米中貿易戦争が休戦したところで、次は日韓が・・・!?
こんにちは、さんちゃんです。
g20も無事閉幕し、懸念されていた米中の貿易戦争もひとまず休戦モードとなりました。
トランプ大統領の交渉術もキレキレでしたが、習近平国家主席のそれは見事というほかありません。
現時点ではアメリカ側の譲歩を引き出したかたちになっていますが、それでも米中両国にとってこれ以上の経済的混乱を避けたいという点においては合意したものと思われます。
G20が終わり日本が韓国に輸出規制を発表!
さて、G20が終了してすぐに、今度は日本が仕掛けました。
仕掛けた相手国は慰安婦問題や徴用工訴訟問題で解決の糸口がみえない韓国です。
韓国に対して、半導体製造で使用する科学素材の輸出ルールの見直しを発表しました(FNNニュース2019年7月1日配信)。
経産省は「信頼関係が著しく損なわれた」として、半導体を製造する際に必要な材料などについて、4日から韓国への輸出の規制を強化します。韓国の半導体大手「サムスン電子」などに打撃になるとみられます。経産省は、日本のメーカーなどへの影響も注視したいとしています。
出所)「韓国向け半導体輸出規制 “徴用工問題”対抗措置か」テレ朝NEWS(2019年7月1日配信)
3月に日韓関係の悪化についてブログを書きましたが、まさにそこで指摘されていた対抗措置(8.「日本からの部品・素材提供の停止(フッ化水素など))が今回取られることになりました。
☆3月24日配信ブログ☆
日本と韓国の関係が悪化している・・・
これまで韓国は徴用工訴訟問題において過去の条約や日本からの提案を無視し続けてきました。
今回、事実上の報復措置とされていますが、当初強気だった韓国では大きく揺れ動いています。
韓国は強気から混乱へ!?
私自身は韓国語がわからないので、韓国のニュースを生の声として解釈することはできませんが、日本による半導体関連材料の輸出規制が発表されたのち韓国のニュースや新聞の日本語版をみると混乱している状況がよくわかります。
「大法院から決定が下されたが、仕方ない。原告のかわいそうな人々が苦しい暮らしの中から資金をどうにか集めて裁判して勝ったのに、どうしたら政府が出ることができようか。これが韓国の青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府の考えだ。差し押さえられた日本企業の資産が現金化されて大騷ぎとなり、日本が報復措置をしても仕方ない。むしろこのような大騒ぎを経てこそ、解決の糸口が見えることもあるだろう…」
今年2月中旬、韓日外交で中核的な役割を果たしていたある政府高官が打ち明けた話だ。当時は大法院徴用判決が日本企業資産の差し押さえにつながり、韓日間の葛藤がさらに高まっていた時だった。だが、この高官が打ち明けた韓国政府の認識は「日本が対抗措置をするといってもこれと言って何かあるだろうか」という水準だった。
…中略…
日本は違った。刀を磨いでいた。「韓国は日本を甘く見て中国だけを恐れている。だが、今回は違う。すべてのカードを並べて熱心に準備している。日本政府は殺気立っている」。今年3月、韓日外交で重要な役割を果たしている日本側要人が伝えた当時の政府内の雰囲気だ。日本は敏捷に動いた。「韓国に対する輸出規制最終案は5月中にほぼ固まっていた」という読売の報道通りだ。
…中略…
安保友好国に貿易審査に関連した特恵を提供する「ホワイト国」から韓国を除外する措置も巧妙だった。日本が前面に出した「安全保障」という名分にも合い、今後、韓国企業の対応によって輸出規制対象を無尽蔵に拡大することも減らすこともできる。駆け引きとアメとムチを手に、韓国を意のままに圧迫できる絶妙の一枚を見つけ出した。出所)「「安保を前面に出せばWTO例外も」 日本、韓国の急所を狙い刺す」中央日報日本語版2019年7月3日配信
韓国では、日本への非難や抗議活動に加えWTOへの提訴をちらつかせたり、自国韓国政府に対して改善を図るように訴えたりと傍からみていると右往左往しているようにみえます。
そこには、韓国が半導体関連の最先端技術のほとんど(およそ90%との報道もあります)を日本に依存していること、在庫は少なく数か月後には経済的に大打撃をこうむる可能性が高いこと、それにもかかわらず文大統領は日本との関係改善について明言していないこと、などが折り重なっているようです。
想像するところ、これまで慰安婦問題や徴用工訴訟問題などがおこっても、日本は「遺憾の意を表明する」的な実質なんら意味を持たない言葉を発信するだけでしたので、実質的な報復措置に乗り出すとは考えてもいなかったのではないでしょうか。
そういう意味では、記事中にある「韓国は日本を甘く見ている」はあながち間違っていないかもしれません。
日本が着手する次の一手は?
アメリカのウォールストリートジャーナルでは今回の件を日本の外交の「トランプ化」などと表現していますが、これまで我慢に我慢を重ねてきた日本政府がまずは一手着手したところといった感じでしょうか。
今回の件、いまのところ日本の経済団体の混乱は少ないようですので事前に根回しも済まされているものと考えられます。
政府の韓国向け半導体材料の輸出規制強化について、経済界は元徴用工問題で行き詰まる日韓関係の打開につながる可能性があると一定の理解を示す。背景には今回の措置は相対的に韓国経済への打撃が大きく、いずれ韓国側が軟化するとの目算がある。だが、2国間の摩擦が貿易面の損得だけで解決できないのは米中間で実証済み。期待とは裏腹に「報復合戦」に発展するリスクをはらんでいる。
出所)「経済界、事態打開に期待=対韓輸出規制、米中の二の舞いも」時事通信2019年7月3日配信
これからどのような状況になるのか予断を許しませんが、「自分の主張をせずに愛想笑いを浮かべているだけ」と揶揄されることもある日本にとって、これまで受け身一辺倒だった日本政府が初めてに等しいくらいの経済制裁の発動を示唆したことは大きな意味があると考えられます(もちろん、このことが日本経済にプラスに働くのかマイナスになってしまうのかは現時点ではわかりませんが)。