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漫画に学ぶ株式投資! アカギの強靭な精神力からサンバイオ・ショックを考える

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

サンバイオのストップ安が止まりません(本日で2日連続)・・・。

そこで、本日は、漫画に学ぶ株式投資です。

紹介する漫画は『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』です。

 

『アカギ』をご存知の方は一瞬「?」となったかもしれません。

 

アカギは、その名のとおり主人公「赤木しげる」が裏の世界で高額掛金の麻雀をおこなう漫画です。
1992年から2018年まで連載されていた福本伸行さんによる人気漫画です。

 

麻雀漫画で株式投資!?

 

なぜ、麻雀漫画で株式投資を学ぶのか。

 

著者・福本さんの緻密な構想によるところが大きいのですが、アカギは現実離れした荒唐無稽な超人的麻雀スタイルで他を圧倒するような漫画ではなく、むしろ相手の気持ちを読み、自分の手牌が完成するまでのスピードを冷静に分析したうえで押し引きをおこなう心理描写にすぐれた漫画です。

 

麻雀と株式投資の共通点は、

1.外的要因が入り込むこと

囲碁・将棋だと決められた初期配置でゲームがスタートするため、基本的に強い人が勝ちます。
しかし、麻雀は最初の手牌がランダムに決まるため、そこに運が入り込む余地があります(トランプのポーカーに近いイメージです)。

株式投資も、経済の状況により株価への影響を受ける(海外市場の影響も受けるため事前にすべてを予測することはまず不可能)ため、自分でコントロールできない要素が常にあります。

 

2.複数の相手が存在すること

麻雀では自分を含めて原則4人のプレイヤーで勝負を競いますので、一対一とは異なる心理戦が必要となります。

株式投資でも「買い手」「売り手」はそれぞれ複数いて、それぞれ多様な思惑を持って株式市場に参加しています。

 

3.勝負によっては点数が青天井もあればマイナスもあること

麻雀では、同じ人が勝ち続けるといつまでもゲームが終了しませんので、点数(点棒)はどこまでもプラスになる可能性があります(ルールにもよります)。
それは同時に、どこまでもマイナスになってしまう危険もともなうということになります。

株式投資でも株価が上昇すれば投資金額の100倍や1000倍となる可能性があります(ごくまれなケースですが)。
同時に会社が倒産するなど投資金額がゼロになる危険性があります。さらに、手持ちの現金以上の株式に投資をすることができるため、その場合に損失がかさむと大きな負債を背負うことになります。

 

麻雀にしても株式投資にしても趣味や遊びの範囲内で実施する分にはまったく問題ありません。
それどころか、2018年には麻雀のプロリーグ「Mリーグ」もできて競技麻雀としての認知度も高まっています。

 

ただし、麻雀も株式投資も、いずれも熱くなり過ぎると悲惨なことになってしまうリスクがつきものです。
やるのであればそのあたりのバランス感覚が必要となります。

 

そのバランス感覚を、独特の表現で描写しているのが本日紹介する『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』です。

 

アカギの感性~株式投資と共通する守りの精神

 

主人公の赤木しげるは、まったく麻雀をしたことがないところからスタートしますが、その天性の感覚で独自の麻雀理論を構築していきます。

 

たとえば、相手の捨て牌から、その牌のまわりが「安全であるか」、「危険であるか」を判断する基準を確立します(不明なエリア「ノイズ」の3種類のエリアがあると整理します)。

 

4.独自ルールの構築と研ぎ澄まされた判断力が必要であること

その基準に則って自分の不要牌を捨てていくため、「負けない」麻雀を打つことにつながります。

対戦相手からの揺さぶりなどがあるのですが、「絶対にブレない」信念を持ってのぞみますので、大きく負けることがありません。
自分の手牌が良い(点数が高い)と思っても、相手の上がりに近ければ欲をかかずに降りるという選択を瞬時に判断します。
その判断力こそがアカギの一番の魅力となっています。

 

5.自分の判断力に身をゆだねる精神力、信念を持つこと

そういう意味では、赤木しげるの麻雀はギャンブルであってギャンブルでない、理詰めの麻雀を打っているといえます。

 

ブレない判断力を支える「強靭な精神力」≒「信念」とあいまって、赤木しげるは麻雀漫画では異色のヒーローであり、アカギを人気漫画としている理由でもあります。

 

ちなみに、もともと『アカギ』の主人公・赤木しげるは、福本さんの作品『天 天和通りの快男児』の登場人物であり、そのスピンオフとして描かれた漫画ですが、おそらく知名度では本編を逆転しているかもしれません。

 

『天』では伝説の麻雀打ちとなっている壮年の男性として人生の後半部分が描かれており、スピンオフの『アカギ』では少年時代から青年時代が描かれています。

 

いずれの漫画も極限状態の人間の心理描写についてハッとさせられる秀逸な漫画ですので読まれたことがない方はこの機会に読んでみると作者の作り込まれた世界観に惹きこまれること間違いなしです。

 

『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』

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『天 天和通りの快男児』

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そして、2018年にフィナーレを飾った「鷲巣麻雀編」では、闇の大富豪「鷲巣巌」との対決において、登場人物の心理描写は最高潮を迎えました。

 

なんと、そこでの点数のやりとりは、
●大富豪の鷲巣巌・・・大金(現在価値で20億円)
●青年である赤木しげる・・・血液(最悪の場合命を失うことになる。漫画ですので実際に亡くなった青年がいる)
となります。

 

つまり、「大富豪の破産」と「青年の生命」とをやりとりしているということになります。

そこは漫画ですから非現実的でもありますが、福本作品によくある「突拍子もないアイデア」に思えて、そこでの心理描写が緻密で秀逸であるというのが読んでいて飽きないポイントです。

 

大富豪は大金持ちのためお金のやりとりにはすでに魅力を感じなくなっており、青年の生命や若さの儚さに興味をもっています。
一方、青年の側は「勝てば大金、負ければ生命」という勝負になります。

 

サンバイオ・ショックに思う個人投資家のあり方

この感覚を少し応用すると、株式投資に通じるものとなります。

 

●機関投資家(証券会社など)≒大富豪・・・大金で投資をおこなう(仕事での投資の失敗は会社が負担することが一般的)。
●個人投資家≒青年・・・少額の資金で投資をおこなう(成功・失敗はともに自己責任)。

たとえば、100万円の運用資金で200万円にするには2倍(100%増)の利益が必要ですが、1億円の運用資金があれば、わずか1%の利益でプラス100万円を達成することができます。

 

両者の差は、実際に投資をおこなう際において、そのブレない判断力や強靭な精神力を保つことができるかどうかに大きく影響してきます。

個人投資家は、その生命を賭けているくらいの気持ちを頭の片隅に置いておいた方がよいのかもしれません。

 

サンバイオ・ショックに思う

再生細胞医薬品の開発・製造・販売 を手掛ける医薬品メーカーのサンバイオ株式会社(代表取締役社長・森敬太)が、1月30日、31日と二日連続でストップ安となりました。

 

TVやラジオの報道によると明日もストップ安の可能性が高まっています。

 

同社は「慢性期脳梗塞」の撲滅を目指して研究開発を進めているバイオ・ベンチャーです。
その社会的意義や関心から投資家の期待があつまり、株価は1万円を超えるところまで成長しました。

時価総額で6000億円と大企業とそん色のないところまで急成長を遂げました。

 

ところが、業績予想修正のIRを発表した1月28日の翌日、29日にアメリカでの臨床試験での解析結果が芳しくないとの発表がおこなわれたところ、30日からストップ安となってしまいました。

 

1株1万円超(100株単位での購入のため最低投資資金100万円超)が、現時点で7210円・・・。

3000円以上の下落(つまり、100株購入で30万円超の損失。1000株購入していたら300万円超の損失)となってしまいました。

 

明日も下落が続くと半値程度になり、最悪の場合、最高値の10分の1以下になるのではないかともいわれています。

 

投資家は、機関投資家であれ個人投資家であれ、それぞれにさまざまな思惑があって株式投資をしているわけです。

脳梗塞など重大な病気の撲滅には誰しも関心を持っているでしょうし、それを応援したい気持ちからの期待値が高まって株価が上昇していたわけですが、ある意味ではバブルのような状況になっていたのかもしれません。

同時に、一部では上昇する株価に目を奪われ冷静な判断ができないような集団心理が働いているふしもありました(バブルと呼ばれる所以ですが)。

 

これまでも(不動産)バブルの崩壊、ITバブルの崩壊などがありました。
もしかすると、バイオ・バブルの崩壊のような事態になってしまうかもしれません。

また、AI(人工知能)やキャッシュレス、仮想通貨など期待値の高い領域での株価暴騰と暴落が起こりえないとはいえません。

 

不測の事態は起こり得るということを大前提に、その場合においても狼狽えずに冷静に判断できるための精神力を磨いておくことが大切になります。

サンバイオ・ショックがどこの時点で収束するのか未知数ですが、あらためてそのリスクについて再認識する機会となりました。

 

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