YouTuberという働き方!? 新しい職業として確立するか?
こんにちは、さんちゃんです。
2017年に日本FP協会が実施した「小学生が将来なりたい職業ランキング」でYouTuberが男子の6位に入ったことから、動画投稿をして広告収入を得るという働き方に注目が集まりました。
そこには、YouTuberはそもそも働き方と言えるのかといった否定的な意見から、新しい時代のメディア戦略のパイオニアであるとの肯定的な意見まで様々な意見が乱立し議論が展開されました。
2019年1月現在、既存メディアのTVタレントがYouTuberとして活躍しています。
たとえば元SMAPのメンバーや吉本芸人キングコングの梶原さんなどが有名です。
また、YouTuberがTVに出演するなどメディア露出も増えておりYouTuberの認知度は高まっています。
そこでYouTubeやYouTuberの働き方について考えていきます。
YouTubeの歴史
YouTubeは、2005年にチャド・ハーリー、スティーブ・チェン、ジョード・カリムらによりアメリカ・カリフォルニア州で設立されました。
その後、2006年にGoogleによる買収がおこなわれました。Google、YouTube双方の担当者が「今後もYouTubeとしてのブランドでサービスを継続する」との発表があり、2019年1月現在、世界最大の動画共有サービスを提供する会社となっています。
このようにYouTubeは設立されて13、4年しか経っていない新しい会社です。
それでも、日本経済新聞によると全世界での月間ログイン視聴者数19億人に上り、日本でも6200万人が視聴しているといわれています。2017年には18~64歳のネット人口の82%が視聴した計算になります(「ユーチューブ、日本で10年 ネット人口の8割が視聴」日本経済新聞2018年7月6日配信)。
YouTuberという働き方
YouTuberとは
YouTube上で独自に制作した動画を継続的に公開する人のなかで、動画再生で得られる広告収入を主な収入源として生活している人をYouTuberといいます。
基本的には動画再生数が増えれば増えるほど広告収入が得られる仕組みですので、YouTuberは独自のYoutubeチャンネル(番組のようなもの)を作成してそのチャンネル登録者・視聴者を増やすための人気動画を公開し続けることになります。
「はじめしゃちょー」さんや「HIKAKIN」(ひかきん)さんなど人気YouTuberの場合、チャンネル登録者数が1000万人以上となります(複数持っているチャンネルの合計)。
収入は、上位1%に入るYouTuebrだと動画投稿による広告収入に加えて、オリジナルグッズの製作販売やオフ会イベント等の開催、タレント業、スポンサー収入など数千万円から数億円ともいわれています。
広告主からみると
2018年上半期にYouTubeで再生された広告の上位3つは次のとおりです(「ユーチューブ、日本で10年 ネット人口の8割が視聴」日本経済新聞2018年7月6日配信)。
第1位:ホンダの小型ビジネスジェット「ホンダジェット」(約2100万回再生)
第2位:ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の「PS4」(約860万回再生)
第3位:東亜合成の瞬間接着剤「アロンアルファ」(約530万回再生)
いずれも日本を代表する企業の広告になります。
視聴者がYouTube上の広告をクリックすることで自社のホームページに誘導できるといった利便性はTVCMの広告にはない機能となります。一般にTVCMよりも安価であること、インターネット利用者の82%がYouTubeを視聴していることを考えると、今後もYouTubeへの広告出稿が増えることは十分に考えられます。
また、食品、化粧品、ゲーム、旅行観光など、人気YouTuberとのコラボ企画動画・提供動画などを活用することで、人気YouTuberが紹介した商品・サービスとして売上につなげることもできます。
(なお、提供を隠しておこなうとステルス・マーケティングとして非難の対象となります)
視聴者からの評価
インターネット利用者の8割超がYouTubeを視聴していることを考えるとYouTube全体の認知度は非常に高いといえます。そのなかでも10代20代にとってはアイドルやタレントに向ける憧れの視線をYouTuberに送っています。
最低限スマートフォンがあればYouTubeの動画視聴はもちろん、自分自身で動画投稿が可能という敷居の低さもあり、YouTubeで活躍するYoutuberは小中学生にとってTVでみる俳優・女優・タレントよりも身近な存在となります。
かっこいい・きれいなど憧れの人が、面白い・楽しい動画を公開しており、それが収入・仕事になるとなれば憧れる小中学生がでてくることは容易に想像がつきます。
YouTuberをサポートする体制の整備
一方でYouTuberに対する否定的な意見として、著作権など権利関係の軽視、視聴者を増やすことを目的とした過激な動画投稿などがあげられます。
既存のTVなどでは法整備がしっかりしているため発生しないようなトラブルや事故、さらには炎上騒動がおこりやすいという特徴があります。
このあたりは時代の移り変わりとともに、その時代にあったルールやモラルが確立されていくものと思われます。
たとえば、映画が主流だった時代に「映画だと生放送ができない、Live感覚やハプニングがない」ことからTVの時代に移り変わりました。当初、映画俳優・銀幕スターはTVには否定的でした。
今は「TVだと規制が多すぎてやりたいことができない」などの理由からインターネット・YouTubeに時代が移りつつあります。そこにインターネット・YouTubeに否定的なTV関係者がいることも想像できます。
より自由な環境で、新しいものを生み出すプラットフォームとしてYouTubeが注目されていますので、その自由と規制とのバランスを考えながら良質なメディアとして発展していけばYouTuberという働き方も定着すると考えられます。
そのための支援体制として、たとえば、よしもとクリエイティブ・エージェンシーでは自社のYouTube芸人として500名以上が所属しています(「「無理してテレビに出たくない」YouTubeで輝くお笑い芸人たち」Yahoo!ニュース特集2019年1月16日配信)。
会社(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)に所属しながらの活動ですので、一定の支援を得ることができます。TVだと限られた番組数しかないためなかなか出演が困難であっても動画投稿であればいつでも実施可能です。そこで話題になればTV出演へとつながるかもしれません。
会社側としても、人気タレントだけを抱えていればよいわけではなく、次世代の人気者予備軍がたくさんいなければ早晩飽きられることになります。とはいえ所属芸人すべてに平等にチャンスを提供することは困難です。そのため、一定の支援とルールのもとで活躍してくれるYouTube芸人は新しいタレント像となります。
ある意味では副業・兼業としてのYouTubeの活用といえるかもしれません。
また、多くの人気YouTuberが所属する「UUUM株式会社」(うーむ)という会社もあります。
UUUMは、YouTuberの制作サポート事業を手掛けており、動画撮影、編集、広告収入の管理などYouTuber(クリエイター)のマネジメント会社です。2013年に設立して、2017年には東証マザーズに上場しました。
YouTuberはフリーランスではない安定と安心感を持つことができ、会社は所属YouTubeによる広告収入を得られるなど、お互いにメリットがあります。
YouTubeが世に出て10数年の間に、YouTuberが個人の趣味の延長で単独で動画投稿していた時代から、組織としてビジネスを提供する時代になっています。今後の展開に期待したいです。
おまけ:投資家として
UUUMのようなYouTuberの製作サポートをしている会社で上場している同業他社は見当たらず、ほぼ独占状態となっています。
直近の決算(2019年1月11日)では、過去最高益を上方修正し株価も5000円を突破するなど投資家目線でも2019年注目の会社でもあります。