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「黒い吉野家」のビジネスアイデアはマクドナルドと同じ空間ビジネス!? 株価は上昇するか!?

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

ここ数日、牛丼チェーン大手の吉野家に関するニュースが賑わっています。

 

「吉野家ボロ負けを導いた”牛丼一筋”の呪縛 頑固なこだわりが判断力を鈍らせる」プレジデントオンライン(2019年2月20日)

「平成の事件簿 BSE問題で吉野家とすき家の明暗が分かれた日」NEWSポストセブン(2019年2月22日)

「「黒い吉野家」3月から一気に拡大 オレンジ色のイメージ変える理由は?」毎日新聞(2019年2月24日)

 

牛丼へのこだわり、狂牛病(BSE)問題への対応、そして「黒い吉野家」という店舗空間のビジネスモデルについて、全く視点の異なる記事がわずか3日間のあいだに配信されました。

 

特に最後の空間ビジネスについては先日ブログで記事にしたマクドナルドの戦略と類似したねらいが考えられます。

マクドナルド社長交代! サラ・カサノバ社長の一番の功績は「店舗を商品にしたこと」!?

 

牛丼一筋が裏目に。8年ぶりの赤字転落(『プレジデント』2月20日配信)

吉野家が牛丼に並々ならぬ情熱を持っていることはよく知られています。

牛丼チェーン大手3社といわれる、すき屋(株式会社 ゼンショーホールディングス)、松屋(株式会社松屋フーズホールディングス)と比較しても、競合他社が鶏、豚など多様なメニューにいち早く取り組んだのに対して吉野家のメニューにおける牛丼の比重はダントツです。

 

牛肉の部位にまでこだわるその姿勢は、熱狂的な吉野家ファンをつくることに成功していましたが、それはまたもろ刃の剣となり「8年ぶりの赤字転落」となりました。

 

 

ポイント1.
幅広い商品・サービスを提供するのか、強みに特化した商品・サービスを提供するのか!?

ビジネスの世界では常に考えなければならない問いかけです。

吉野家は牛丼という強みを磨きに磨きをかけた特化型の店舗経営を実施してきました。
その結果、牛丼=吉野家というイメージ戦略にも成功してきました。

同時に、コアな顧客層以外への訴求力が低下していることが考えられます。

 

だからといって、あれもこれもと商品やサービスの範囲を広げると牛丼=吉野家というブランドイメージを自ら放棄する事にもなりかねませんので、このバランスは非常に難しいものがあります。

 

BSE問題で吉野家とすき屋に明暗(『NEWSポストセブン』2月22日配信)

2003年にアメリカで発生したBSE(牛海綿状脳症)問題の影響で、2004年にアメリカ産牛肉の輸入が全面的に禁止されることになりました。

 

すき屋は、「オーストラリア産牛肉」に切り替えて牛丼の販売を継続しました。

吉野家は、アメリカ産牛肉の質にこだわりをもっていたため牛丼の販売を中止して「豚丼」の販売に切り替えました。

 

その結果、多くの牛丼ファンがすき屋に流れることになりました。

 

規制や制度変更といった外部要因への対応ですので、吉野家に問題があったわけではないのですが、残念ながら吉野家の選択は顧客流出のきっかけとなってしまいました。

 

ポイント2.
自社の強みとして何にこだわるのか、お客さん視点に立って考えているか!?

吉野家は「高品質のアメリカ産牛肉でなければ、牛肉は中止して豚肉で代用」にこだわりましたが、お客さんは「アメリカ産かオーストラリア産といった産地よりも牛丼」にこだわったわけです。

結果論となりますが、作り手のこだわりは顧客には伝わらず、ある意味での独りよがりとなってしまっていたのです。

 

店舗改装「カフェ・レストラン化」する吉野家(『毎日新聞』2月24日配信)

「黒い吉野家の外観」
出所)「「黒い吉野家」3月から一気に拡大 オレンジ色のイメージ変える理由は?」毎日新聞(2019年2月24日)

 

 

株式会社吉野家ホールディングスの公式webサイトによると、吉野家の店舗数は全国で1,208店となります(2月12日発表)。残念ながら「黒い吉野家」の店舗数やコンセプトについて公式webサイトでは確認できませんでしたが、毎日新聞の記事や他の方のブログなどインターネットで検索したところ、「おしゃれな木目調のテーブル・椅子」「スマホやPCが充電できるコンセント」「ドリンクバーの設置」といったファミリーレストランやカフェを意識したような店舗改装がおこなわれているようです。

 

このことは、先日のマクドナルドのビジネスモデルで紹介した「「安さが自慢のハンバーガーショップ」から「ママ友+子どもが楽しく食事を食べることができる空間」へとビジネスモデルの変革」と類似したねらいが考えられます。

 

8年ぶりの赤字に転落した吉野家ですが、もしかすると古い吉野家のイメージを刷新してマクドナルドと同じように劇的なV字回復を達成するかもしれません。

 

明日2月25日は吉野家の株主優待「食事券」がもらえる「権利付最終日」

そういえば、ちょうど明日2月25日は吉野家ホールディングスの株主優待がもらえる「権利付最終日」です。

明日の15時(証券取引所が終了する時刻)に株を保有していると株主優待として「食事券」(吉野家ほか、うどんチェーン「はなまるうどん」、寿司チェーン「京樽」でも使用可能)をもらうことができます。
(最低100株以上から投資可能。2月22日時点の終値1,848円のため必要最低資金は単純計算で184,800円)

 

直近決算が赤字だったため株価は昨年4月につけた高値2,275円から400円も低くなっています。

今後「黒い吉野家」など市場で好材料と捉えられると株価が上がるかもしれません。
もちろん、赤字が続くことになると株価は下落することも考えられます。

 

実際に株を購入するかどうかは自己責任ですが、身近な事例から経済を読み解くヒントになるかもしれません。



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