学歴フィルター復活の兆し。しかし、大学生の就職活動・企業の採用活動にはそれ以上に重要なポイントがある
こんにちは、さんちゃんです。
学歴フィルターが復活
「学歴フィルター」が復活の兆しをみせているのだとか。
そもそも学歴フィルターを簡単に説明すると、とある学生が就職活動で会社説明会に申し込もうとしたらすでに満席の表示。しかし、同じ学生が大学名を有名大学に変更して申し込もうとすると同じ説明会なのに空席の文字が!!!というやつですね。大学名によって事前に参加枠を確保したりするために、有名大学以外だとチャンスが極めて少ない様をいう表現ですね。
なぜ学生フィルターが存在するかというと、そこは採用活動のシビアが現実があります。採用する企業としてはターゲットとしている大学の学生にたくさん来て欲しいので、説明会の申し込みに大学のランクで参加人数枠を決めたり、時間差で優先順位の高い大学から順番に説明会の案内を公開していくなどの工夫をしているようです。まあ、そういった工夫が学生にバレて炎上するようなことが数年に1回あったりします。
冷静に考えると、来て欲しい学生にアプローチをする企業と、それに応募する学生とでマッチングしていくわけですから、効率的な手法ということができます。
そういう意味では、学歴フィルターに対してそこまで過敏にならなくてもいいのではとも思うんですが、そこは人生が決まるかもしれないと考えている学生にとっては死活問題。平等を標榜して差別をするのかと憤慨する気持ちもわからなくもないです。
とはいえ、企業の採用活動は企業がしっかり方針を決めて実施すればいいわけですし、そこで大学名によるスクリーニングがあるのであればそれはそれとして学生も対応すべきでしょう。学生にしても、自分が求められていない企業の説明会に行っても得られるものは少ないでしょうし、もし仮に内定が獲れてしまったとなると入社してからが大変ですからね。
学歴フィルターよりも「世代効果」への対応を
実際のところ、学歴フィルターがあろうとなかろうと、どこの大学の学生を採用するかよりも、景気の善し悪しで年度ごとに採用人数が著しく増えたり減ったりしてしまうことの方が社会的にはずっと重要な問題だと思います。このいつの年次で就職活動・採用活動を行うかによって、就職のしやすさに限らず、その後の賃金や昇進可能性などが決まってしまうことを「世代効果」と言います。好景気の時期に入社した世代と不景気のときに入社した世代だと、前者の方がその後のキャリアも順調に積み上げることができるようです。
ここ数年は雇用に関しては好景気が続いていますのでそこまで問題視されていませんが、景気が悪いと採用活動自体が見送られることになります。そうすると、企業は人材の新陳代謝が進まず停滞してしまいます。入社4年目、後輩が一人もいないので4年間ずっとお花見のシート確保を担当しています、なんて若手社員もいたりしましたし。学生にしても就職活動の門戸自体が狭まると正社員になれないままずっと非正規なんてことにもなったりしますしね。
そういう意味では、バブル崩壊後の不景気の時期や、リーマンショック後の就職氷河期と呼ばれた時期に就職活動をせざるをえなかった世代にとっては、初職から非正規雇用で現在でも仕事の内容や賃金、昇進などで不利益を受けている世代だったります。この世代の人たちをどうするか、だいたい40歳前後と30歳前後ですから、まさに働き盛りの世代が取り残されているともいえます。
企業の継続的発展、社会的貢献を考えると、各世代の人材がしっかり充実していること、そして定期的に若い人材を採用し続けることは、利益を出すことと同じかそれ以上に重要な指標になってくるかもしれません。