最新ニュース、書籍やマンガなど身近な話題から昭和・平成・令和の生き方・働き方を考える

飲食店、無断キャンセル対策が拡がる! その課題と対策を考える!

 
この記事を書いている人 - WRITER -

こんにちは、さんちゃんです。

 

近年、忘年会や新年会シーズンに続出していた飲食店へ予約をしたにも関わらず当日ドタキャンする「無断キャンセル」ですが、店舗側の対応策が拡がっているようです。

 

続々広がる「無断キャンセル」対策!

 飲食店などで予約した客が連絡せずに来店しない「無断キャンセル」。込んでいた売り上げを失ったり、準備した食材や人件費が無駄になったりするリスクがあり、業界では「No Show」(ノーショー=姿を現さない)と呼ばれ、強く警戒されている。そんな中、保証会社が損害分をカバーしたり、弁護士が回収業務を代行したりするサービスが相次ぎ登場。どんなシステムなのか。
…中略…
経済産業省が平成30年に公表した「対策レポート」によると、無断キャンセルによる飲食業界の被害額は年間で約2千億円(推計)。飲食店での予約全体の1%弱を占めるとされる。さらに予約1日前と2日前にそれぞれ生じるキャンセル分を加味すると、被害発生率は6%強に達し、被害額は計約1・6兆円に及ぶとされる。
一定の確率で発生する被害を穴埋めするため、店側が通常のメニュー料金に被害額を転嫁していた例もあり、キャンセル問題は何の落ち度もない一般客にも“被害”を与えている可能性がある。
一方でレポートは、無断キャンセルなどでの損害は債務不履行や不法行為に該当するとし、店側は客に対して損害賠償を請求することが可能と明記。事前のキャンセルでも同様との考えを示している。
出所)「飲食店の無断キャンセル「逃げ得」許さん 防衛策が続々」産經新聞2019年8月21日配信

 

記事によると、飲食業界で無断キャンセルの被害額は年間で約2千億円に達するようです。

さらに前日や前々日のキャンセルを含めると約1兆6千億円にまで金額は膨れ上がります。
とはいえ前日にはキャンセル不可の設定をしているお店や宿泊施設と同様にキャンセル料が発生する場合もあります。

 

そのため、まずは「予約日当日に」「無断で」「キャンセルする」≒「予約時間に来ない」ことへの対策をどのようにするかということが肝心となります。

 

記事では、飲食店予約サイトと連携した保証事業会社の被害額全額保証サービスと、弁護士による代金回収代行サービスが取り上げられています。

 

対策1~保証事業会社による被害額全額保証サービス~

この事例では、月々数千円の会費を支払い保証事業会社の会員となることで、無断キャンセル被害に遭遇した場合には「被害額全額保証」サービスを受けられるというものです。

 

保証事業会社「ガルディア」(東京)の小山裕社長によると、被害額は1店舗あたり5万円から10万円にのぼるといいます。
会員となった飲食店としては、いつ発生するかわからないが発生すると損失額の大きい無断キャンセルへの保険となっているようです。

 

あわせて、予約サイトと連携して「無断キャンセルをした人」の情報を会員店舗に知らせるなどのサービスも実施しているようです。

記事中には「大手予約サイト」としかありませんし、予約サイトと保証事業会社の連携の詳細については書かれていませんので、大丈夫だとは思いますが、大手予約サイトが利用客情報を無断でブラックリスト化して販売しているようなことであれば、リクルートキャリアの内定辞退率情報の販売と似たような批判を受けることになりかねません(この時期に記事を出しているわけですから、そういうことはないはずです)。

 

とはいえ、飲食店にとっての無断キャンセルは死活問題となりますので、次の弁護士による代行サービスもそうですが、しっかり対策を取っているということが認知されることで無断キャンセルをする人が減少すれば、それはそれで抑止効果はあるものと思います。

 

対策2~弁護士による代金回収代行サービス~

記事に登場するふたつ目の対策は、なんと弁護士が被害分の代金を回収代行するというサービスです。

 

こちらのサービスは飲食店側の会員登録は無料でできます。

実際に被害が発生した際に弁護士が代金回収代行をおこない回収した金額の30%が手数料となる仕組みです。

 

サービスを立ち上げた弁護士の北周士(きた かねひと)氏によると、具体的には弁護士名義で督促メールを送ることで回収成功率は8割程度にのぼるというものです。また飲食店側の要望により訴訟支援もおこなっているようです。

 

対策1は、保険のようなもので飲食店としては被害額が全額保証されるサービスであり、対策2は被害後に弁護士が代金回収や訴訟を支援してくれるサービスです。

 

いずれも事後的なサービスでありますが、こういったサービスが認知されることで無断キャンセルへの抑止効果も大きくなるのではないでしょうか。

 

課題点と対策は? これからを考える!

対策1、および2は、これまで泣き寝入りがしばしば見られた飲食店の無断キャンセル問題における「逃げ得」を防止する意図があります。

 

いずれも抜本的な対策ではないかもしれませんが、大きな抑止効果が期待できるように思います。

 

そのうえで、残る課題を整理してみましょう。

 

課題1.無断キャンセルへの意識が逆に低くなるのではないか?
無断キャンセルに頭を悩ます飲食店は多いですが、全額保証ということになると、むしろ無断キャンセルにあったほうが得をする可能性もでてきます。
たとえば、客がこなかったわけですから前菜など事前に準備していた料理以外の調理コストはかからなくなります。
また空席となった客席に別の客を案内したり、キャンセル用に仕入れた食材を別の客に提供することも可能といえば可能です。

極端な話、飲食店側にとってほとんど損失は出ないということもあり得ます。
保証の対象や金額など、その内容によっては飲食店側のモラルハザードを引き起こす可能性を秘めています。

 

課題2.対策コストが商品価格に上乗せされないか?
無断キャンセルに対してなんらかのサービスを購入するということは、そこに追加コストがかかるわけですからそのコスト分を商品の値上げなどで回収する可能性がでてきます。無断キャンセルをしない一般の利用客が結果として高い料金を支払うことになってしまうことも考えられます。
料理の価格には原材料費以外でも様々な費用が上乗せされているわけですが、そこに無断キャンセルの対策コストまで上乗せされるとなるとあまりいい気分にはなりません。

 

記事で紹介されていた保証事業会社「ガルディア」(東京)の小山裕社長によると、無断キャンセルは、インターネットなどで簡単に予約ができるようになったことから気軽に予約をして気軽に無断キャンセルをする人が増えたといいます。

 

仕組みづくりは難しいのかもしれませんが、料金の一部を前払いするようなシステムを構築することができれば解決に近づくかもしれません。

 

もちろんその場合も、どのくらいの割合を前払いするのか、払い戻しの方法や理由など(たとえば天候不順や交通機関の障害はどこから認められるか、など)、調整しなければならないことは少なくありません。
さらには前払い制度を導入したことでそもそも予約する利用客が減少すれば本末転倒となります。

 

おそらくはそう遠くない将来において、事前予約・前払い利用をすると、なんらかの得点・サービスが付与されたり料金割引につながるようなシステムが出来上がるのではないでしょうか。

 

いずれにしても、無断キャンセルがなくなることが最も望ましいのですが。

 

 

 

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright© 21世紀の生き方・働き方 , 2019 All Rights Reserved.