広がる元日休業! ラーメンに始まりコンビニ、物流、スーパー、外食産業で。人材確保と働き方改革に向けて
こんにちは、さんちゃんです。
11月21日に、ラーメン店「幸楽苑」を運営する幸楽苑ホールディングスが元日休業を発表したとのブログを書きました。
幸楽苑ホールディングスだけにとどまらず、働き方改革の中心的課題のひとつである「労働時間の短縮化」の一環として、「元日休業」を公表する企業が増えてきています。
先日のブログを未読の方はこちらから。
ラーメンチェーンの働き方改革。「幸楽苑」大晦日元日休業、「日高屋」大半が非正社員の労働組合結成のインパクト
「元日休業」はパワーワードとして定着しつつある!
先日のブログの最後に、
身近なラーメン店から「働き方改革」が起こることの意味
幸楽苑ホールディングスの大晦日元日休業にしても、ハイデイ日高の非正規社員や外国人労働者が多数加入する労働組合の結成にしても、、今後の働き方改革を占ううえで重要な取り組みとなってくるんじゃないでしょうか。多くの人が身近にふれることのできる業界だからこそインパクトも大きいと感じています。そんなことを考えていると無性にラーメンが食べたくなってきました。では、また明日。
と書きました。
幸楽苑ホールディングスでは、1月の売上が5%減少することを理解しながら、人材確保や働き方改革の一環として元日を休日とすることで従業員のモチベーション向上を図る施策として打ち出したわけです。
もしかすると、他の業界に波及して大きなムーブメントになるのではと考えていましたが、そのことが現実になってきています。
元日休業を実施する企業は、その「元日休業」というパワーワードとともに、様々な業界に広がっています。
(以下、「「元日休業」コンビニや物流でも 働き方改革の波」FNNホウドウキョク2018年12月16日配信、「小売り・外食、広がる「元日休業」=人材確保、働き方改革を意識」時事通信社2018年12月27日配信を参考にしています。)
元日休業を公表した企業(抜粋)
●セイコーマート(北海道を中心に展開するコンビニ)
2019年に元日休業する店舗は、1.193店舗のうち671店舗
同一エリアですべての店舗が休業しないように調整して実施する予定
●福山通運(物流)
正月三が日は休業
●マルエツ(関東地方で展開するスーパーマーケット)
2019円に元日休業する店舗は、295店舗のうち290店舗
元日休業はじつに23年ぶりとなる予定
●成城石井(スーパーマーケット)
2019年に元日休業する店舗は、約7割の120店舗(前年比150%)
●京急ストア(スーパーマーケット)
2019年に元日休業する店舗は、グループ全店舗の47店舗
●ロイヤルホスト(ファミリーレストラン)
2019年に元日休業する店舗は、約9割
●大戸屋ごはん処(定食チェーン)
一部店舗において大晦日と元日の2日間が連休
企業、従業員、顧客、それぞれの思惑
元日休業について、実施に踏み切った企業によると、
①人材確保が困難であること、
②同時になんとか必要人材を確保できたとしても高いモチベーションを維持することが困難であること、
③そうであるならば、休業して従業員に休暇を与える方が全体としてメリットが大きいこと、
などが指摘されています。
元日休業をする事による売上減は直接的にはマイナスとなりますが、人材確保の調整コストやモチベーションの低下を考えると全体的にはプラスに働くと考えられています。
あわせて、「働く人にやさしい企業」としてのイメージが企業内外に宣伝できる効果も期待されます。
逆にアルバイト等を酷使することでブラック企業とのイメージがついてしまうと、その企業の商品やサービスが敬遠されるおそれがありますので、その効果は決して小さなものではありません。
当然、高校生や大学生のアルバイトによる企業の評価は採用活動にもつながってきます。実際に就職活動をしている学生からは好評を得ているようです。
また、顧客の声を聞いても、不便であることへの言及よりも事前に買いだめしておけばいいし元日くらいはゆっくりすればいいとの回答が多いようです。
これまでの働き方では、過剰なサービスをしなければ企業が生き残れないような雰囲気のもと長時間労働につながり、不要不急な長時間労働のために労働生産性が低下するといった悪循環に陥っていました。そのことがメンタルヘルスや過労死となって表面化して久しくありました。
このような悪循環を断ち切って、2019年は「働き方改革」がただのスローガンだけにとどまらず、実質的に進めていく年になるのではないでしょうか。