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外国人技能実習生の問題は根が深い、だからこそ、技能を体得して日本と母国の架け橋となった人たちの成功事例集をつくって紹介したらどうか

2018/12/05
 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

ここ数日、外国人技能実習生の劣悪な就業環境や賃金管理についての記事が多くなっていますね。なんでも政府が、実習先の職場から失踪した実習生の調査結果に誤りが見つかったと公表したようで、それに対して野党が一斉に反発しているようです。

 

たとえば、失踪動機を確認する調査項目では、

誤り)「より高い賃金を求めて」約87%

修正)「低賃金」約67%

などといった感じです。

 

調査の使用言語がわからないので、必ずしも日本語で調査されていたものではないかもしれません。そうすると日本語訳や微妙なニュアンスで前向きな理由にも後ろ向きな理由にも表現できたりします。修正前の、より高い賃金を求めて、だと積極的な転職動機とも解釈できますし、修正後の、低賃金だと一転して表現自体はニュートラルですが、その無味乾燥さから修正前の表現と比べるとなんとなく悲痛な感じがしてきますよね。

まぁ、数字も20%程度の開きがありますから、5段階尺度などを合算したりしなかったり、そのあたりの違いもあるのかもしれません。いずれにしても当初公表のデータがあまり精査されていなかったんだなぁという気持ちにはなりますね。

 

外国人技能実習生を取り巻く環境

技能実習生は、日本人労働者がやりたくない劣悪で低賃金な労働の代替要員としての単純労働者じゃないのか、その実習でどういった技能を身につけることができるのか、といった議論は今に始まったことではなく、ずーっと昔から言われていたことですけどね。そういう環境での労働をつづけると、どうしてもやる気は上がらないでしょうし、結果失踪者も増えることになるでしょう。当然、管理統制が厳しくしないといけないようになり、・・・、無限ループの悪循環サイクルに陥るわけですよね。技能実習生を受け入れる企業の側も、経営学者マグレガーがいうところのX理論的なアメとムチ(だいたいの場合はムチ)の統制管理になってしまっているんだと思いますね。

 

世界中で活躍している元・技能実習生を紹介する事例集をつくろう

そもそも、技能実習生として来日する外国人だって、そのすべてがやる気がないわけではないですし、失踪しないで頑張っている人もたくさんいるわけです。当然ですけど、実際に技能実習を終えて修得した技能を活かして日本や母国などでグローバルで活躍している人材はたくさんいるんだと思います。そういう人たちに、もっともっとスポットをあてて、どのように技能を獲得したのか、そこで得た技能をどう活かしているのか、それは日本のなかでもいいですし、母国に帰って活躍している人でもいいですし、さらには別の国にいって活躍している人でもいいわけです。

大切なことは日本で技能実習を経験して、その後、世界で活躍しているんだっていう現実を見せてあげることだと思うんですね。そういう人たちを集めた成功事例集とかをつくって、それを活用して議論した方が今よりずっと前向きな議論になるんじゃないでしょうかね。

 

このあたりの考え方はいろいろなところに共通するんだと思いますけど、批判ばっかりしていても何一つ生産的ではありませんし解決策も見出せません。今さら鎖国するわけにはいきませんから、外国人労働者の増加に賛成反対とかの二分法ではなくて、ぜひ、より良い外国人実習生の受入制度をどうやって構築するか、そのあたりを与野党ともに、あるいはジャーナリズムも一緒になって、前向きに議論していってくれると嬉しいですね。

正直、いっぱいいると思うんですよね、たとえば極貧で日本に来て技能実習で獲得した技能を活かして母国で会社経営をしている社長さんとか。そういうモデルケースは現役の技能実習生にとっても、技能実習を終えてどうしようかと次の生活を考えている人にとっても、さらにはこれから日本に来るだろう多くの若者にとっても、その存在は憧れになりますしね。当然それは日本人にとってもグローバル社会での働き方について大きなヒントになるんじゃないでしょうかね。

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