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大量廃棄される恵方巻に感じるむなしさをビジネスの視点から考える

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

本日は「節分」です。
意味するところは「季節を分ける」ということです。

 

「立春」の前の日ということになり、英語にすると「冬の最後の日」(The Last Day of Winter)となります。
(近年では、日本語をそのままに”setsubun”でも通用するようになりました)

 

ちなみに、立春の前日以外でも、四季にあわせて立夏、立秋、立冬のそれぞれの前日も節分といいます。
(行事ごととの兼ね合いもあって2月の節分以外はそれほど話題になることもありません)

 

いよいよ明日から春ということですが、実際に今日はものすごく暖かいですね。
東京都心部では観測史上最も高い気温となっているようです。

 

節分でよくみられる風習~豆まき、柊鰯、恵方巻~

節分では、各地域によってさまざまな風習がありますが代表的なものは次の3つです。

 

●豆まき・・・
「鬼は外・福は内」と叫びながら鬼(役。基本はお父さん)に豆を投げる。
ひとしきり投げ終えたあとは、自分の年齢と同じだけの豆を食べるというもの。
邪鬼を払い、福豆を食べることで無病息災を願う。

 

●柊鰯(ひいらぎいわし)・・・
鰯の頭の部分と柊の小枝を玄関に飾るもの。
魔除けの意味があり、柊のトゲや鰯のにおいなどで鬼を寄せ付けないようにする。

 

●恵方巻・・・
起源は諸説あるが、もともとは大阪船場(せんば)の旦那衆が広めたといわれる。
現在の形の原型は1970年代に大阪海苔問屋協同組合と寿司屋の販売促進で「丸かぶり」として定着。
太巻きを切らずに一本、恵方(歳徳神の在する方位。縁起のいい方角。毎年変わる)を向いて無言で食べきる。
セブンイレブンにより全国展開され、2000年以降は全国的なイベントとして定着。

 

 

恵方巻「大量廃棄」問題におもうイベントとビジネス

大量廃棄の経済損失は10億円以上!

関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、全国で売れ残りなどの理由により「廃棄される恵方巻」の金額は推計約10億円にのぼることが発表されました(「恵方巻き、10億円分廃棄 関大名誉教授が推計」共同通信2019年2月1日配信)。

記事によると、この推計は単純に恵方巻それ自体の金額であり廃棄するコストは含まれていません。それらを含めるとさらに莫大な損失が計上されるとのことです。

 

なんだかなぁ・・・という感じです。

 

お正月やクリスマスなどと同様に、ひとつの大きなイベントとして定着したために、スーパーやコンビニでは大量の恵方巻が並ぶことになっています。

もともとは、七福神を模して「ウナギ、伊達巻、かんぴょう、キュウリ、シイタケ、三つ葉、桜でんぶ」などの具材が入っているものが一般的でした(具材の種類は諸説あります)。

現在では、海鮮系が豊富に入っている恵方巻、とんかつやエビフライなど揚げ物系の恵方巻、サラダ巻き、etc・・・。
なかには、スポンジケーキやチョコレートなどお菓子でつくった恵方巻的な商品もあります。

 

そういった節分や恵方巻に便乗したビジネスで生まれた商品の廃棄ロスを考えると、すごくむなしくなってきます。
特に、廃棄されたゴミ箱の画像や、アルバイトの学生などが一定の数量をノルマで購入させられたとする大量の恵方巻が並んでいる画像などをみると・・・、言葉がでません。

 

とはいえ近年では恵方巻やクリスマスケーキの大量廃棄の画像がインターネットやニュース番組で取り上げられたため、そこからかなり問題になりましたので、今回の節分では明日以降大量廃棄などがないことを願いたいです。

 

ビジネス感覚を養おう!

最後に、イベントの熱狂や大量廃棄の問題を考えると、もう少し(いい意味での)ビジネス感覚を養う必要があるのではないかと感じます。

 

ブームになると、乗り遅れないように「我先に」と新商品を投入します。
売切れ状態でお客さんが来ることで生じる「機会損失」(商品があれば売れたのになかったため売れなかった損失)を最小限にするために販売予測にさらに上乗せした数量の商品を並べることになります。

 

販売予測は、だいたいのところ強気で昨年度比で右肩上がりに設定されますし、お客さんを取りこぼしてライバル店に行かれる損失は絶対に避けたいところです。しかも「商品のない店」との印象を持たれると次回以降の来店に影響しますから、かなり上乗せした数量が並ぶことになります。

 

結果、大量の売れ残りが発生することになります。

 

ファストフードの安売り戦略、株価の大暴騰などと似たような熱狂的状況による「チキンレース」が繰り広げられています。最終的に自分たちで自分たちの首を絞めることになり疲弊してしまいます。

 

そこで、ビジネスとしての工夫を考えるとすると、

●廃棄しない方法、再利用の方法を考える・・・保存方法の見直し、加工商品の展開
●販売数量の見込みを厳密にする・・・客観的データとAI(人工知能)の活用
●ブームにのらないor新しいブームをつくる・・・後追いは大きな利益にならないと知る

などが考えれます。

 

恵方巻は生ものですから保存や加工についてはかなり難しいです。
そのため、販売数量の見込みを厳密にする(可能な限り人間の感情が入らないように設定する)か、あるいはいっそのことブームから手を引くという選択もありだと思います。

 

「冷やし中華はじめました」ではないですが、「恵方巻やめました」と銘打ってもおもしろいと思います。

 

大手のスーパーやコンビニが実施すると間違いなくマスメディアに取り上げられますし、食品廃棄問題への対応策という一般消費者へのアピールにもつながります。
また、どうしてもスタッフやアルバイトへの販売ノルマ問題が見え隠れしますから、働きやすい職場をアピールすることにもなります。

 

同時に、自社独自のアイデアで「●●はじめました」と新しいブームをつくってみてはいかがでしょうか。

 

これからは目先の利益を追い求める社会から、もう少し余裕をもった社会へと転換していくのではないかと感じています。
そうすることが従業員にも消費者にも受け入れられる社会になることを期待しています。

 

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