リクルート、外部ライターに執筆料不払い! 企業の矜持はどこに!?
こんにちは、さんちゃんです。
いまや有名企業となったリクルートですが、雑誌や情報サイトの記事を執筆している外部のライターに対して消費税分を上乗せして執筆料を支払うべきところ上乗せせずに支払っていたことが発覚しました。
その金額は約6,400万円にもなります。
杜撰な契約に弱い者いじめが横行?
リクルートホールディングス(HD)と傘下のリクルートが、運営する情報サイトや発行する雑誌の記事執筆などを委託した外部のライターらに消費税分計約6400万円を上乗せして支払わなかったとして、公正取引委員会は24日、消費税転嫁対策特別措置法に基づき、再発防止などを勧告した。
公取委によると、両社は2014年4月~18年10月、就職情報サイト「リクナビ」や不動産情報サイト「スーモ」、旅行情報誌「じゃらん」などの記事執筆やイラスト作製などを委託した外部ライターら計約1500事業者に委託料を支払う際、消費税8%分の全部または一部を減額していた。
本体価格に消費税分を上乗せして支払う契約だったが、ライター側が不注意で請求しなかったり、担当者が請求しないよう求めたりしていたという。公取委は速やかに減額分を支払い、勧告内容を周知徹底するよう求めた。
サイト運営などの事業は18年4月にリクルートHDからリクルートに引き継がれた。両社は「特措法とガイドラインの理解が不十分だった。勧告を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努める」とコメントした。出所)「リクルート、消費税分不払い=外部ライターらに上乗せせず-公取委」時事通信2019年5月24日配信
突っ込みどころ満載の記事です。
「消費税分8%を全部または一部を減額」とあります。
また、ライター側の不注意を見落とすことはあり得ますが、リクルート側から請求しないように求めていたこともあったようです。
そうすると、リクルートがコメントしているような消費税転嫁対策特別措置法への理解が不十分というのは的を射ていません。
知っていたけれど、ライター側が強く請求しなければ支払わないという考え方が蔓延していたと捉えるのが自然です。
いまや大企業で知名度抜群のリクルートの記事を執筆するということは外部のライターにとって経済的報酬以上にリクルートと仕事をしているということが次の仕事につながるなどステイタスとなります。
フリーのライターや駆け出しのライターであればなおさらそういう気持ちが強いと考えられます。
そういう人たちを食い物にしていたといえば言い過ぎかもしれませんが、大企業の下請けいじめのような構図が透けて見えて悲しくなってきます。
かつては矜持にあふれていた!
ガテン系の語源ともなったリクルートの就職情報雑誌『ガテン』(1991年創刊-2009年休刊)の広告コピーに次のようなものがありました。
コピーライターはリクルート(当時)の紫垣樹郎(しがきじゅろう)氏です。
仕事を聞かれて、会社名で答えるような奴には、負けない。
現業職、技術職などを対象とする就職情報雑誌で、所属する会社名ではなく自分自身の専門性やプロ意識に訴えかける名コピーです。
(紫垣氏はこのコピーで東京コピーライターズクラブ最高新人賞を受賞しています)
現在であれば、システムエンジニア、ゲームアプリのプログラマー、ライターなどにも響くコピーといえるのではないでしょうか。
リクルートと外部のライターとでは力関係は明白です。
消費税分程度ですから請求できなかったことを泣き寝入りしてきたライターも少なくないと予想できます。
相対的に弱い立場のライターを応援しこそすれ、まさかのピンハネまがいの嫌がらせをしていたとすれば・・・。
しっかりと対応してほしいものです。