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カジノの誘致はプラスorマイナス!? 鈴鹿サーキットの前例を参考に

2019/01/13
 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

カジノ誘致の現状

2018年7月に成立した総合型リゾート(IR)実施法が成立しました。
これを受けて、各都市ではカジノを誘致する動きが広がっています。

もちろんカジノ誘致に関しては賛否両論があります。

 

賛成派の論拠は、経済効果が大きいこと、雇用の創出、懸念される治安の悪化は限定的であること、となります。
一方、否定派は、ギャンブル依存症の増加、それにともなう治安の悪化、街のイメージダウンや地価の下落、などとなります。

 

様々な試算がでていますが、結論をいうと、やってみなければわからないというのが現実です。

 

現時点では関西圏(大阪や和歌山)、北海道、九州(長崎、宮崎)、首都圏だと神奈川などが候補地と言われています。

 

ところが、神奈川県では政治的にも力を持つ有力団体である横浜港運協会の藤木幸夫会長が反対の声をあげています(テレビ朝日2019年1月5日配信「テレ朝NEWS」より)。

横浜港運協会・藤木幸夫会長:「依存症の具体的な例が目の前にあります。横浜では嫌ですよ。そんなさもしいことをしなきゃ食えない街ではありませんから」
カジノ誘致を巡っては大阪や和歌山などが手を挙げていますが、海外の大手カジノ運営会社は首都圏の横浜市への進出も狙っています。ただ、政治力があるとされる横浜港運協会が反対の意向を改めて表明したことで横浜への誘致に影響が出そうです。

 

一方で、カジノにおける依存症を議論するよりも、ギャンブル依存症の8割が該当するといわれるパチンコ・パチスロの依存症にこそメスを入れるべきとの意見もあります(Newsweek欧州インサイド「IR実施法成立、だがギャンブル依存症が最も恐ろしいのはカジノではない」木村正人2018年7月26日配信)。

 

カジノというと、やはりギャンブルのイメージがあるため、反対意見が多くなるのは致し方ないのかもしれません。

そこで参考になるのは、バイク乗り=不良と呼ばれた時代に「鈴鹿サーキット」をつくった本田技研工業の事例です。

 

本田宗一郎と鈴鹿サーキット

本田宗一郎は言わずと知れた本田技研工業の創業者であり、日本を代表する経営者の一人です。

副社長・藤沢武夫との「技術の本田、経営の藤沢」と呼ばれ二人三脚で会社を大きくしたエピソードは経営とはなんたるかを現代に教えてくれています。

 

今回は、鈴鹿サーキットをつくる際のエピソードを簡単に紹介します。
もしかするとカジノ誘致の議論に応用できるかもしれません。

 

鈴鹿サーキットは1962年に本田技研工業によって建設されました。
もともとは単車(バイク)のテストコースとして複数の候補地から鈴鹿が選ばれたものです。

 

建設にあたって、地元鈴鹿市およびその住民からは大反対にあったそうです。
当時は暴走族の前身にあたる「カミナリ族」がけたたましい騒音をまき散らしながら公道を走っていたため、そのような輩が集結するのではないか、治安が悪化するのではないか、と懸念されていたわけです。

現在では国際レーシングコースとしての知名度と経済効果を鈴鹿市にもたらしていますが、サーキット建設が日本で初めての試みであったこともあり建設時には反対運動がおこったわけです。

 

そのようななかで、本田と藤沢は「モータースポーツランド構想」を持っており、家族連れで楽しめるサーキットを思い描いていました。

 

本田宗一郎が、鈴鹿サーキットで開催された本田技研工業創立35周年のイベントに招待された際のスピーチで鈴鹿に感謝の言葉を発しています。Youtubeにありましたのでご覧ください。

 

ちなみに映像の前半は、二代目社長の河島喜好(かわしまきよし)から三代目社長・久米是志(くめただし)への社長継承の式典です(初代社長の本田宗一郎は創立25年を機に藤沢副社長とともに退陣している。映像はその10年後の出来事)。

魅力あふれる町工場の親父さんの在りし日の映像をどうぞ。

 

カジノ誘致における今後の展開を大胆予想

法整備も行われましたのでカジノ誘致それ自体はほぼ間違いなく遂行されます。

 

カジノが運営した直後の混乱はあるかもしれませんが、カジノは上流階級の嗜みですから低次元のもめ事はむしろ少ないと考えていいと思います。
警備体制も徹底されるはずですので治安の悪化も限定的か、もしくはむしろ治安が向上する可能性すらあります。
海外の上流階級に楽しんでもらうためにはそのあたりは徹底しておかなければなりません。

言い方は微妙ですが、われわれみたいな庶民が頻繁に行くことはないと考えて間違いありません。
そこでは上流階級が大金を落として経済を回してくれる舞台装置としてのカジノが運営されるイメージです。

そこにディーラーやコンシェルジュなどの新しい雇用が生まれますので経済全体ではマイナスよりもプラスが大きいと考えられます。10年後にはカジノ・ディーラーが人気の職業になっているかもしれません。

 

いずれにしてもカジノ誘致を成功させるためには、本田宗一郎とまではいかないまでも魅力あふれるリーダーがかじ取りをすることが大切になってきます。

サーキットもそうでしたがカジノについても、やってみないとわからない、メリット・デメリットなど賛否両論がありどれだけ議論しても結論がでない取り組みであればあるほど、この人が言うのであればついていこうと思えるリーダーの存在が大切です。

 

次の50年を託すことができる魅力あふれるリーダーの出現に期待しています。

 

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