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ファミリーマートも24時間営業見直しの実証実験を拡大! 24時間営業はどうなるのか?

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

2019年に入りコンビニエンスストアの働き方、24時間営業に大きな変革が迫られています。

 

すでに何度もブログで記事にしましたがセブンイレブンが時間短縮営業の店舗実験を開始していますし、ローソンが無人店舗の実証実験を実施すると発表しています。

 

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世耕経産相とコンビニ8社の意見交換会とファミリーマートの実証実験拡大の動き

 

そして、4月5日に世耕弘成経済産業大臣とコンビニ8社の代表との意見交換会がありました(「経産省/世耕大臣コンビニ8社のトップと会談「自主的な行動計画策定」求める」流通ニュース2019年4月5日配信)。

世耕大臣は、コンビニ本部とオーナーの共存共栄のための自主的な取り組み、国民生活のインフラとしての持続的な成長に向けた行動計画の策定を要請しています。

 

意見交換会を踏まえて、大手コンビニの一角であるファミリーマートも24時間営業見直しの実証実験を拡大して実施することを発表しました。

 

ファミリーマートは24時間営業の見直しに向けて、営業時間を短縮する実証実験を6月から始める。これまで一部店舗で実施してきたが、対象店舗を拡大し、270店舗に参加を呼び掛ける。人手不足の深刻化を背景に、コンビニエンスストアの24時間営業見直しの動きが本格化している。

出所)「24時間営業見直しへ、ファミマも実証実験 対象店舗を拡大」毎日新聞2019年4月9日配信

 

ファミリーマートでは、すでに2017年から一部店舗において時短営業の実証実験をやっていました。

今回は、個別店舗の時短営業の実証実験から、一定地域を設定して時短営業の実証実験を実施することで一つひとつの店舗にとどまらず、地域における物流など配送システムの変更、各店舗の売上と本部の収益の変化などについて実証実験をおこなうとしています。

 

実証実験の開始は6月とありますが、4月に入りコンビニ各社においてオーナーとの関係性の見直し、各店舗の売上と本部の収益といった販売戦略や新店舗開拓戦略が大きく動き出したことになります。

 

コンビニが国民生活のインフラとして持続的な成長を可能とするために必要なこと

各社、年末か年度末には検証結果が発表されると思われます。

それらを踏まえて新しい時代のコンビニエンスストアの成長戦略を描いていくことになります。

 

新しい成長戦略を描くために必要となるポイントは大きく次の3点が考えられます。

 

コンビニオーナーの労働者性について認めるのか。

こちらの論点についてはすでに何度も記述していますが、コンビニオーナーは独立自営の経営者としての個人事業主としての立場とともに、コンビニ本部との関係性において労働者としての立場を併せ持つというのが私の見解です。

扱う商品の種類や数、価格設定、営業時間などについてオーナーが経営者として独立した権限が極めて少ないというのがその理由です。

 

もちろん、完全な労働者ではありませんので、そのあたりの権利・権限、義務・責任の関係性をしっかりと明確にすることが求められています。

 

ドミナント戦略の見直しはあるのか。

ドミナント戦略とは、コンビニが出店するときの戦略のひとつで、ある一定エリアにひとつの店舗ではなく複数の店舗を出店することで配送システムの効率化を図るとともにそのエリアからの収益を独占するための戦略です。

 

コンビニが成長産業であった時期には、あるコンビニのほんの徒歩数分の距離にまったく同じフランチャイズのコンビニが新しくオープンするといったことが少なくありませんでした。

 

地域の顧客を独占できるというメリットからの出店戦略ですが、現在のようにコンビニの店舗が飽和状態になると同じフランチャイズチェーンのコンビニ同士で顧客の奪い合いがおこってしまい、かえって非効率を招くことが指摘されています。

その結果、全体の利益が上がればコンビニ本部は潤うかもしれませんが一店舗当たりの利益が減少してしまいますので、同じフランチャイズチェーンの店舗同士、オーナー同士が競争相手になってしまう現象がおこります。

 

コンビニの成長を支えたドミナント戦略ですが、成熟した時代における新しい戦略が求められています。

 

オーナー同士の考え方の違いにどこまで配慮するのか。

コンビニエンスストアは現在、全国に5万5千店以上が存在しています。

その多くはコンビニ本部と契約を結んで運営しているフランチャイズ店舗です。

 

そのことを考えるとコンビニオーナーは全国で5万人以上もいることが想定されます。
(もちろん一人で複数店舗を経営しているオーナーもいますので、実際の数字はわかりません)

 

それぞれのオーナーが扱う店舗を取り巻く環境によってオーナーの考え方は多種多様になります。

 

営業時間の問題ひとつをとってみても、都市部と地方のオーナーでは考え方が異なるでしょうし、駅前と幹線道路沿い、住宅地などでも状況は異なります。

人員確保の問題でも、都心部や店舗の近くに高校、大学、専門学校などがあるなど比較的アルバイトが集まりやすい店舗のオーナーとなかなか人員確保が難しい店舗のオーナーとでも考え方は異なることは容易に想像がつきます。

 

つまり、必ずしも24時間営業に否定的なオーナーばかりではなく、1分でも営業時間を延ばすことで売上拡大につながると考えているオーナーもいることも確かです。

 

このような立場の違う数万人のオーナーたちがまったく同じ見解を示すとは考えられませんので、「コンビニ本部」対「フランチャイズ店舗オーナー」といった単純な対立軸では問題は解決しません。

 

そのため、コンビニ本部としては各社これから実施される実証実験の結果から、どこまでコンビニオーナーの個別の事情に配慮するか、統一のルールをつくるか、といったバランス感覚が求められています。

 

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