時間と空間を思い起こすだろう。しかし、それはあくまでも「観光をする」側の視点である。
そもそもインバウンド誘致の旗印として掲げられた「観光立国・日本」というキャッチフレーズにおける「観光立国」とは「観光をする国」という意味ではない。その主眼は、この国を「観光される国」へと変えてしまうことである。
…中略…
そんな「観光立国」で、いまもっとも注目される観光都市が京都である。とくにここ数年は世界の人気観光都市ランキングでも第1位を獲得するなど、世界的な京都ブームを巻き起こしてきた。
その街に関して、先日とあるニュースが話題になった。芸妓・舞妓が行き交う花街として有名な祇園で、地元自治組織が「私道での撮影を禁止」という看板を設置することになったのだ。むろん観光客に向けた警告である。
このような報道だけを見ると地元の人々が「マナーを守って」と観光客に呼びかけているように見える。しかし、この看板を立てた地元の本音はどうやら少しちがうようだ。
祇園の本音は、「これをきっかけに観光客が来なくなればいい」である。
出所)「「もう観光客が来なくなればいい」……「私道での撮影禁止」は花街・祇園のSOS」文春オンライン2019年11月9日配信

 

京都らしさ満点の表現方法!

「撮影禁止」の看板が「観光客へのマナー啓蒙」ではなく「観光しないでほしい」という京都祇園の本音はわからなくもないです。

 

京都らしいと言えばそれまですが、独特の言い回しで不満をぶつけています。

 

代表的なところでいうと、

来客に対して「ぶぶつけ(お茶漬け)でもどうです?」は、食事の案内ではなく「はよ帰れ」という意味。

「お宅のお嬢さんピアノ上手ですねえ」は、褒めているのではなく「ピアノの音がやかましい」という意味。

など、知らないと判断しづらい表現です。

 

これらのことを言われたときは間違っても「ありがとうございます」などと返答してはいけないのは言うまでもありません。

 

観光する国から観光される国へ~ONE PIECEの教訓~

文春オンラインの記事にもあるように日本は「観光する国」から「観光される国」へと移り変わっています。

 

このように考えると、観光する側だった頃の日本人はアメリカやヨーロッパなどに観光旅行に行った際に現地の人が眉をひそめるような行動をしていたのかもしれません。現在でもそうですが、旅行に行くと開放的になったり気持ちが大きくなったりして羽目を外しがちです。

 

観光する側、観光される側、いずれの視点も考えたうえで観光を捉える必要があります。

 

マンガ『ONE PIECE』に興味深いシーンがあります。

 

ONE PIECEは海賊王となるために航海に出た少年モンキー・D・ルフィの冒険ファンタジーですが、エピソードのなかで「空に浮かぶ島」を訪問するものがあります。

 

一般に空島編として知られるエピソードですが、空島の入り口において監視官(門番のような案内役)のアマゾンという老婆がルフィ―たち一行に問いかけます。

 

観光かい? それとも・・・戦争かい?
どっちでも構わない 上層に行くんなら入国料1人10億エクストル(※マンガ内のお金の単位)おいていきなさい
それが「法律」
出所)『ONE PIECE』第26巻第238話「天国の門」

 

意味深な言葉です。

 

「観光」と「戦争」が対比されて使われています。
両方の言葉の共通点は「日常(=地元の人たちの生活)の外にある非日常の侵入」といえます。

 

つまり日常生活が脅かされるという意味において観光と戦争は同じ軸で表現されているわけです(あくまでもマンガの世界ですが)。

 

そして単位はよくわかりませんが入国にするには大金が必要であるという法律を定めています。

 

このように入国のハードルを上げると部外者の侵入(観光役を含む)を減少させる効果があります。

 

実際に観光地おいては入園料や入館料などを徴収する有料施設は少なくありません。
とはいえ高額過ぎると入場者が減少したり訪れた人による金額に見合わないといった不満が生じる恐れがあります。

一方で無料の施設や公園もありますが、ごみ問題などマナーやモラルに欠ける人が集まる可能性を否定できません。

 

そのため料金設定によって訪問客の人数や客層が異なってくるため敏感にならざるをえない問題です。

 

このような状況において日本は「観光される国」としてのさらなる成熟が求められているといえるのかもしれません。

インバウンド需要を促し訪日外国人を誘致している政府や業界団体はビジネスとしての視点とともに文化の視点も持ち合わせてどのようなインバウンドが求められているのか、訪日外国人数といった量的側面だけではなく質的側面で外国人観光客、日本人観光客、現地に居住する人たちが三方良しとなるための構想が大切となってきています。

 

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