最新ニュース、書籍やマンガなど身近な話題から昭和・平成・令和の生き方・働き方を考える

ひきこもり30歳男性、在宅ワークで無理なく収入と自信(yomi Dr.20181121:YOMIURI ONLINE)の共感と違和感

2018/12/05
 
この記事を書いている人 - WRITER -

こんにちは、さんちゃんです。

 

AI時代の働き方、21世紀の働き方を考える場合、在宅ワークについての議論は避けて通れません。

20世紀は大企業・大工場の時代でサラリーマン(男性的表現なので今の時代だとサラリーパーソンですかね)が満員電車に揺られながら通勤、みんな鼠色のスーツを着て、企業戦士と呼ばれ、「24時間戦~えますか~♪」のイメージです。それはそれで現在でも主流の働き方ではあるのですが、インターネットの普及もあって2000年代からは、SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)、ノマド、在宅勤務、などなどオフィスで働くことに縛られない働き方が増えてきています。同時に、企業に雇用される働き方ではなく、フリーランスとして働く人も増えてきています

そんななかで、今回面白い記事がYOMIURI ONLINE(yomiuri Dr.)にありましたので紹介したいと思います。Yahooの記事で見つけたときはすごく興味を持ちまして、共感できる部分といまいち共感できない違和感が残った部分があったので、率直に。

 

まずは簡単な記事の内容紹介。

元ネタはこちら。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181121-00010001-yomidr-soci&p=2

 

宮城県登米市、実家住まいの高橋明史さん(30)、実家2階が寝室兼職場兼生活のスペース。主な仕事はホームページの管理やメール対応などパソコンでできる仕事、平日6-7時間勤務。

人付き合いが苦手、中学から不登校。20歳で上京してゲームデザインを学んでいたが中退。アルバイトは長続きせず実家に戻る。この2年はひきこもり状態だった。

困窮者支援団体に紹介されたのが今の仕事。月に10万円程度稼ぐことが自信に。通勤もなく自分のペースで仕事ができる。

 

高橋さんが所属する「株式会社ウチらめっちゃ細かいんで」(https://mechakoma.com/)、会社の名前がまた興味深いですね。ひきこもり経験者が従業員の大半を占めており、ひきこもり当事者に対しての就労支援やイベント等を開催している会社のようです。

社長の佐藤啓さんによると、いとこのひきこもりをなんとかしたいと思ったところから創業を考えたとか。高橋さんとは仕事量や健康の相談など週に1回はオンラインで話をすることで配慮しているようです。

 

高橋さんはインターネットが得意だったようですけど、それ以外にも得意なことを自分のペースで仕事としてやっている人がたくさん働いている会社のようです。必ずしも、バリバリ働いて高収入、会社での出世競争を勝ち抜くんだみたいな働き方が中心ではなくなった世の中ですから、こういう働き方はある意味ではあこがれますよね。もちろん、高橋さんのように実家に戻って在宅ワークができないという人もいるでしょうし、月10万円の収入ではとても・・・、という人もいると思います。それでもストレスなく働くことができるというのはなんともうらやましい限りです。

そのあと、記事では、ひきこもりの人たちへの支援をどうするか、というお話になって、いきなり仕事は難しいのであれば、まずは支援団体でお友だちや居場所をみつけて、みたいな流れです。

 

ひきこもりを否定的にとらえる社会から、家で稼ぐワークスタイルの確立へ

それはそれで重要なことだと思うんですけど、読んでいて違和感を感じたこともありました。担当直入に「ひきこもり」ってダメなんですかね、ということです。ダメだから支援をしてあげないと、という感じに聞こえてしまうんです。ひきこもりという言葉もあんまり印象のよくないものとして定着してしまっていますけど、今はSOHOや在宅ワークなんかも広がっていますので、家にずっといて何が問題なんだろうと。

おそらく、多くの人がイメージする親のすねかじりで無収入、親のお金でインターネットに携帯電話、スナック菓子を食べながらオンラインゲーム、みたいな感じがあまりにも・・・だからでしょうね。そういう事例では、なんとか家の外に連れ出したい、働いてほしい、といった高齢の親(だいたいは母親)のインタビューなんかとセットで報道されますので、そのことも印象を悪くしている一因だとは思います。支援が必要な層も一定数いることは事実ですから、その点を否定するつもりはないのですが、家の中にいて外部と接点を持つ、そこで収入を得るという視点も重要になってくるんじゃないでしょうか。そういう意味では、高橋さんの事例はすごく参考になると思います。

家庭環境次第ともいえますが、たとえばビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズのような有名な起業家も実は親がそれなりのお金持ちだったようです。ひきこもりとは言わないまでも道楽ができたところから起業につながったという話もあります(必ずしも自分の努力だけでつかみ取ったわけではない)。

その人その人にとって使えるものはなんでも使えばいいんじゃないですか。創業家の二代目社長、三代目社長なんかもそういう環境があっての就任でしょうからある意味似たような感じですし。ひきこもる実家があることは、それはそれで財産といえます。それぞれのフィールドにおける生き方・働き方があっていいわけです。全員が全員そうでは困るでしょうが、家にいてあまり外にでなくても生計を立てられる報酬を稼ぐことができる社会になれば、より多様な生き方・働き方ができるのではないでしょうか。

 

本日のブログは、少しひねくれた視点で書いているかもしれません。それでも、どうせなら、在宅でできる仕事をもっともっと増やしたら面白いんじゃないだろうか、ということが言いたかったわけです。

ひきこもり支援に限らず、通勤が億劫な人は世の中にたくさんいますよね。バリバリ働いている人だって、通勤時間をゼロにして、その分の時間を働いた方が生産性が上がるかもしれませんし。交通機関はダメージあるかもですけど、満員電車や道路渋滞からの解放はサラリーパーソンの願望のひとつだと思います。

会社に通勤できないから在宅ワークみたいな、たとえばケガをしたとか、子育てで出勤できない、などといったどちらかというと後ろめたい理由からではなくて、もっと積極的で前向きな在宅ワークの在り方を考えてみることが大切になってくるかもしれません。そういう事例がたくさんたくさん出てくれば働き方の選択肢も広がりますし、通勤や職場のストレスから解放される人もいるでしょうし、いいことずくめではないでしょうか。

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright© 21世紀の生き方・働き方 , 2018 All Rights Reserved.