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マクドナルド社長交代! サラ・カサノバ社長の一番の功績は「店舗を商品にしたこと」!?

2019/03/08
 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

53歳から53歳へ~マクドナルドの社長交代劇!

日本マクドナルド株式会社に社長交代のニュースがありました。

 

日本マクドナルドホールディングス(HD)は21日、事業会社の日本マクドナルドの社長に日色保上席執行役員(53)が昇格する人事を発表した。3月27日の株主総会後に就任する。マクドナルドHDと事業会社の社長を兼任しているサラ・カサノバ氏(53)は、事業会社で現在空席の会長に就く。マクドナルドHDの社長は留任する。

出所)「日本マクドナルド社長に日色氏 3月、カサノバ氏は会長」共同通信2019年2月21日配信

 

まず驚いたのが、現社長サラ・カサノバ氏と次期社長の日色 保(ひいろ たもつ)氏がいずれも53歳と若いことです。

 

これが世界で戦う企業の社長交代劇かと感嘆としました。

 

そして、カサノバ氏は1991年にマクドナルド(カナダ)に入社して以来、マクドナルド一筋の人物であり、日色氏はジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人に入社後、子会社の社長を経て最年少で同社社長に就任、その後マクドナルドの役員となったいわゆる「プロ経営者」です。

 

両者は年齢こそ53歳と同い年ですが、その経歴はまさに両極端です。
日色新社長がどのようなマクドナルドのカラーを打ち出してくるのか、今から注目です。

 

サラ・カサノバ社長の功績~安売りハンバーガーの店から子ども連れにやさしいカフェへ~

サラ・カサノバ氏が日本マクドナルドで社長に就任したのは2013年のことです。

 

就任ほどなくした2014年には中国の関連工場での「期限切れ鶏肉使用問題」、2015年には「異物混入問題」と立て続けに発生した問題の影響もあり、2015年には上場以来の赤字計上となりました。

 

当時、TVの映像でカビが生えたような緑色の肉からチキンナゲットができる様は衝撃的でしたし、カサノバ社長の記者会見に失望した人も多かったように記憶しています(消費者に対するメッセージより先に自分たちも被害者の立場というニュアンスの発言をしてしまったため)。

 

しかし、そのわずか1年後の2016年に「V字回復」を成し遂げます。

 

その理由として、

●無機質な店舗からおしゃれなカフェ調への店舗改装の実施
●従業員への手紙
●従業員の基本給を平均約2%増額
●社長による全国のマクドナルドの店舗訪問
●若い母親層を対象としたタウンミーティングの開催

などが考えられています。

 

サラ・カサノバ社長が実施したこの施策に「ピンチをチャンスに変える秘密」が隠されています。

 

赤字にも関わらず「店舗改装」をした理由

以前のマクドナルドは無機質で殺風景な店舗がほとんどでした。
「安かろう悪かろう」の典型といっては失礼ですが、店内のレイアウトや調度品などチープな印象がつきまとっていました。

 

そこを「おしゃれでモダンなカフェ」のようなシックな店舗へと改装することで落ち着いて食事ができる空間へと様変わりしました。

 

この「空間」というのは店舗経営のキーワードです。

居心地のいい空間には人が集まりそうでないと人は遠のく習性があります。

一時期マクドナルドと同じように安売りを武器に店舗の内装に無頓着だった超有名スーパー「ダイエー」が事実上消滅したことからもその重要性がわかります。

 

従業員と向き合う経営者~再建の本気度を伝える~

外国人、女性、というキーワードだけでも当時のカサノバ社長に対して社内が一枚岩でなかったことは想像に難くありません。というより、どのような人物なのか不安が大きかったというのが率直なところだと思います。

 

しかも就任直後から立て続けに不祥事は発生するわ、記者会見では他人事のような発言をして批判されるわで、従業員はますます不安に駆られていたことでしょう。

 

そんな従業員を対象としたマネジメントとして、「従業員一人ひとりに手紙」を送るという行動に出ました。
あわせて賃金アップをおこなうことで従業員に対してカサノバ社長の再建計画が本気であることが伝わるようになります。

 

そして全国のマクドナルドを社長自ら訪問し、現場の声を聞くことに多大な時間を費やしました。

得体のしれない外国人社長には非協力的であっても、現場の声を親身になって聞いてくれる社長であれば協力しようと考える従業員が増えることは想像に難くありません。

 

最大の顧客に最高の空間を提供する

2014年、2015年の不祥事で最も客離れが進んだのは、乳幼児をもつ若い母親層でした。

そして、そこに目を付けたカサノバ社長は、全国47都道府県の店舗で若い母親層を集めたタウンミーティングを開催して商品、店舗、サービスなどについてたくさんのヒントを得る機会としました。

 

得られたヒントをもとに、子どもたちに安心して食事を提供できるような栄養面や安全性の情報表示、コミュニケーションツールとしてLINEを活用するなどの工夫を施しました。

 

そして、マクドナルドのビジネスを「安さが自慢のハンバーガーショップ」から「ママ友+子どもが楽しく食事を食べることができる空間」へとビジネスモデルの変革をおこないました。

 

想像してください。
子どもが泣いたり、わめいたり、走り回ったり、外食することをためらう人も多いのではないでしょうか。
そういった若いお母さんたちが少々子供が騒いだとしても気楽に安心して食事を楽しめる空間をビジネスの基本としたわけです。

 

このようにカサノバ社長の功績をふり返ると、あらためてすばらしい経営者であったと思います。

 

同時に、日色新社長が「飛躍に向け全力を尽くす。顧客の声に耳を傾け、未来型店舗の展開をはじめとした新しいアイデアに挑戦したい」と記者会見で語っているところからも、空間としてのビジネスモデルの継承と創造に並々ならぬ決意をもっていることがうかがえます。

 

 

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