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リクナビ「内定辞退予想」の波紋! リクルートの終わりの始まりか!?

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

令和に入り、業界を代表してきた企業における疑問符がつく活動が目に付いています。

 

親方郵政のかんぽ生命しかり、コンビニの雄セブンイレブンしかり、そして大学生の就職活動に絶大な影響力を発揮してきたリクルートの「リクナビ」に大きな問題が発生しました。

 

リクナビ登録学生の内定辞退予測を販売! そして・・・

リクルートキャリアは学生の登録情報から、内定辞退につながりそうな学生の行動予測情報を企業側に販売すると発表しました。

しかし、この話題は大きな反響をを呼びましたが、同時に学生から個人情報を不正に利用したとのではないかという不安、精度が低いにも関わらず内定辞退しやすいとレッテルを張られるのではないかという不安もあり、一人の人間の将来を左右しかねない情報となり得るだけに賛否両論が巻き起こっていました。

 

そして、反響の大きさを注視したリクルートキャリアは、即座に販売中止を決定しました。

 リクルートキャリアは5日、就活情報サイト「リクナビ」の閲覧履歴をもとに就活生の内定辞退率を予測し、企業に販売するサービスの廃止を発表した。7月末で一時停止していたが、再調査の結果、7983人の学生からは適切な同意を得られていなかったことが判明したという。
2日夜に問題が判明し、4日にサービスを廃止、5日に発表した。
廃止したサービスは「リクナビDMPフォロー」。過去の内定辞退者のリクナビの閲覧履歴を人工知能(AI)などで分析。その結果も踏まえて、就職活動中の学生が内定を辞退する確率を推測し、1シーズン400万~500万円で38社に販売していた。
出所)「リクナビ、内定辞退予測サービス廃止 学生から同意得ず」朝日審BンDIGITAL(2019年8月5日配信)

 

もちろん、「リクナビ」は代表的な「就活ナビサイト」として大学生の就職活動・企業の新卒採用活動において重要な役割を果たしてきたツールであることはいうまでもありません。

 

採用意欲のあるシステムは企業からサイト掲載等の費用徴収することで、学生は無料登録が可能となり、たくさんの学生と企業とのマッチングを可能とする「就活ナビサイト」です。

 

一部の超有名大学と超有名企業においてはナビサイトとは異なるOB・OG経由のリクルーティング活動が主流といえますが、多くの中堅レベルの企業にとって、また中堅レベルの大学にとっては主要な採用活動・就職活動のツールとして機能しています。

今回の問題は、そこでの学生の閲覧記録などから内定辞退の可能性をデータとして企業に販売するという衝撃的な内容を発表したところにあります。

 

考え方・言い方・使い方をしっかりと把握すべき!

学生側は「リクナビ」に登録することで無料でたくさんの企業を知ることができ採用の可能性があるわけですからそのメリットは計り知れません。

しかし、今回の問題のように「内定辞退」学生を予測するシステムを販売と言われると、リクナビを利用することで内定辞退学生のレッテルが張られるのではないかという不安がつきまといます。

もし内定取得後の内定取り消しや、事前に情報が活用されて内定が得られないということが起これば真剣に就職活動のためにリクナビを閲覧すればするほど逆効果となる可能性がありますし、最終的に内定が取れず就職先が決まらないという危険があります(単純化すれば閲覧すればするほど他社への興味が高いとAIに判断されて内定辞退可能性が高まるシステムとなっているようである)。

 

一方、企業としては、せっかく採用内定を通知しても大量に内定辞退となれば、それはそれでコスト高となるため、学生の内定辞退の可能性を知りたいという欲求があることは間違いありません。

 

ここでの問題点を整理すると、

1.学生に個人情報の取り扱いについて十分に注意喚起していなかったこと
2.「内定辞退」学生の予測ではなく「就職」学生の予測など前向きな表現ではなかったこと
3.学生側にとって、自分の個人情報がそのように活用されていることを知らなかったこと

といった論点が考えられます。

 

1.はシンプルです。
個人情報の使用情報をしっかりと確認しないままに、学生にとってあまりにも敏感に反応する内定およびその辞退に関する情報提供をしていたというのは大きな不安を煽ることになります。

 

2.は企業向けの商材ですので、そのネーミングセンスといえるかもしれません。
わかりやすく内定辞退する学生の特徴をピックアップして情報提供するイメージだったのでしょうが、さすがに学生側からの反発を招くことは容易に想像できそうです。
それにも関わらず、そのまま発表するところに就職活動・採用活動におけるリーディングカンパニーとしての驕りが見え隠れします。

もしかすると、今後、リクナビ(に限らずですが)などナビサイト経由の就職活動・採用活動が下火になる可能性もあります。
企業にとっても学生にとってもあまりにも情報過多でコストが多くてマッチングに繋がらないことが少なくないからです。

 

そして、3.ですが、リクナビを利用する多くの学生にとって、自分の個人情報がそのように分析に活用されて販売されているとは考えてもいません。
大学からの就職指導で言われるがままにリクナビ等に登録したという学生も少なくありません。

それにも関わらず、このように個人情報が販売されていたということになると、販売中止と聞いても不安は募ります。

論点2.とも関連しますが次年度以降のナビサイトへの登録が減少するかもしれません。

 

政府からも疑問・問題視の声が!

柴山昌彦(しばやままさひこ)文部科学大臣や根本匠(ねもとたくみ)厚生労働大臣からこの件に対して疑問や問題視する発言がでています。

 

 柴山昌彦文部科学相は2日の閣議後の記者会見で、就職活動中の学生が内定を辞退する確率をリクルートキャリアが予測して販売していたことについて、「学生に当該情報が明らかになっていないところで、その就職活動に極めて大きな影響を持つ情報が提供されていたことは、学生の側からすれば予想外ではなかったのか」と指摘した。
出所)「「学生側は予想外」=内定辞退の確率販売で-柴山文科相」時事通信2019年8月2日配信

 

 根本匠厚生労働相は8日の閣議後記者会見で、リクルートキャリア(東京)が就職活動中の学生の「内定辞退率」を、一部の学生の同意を得ずに企業に提供していた問題について、「学生に不安な気持ちを抱かせることになり大変遺憾だ」と述べた。
その上で一般論として、関係法令に違反する可能性があれば、都道府県労働局で事実関係を確認し、指導など必要な対応を行うと説明した。
出所)「根本厚労相「学生に不安、遺憾」=リクナビ、辞退率提供で」時事通信2019年8月8日配信

 

業界最大手のリクルートキャリアですが、今回の件で大きく学生側から不信を持たれる結果となりました。

今後どのようになるかはわかりませんが、令和に入り、それぞれの業界を代表するような企業において不正や不祥事が相次いで発覚しています。

リクルートキャリアといえども、常に安定というわけではありません。
もしかすると、今回の出来事はナビサイトを活用した就職活動・採用活動に大きな変化が訪れる可能性も考えられます。

 

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