キングダムに学ぶプロフェッショナルの働き方! 廉頗(れんぱ)は21世紀の働き方のモデル!?
こんにちは、さんちゃんです。
今回は、漫画キングダムに学ぶ「プロフェッショナル」な働き方についてです。
取り上げる人物は元・趙国三大天の大将軍・廉頗(れんぱ)です。
廉頗は、趙国で「三大天」(さんだいてん。三名の大将軍)のひとりとして天下に名を轟かせた英雄です。
しかし、その後、趙国を去り魏国の大将軍として秦と戦うことになります。
さらに秦との戦いに敗れたのち、楚国の将軍としてその生涯を終えます。
キングダムのなかでもその戦い方や発言において非常に魅力的な登場人物のひとりです。
ここでは、廉頗の言動とプロフェッショナルとしての働き方について解説します。
そのときは魏国の大将軍として秦国を迎え撃つ立場になっています。
人物紹介において趙国を離れたエピソードがありますので、まずはそのシーンを確認します。
※廉頗初登場シーン※
魏国王都にて国王・景湣王(けいびんおう)との謁見景湣王「秦の犬どもが我が国に侵攻し、高狼(こうろう)に続き虚中(きょちゅう)・虚西(きょせい)まであっさりと陥落した だが我が心胆が一切震えることがないのはそなたが我が国に居るからだ 元趙国三大天廉頗大将軍!! そなたが我が国に亡命してより三年 今ほどありがたく思うことはないぞ」
魏国国王の景湣王からの厚い信頼がわかるシーンです。
それとは対照的に、廉頗が趙国を去った理由が趙国国王・悼襄王(とうじょうおう)からの理不尽な扱いに端を発しています。
※悼襄王から理不尽な扱いを受けた廉頗は命令を拒否したため、趙国からの討伐軍(大将・楽乗)と戦うことになる。この趙国の将軍同士の戦いにおいて勝利したのちのやりとり※
楽乗の部下たち「れっ 廉頗将軍 こんなことをして…」「正気の沙汰ではない もはや趙へは帰れませぬぞ」
廉頗「お――― 帰るつもりはない」
楽乗の部下「えっ!?」
廉頗「悼襄王(あれ)はダメじゃ 前の王も相当じゃったが今度はたまらぬ バカの下で働くことほどバカなことはないぞ」
楽乗の部下たち「なっ」「れっ 廉頗将軍」
楽乗「失望しましたぞ ……そんなに軽いのですか これまで将軍の築き上げてきたものは そんなに軽かったのですか!? 趙国への思いは!」
廉頗「戦への思いの方がはるかに重い! 戦が廉頗の全てだ」※楽乗は驚きの表情をうかべる
廉頗「それを何が大将軍剥奪か 神聖なる戦場に泥を投げ込むようなこを言いよってバカ王が それを許す近臣もバカぞろい 朝廷はブタの集会場か」
さすが廉頗大将軍といった発言です。
国王に対して「バカ」とはっきり言います。
その取り巻きである近臣たちもバカであり、このまま趙国にいても意味がないと捉えているわけです。
討伐軍の大将・楽乗からは、趙国で築き上げたキャリア、そして趙国への思いを問われますが、ここでもはっきり「戦の方が重い!」と答えています。
国への忠誠心より戦場を優先する武将です。
現代に置き換えると、所属する組織よりも自らの知識や技術に重きをおいて行動するプロフェッショナルといえます。
プロフェッショナルの働き方
プロフェッショナルとは、アマチュアの反意語で、ある分野における専門家という意味です。
ちなみに似たような言葉でスペシャリストがありますが、スペシャリストの反意語はジェネラリストです。
簡単に表現すると、プロとアマはレベルの違いを表す「縦軸」として、スペシャリストとジェネラリストは仕事の範囲や幅の広さを表す「横軸」として考えることができます。
そのため、プロフェッショナル×スペシャリスト、プロフェッショナル×ジェネラリスト、アマチュア(スペシャリストタイプ、ジェネラリストタイプ)に分類することができます。
具体例をあげると、
●プロフェッショナル×スペシャリスト‥特定の手術のみをおこなう脳外科医、特定分野に特化した弁護士、など
●プロフェッショナル×ジェネラリスト…まちのお医者さん、経営者、など
●アマチュア…一定の経験を積んでいない人、資格勉強中の人、未経験者、見習い、学生、など
となります。
廉頗は、当然「プロフェッショナル×スペシャリスト」で戦場という舞台で活躍する大将軍です。
廉頗の思考回路は、国家よりも戦場を重視しています。
つまり所属組織よりも仕事それ自体を優先した行動をとります。
経営学では、「ローカル」と「コスモポリタン」という概念を用いて、プロフェッショナル志向を測定しています。
●ローカル:所属組織への忠誠心が高く、専門知識・仕事へのこだわりは低い。規範・価値観・目標は組織志向
●コスモポリタン:所属組織への忠誠心が低く(≒専門家集団への忠誠心が高い)、専門知識・仕事へのこだわりが高い。規範・価値観・目標は仕事志向
ローカルは企業内で昇進昇格を優先するタイプで、コスモポリタンは転職や独立を視野に入れているタイプです。
さきほどの廉頗と楽乗のやりとりでは、楽乗はローカル、廉頗はコスモポリタンとしての発言が色濃くでていました。
現代の職業でいうと、医師、弁護士、税理士などの士業、SE、プログラマーなど技術的・専門的知識を有する人たちは一般にコスモポリタンとしてプロフェッショナル志向が強いと言われています。
21世紀の生き方・働き方を考えると、ひとつの企業で終身雇用という時代ではなくなっています。
副業・兼業はもとより転職、独立など検討している、もしくは転職、独立経験のある人は増えています。
使い古された言葉ではありますが、「手に職を」持って組織を渡り歩くプロフェッショナルとしての生き方・働き方を検討してみてはいかがでしょうか。
2000年以上前の武将たちの生き様に、命の限り力強く生きること、自分の能力を研鑽しつつその才能を信じ、仕官先を求めて諸国を渡り歩く、その精神と行動の強さを垣間見ることができます。