トヨタ豊田章男社長の発言は有言実行のリーダーシップのお手本である!
こんにちは、さんちゃんです。
トヨタの豊田章男社長の発言が話題になっています。
仲間づくり~豊田章男社長が語る令和時代のキーワード~
昨日の決算発表で日本企業では史上初の売上高30兆円を突破したことが明らかとなりましたが、決算発表を受けての記者会見で「仲間づくりがキーワード」と発言していました。
企業において仲間づくりというと、仲良し集団やお友だち人事といったどちらかというと悪い意味で使われることが大半でした。同時に、世界で戦うトヨタの社長発言としては、なんとなく日本の古き良き助け合い精神のようなウェットな関係性を想起されます。
しかし、ここでの「仲間づくり」とは、そのような慣れ合いの関係性ではなく、それぞれがプロフェッショナルとして認め合ったうえでの本当の意味でwin-winを目指す関係性を指しています。
豊田社長が言うには、資源の乏しい日本は単独で戦うことは困難であり、日本企業もまた同様である。世界で戦うためには同業他社や異業種の企業とも仲間として提携していく戦略が必要であるとの考え方です。
そして、トヨタ自身が他社から仲間と認めてもらうためには、その実力をしっかりと示す必要があるとも発言しています。
昨日のブログで、過去の成功モデルにとらわれるのではなく変革を進めていくという発言を取り上げましたが、そこにはトヨタグループをこえての日本企業の連携を進めていくという方針を示されたものといえます。
トヨタが有言実行する仲間づくり
実際にトヨタはグループ企業に留まらず同業他社や異業種の企業など様々な企業と提携を進めています。
「資源のない日本が単独で生きられないように、企業も単独で生きていけない。『仲間づくり』がキーワードだ」
会見で豊田氏がこう強調したように、トヨタは29年、マツダなどと電気自動車(EV)の基幹技術を開発する会社を設立した。電動車の電池に関してパナソニックと、MaaS(移動サービス)ではソフトバンクと提携した。今年に入り、ハイブリッド車(HV)の特許を開放すると公表したのも、生産・販売する仲間を増やすことで得意とするHVを世界で普及させる狙いがある。
出所)「“巨艦”トヨタ、異業種連携 次世代技術開発コスト削減狙う」産經新聞2019年5月8日配信
そして本日も新たにパナソニックと住宅事業を統合して新会社を2020年1月に設立すると発表しました。
トヨタ自動車とパナソニックは9日、街づくりの事業で合弁会社をつくると発表した。通信機能などを備えたトヨタのつながる車(コネクテッドカー)や、パナソニックの家電などの技術を持ち寄り、新事業を展開。住宅事業を統合する。
出所)「トヨタとパナソニック、住宅事業統合 来年1月に新会社」朝日新聞DIGITAL(2019年5月9日配信)
これまで発表されいてた電気自動車の電池技術や「移動革命」といわれるMaaS(Mobility as a Service、情報通信技術を活用して移動それ自体をサービスと捉え直す考え方、ビジネスの総称)など自動車関連の事業における提携はそれほど驚きの対象ではありません。
しかし住宅事業は、これまで発表されていた提携とはやや異なり自動車事業とは直接関係がありません(なおグループ会社には住宅事業をおこなう会社は存在します)。また連携先のパナソニックも住宅事業が専門ではありません。
その両者が新しく住宅事業を統合して新会社を設立するということは、これまでの住宅にはなかった何か新しいサービスが展開されるものと期待が膨らみます。
おそらく住宅事業を専門としているハウスメーカーにとっては脅威となるのではないでしょうか。
豊田社長の発言からは、売上高30兆円超でひと段落ではなく、さらなる成長のために新しい仲間づくりをしていくことが伺えます。日本最大の巨大企業であるトヨタが実践しているように、仲間づくりは令和時代の企業戦略として定着いくかもしれません。
「仲間づくり」は企業だけの話ではなく個人の働き方にも影響してきそうです。
本業に加えて副業をする人たち、フリーランスで実力を示した人たちの仲間としての連携、すでに起こりつつある働き方の変革が一層促進させるかもしれません。