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内定辞退率情報、購入した大企業が続々と明らかに! その活用方法は!?

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

リクルートキャリアが発売していたAI(人工知能)を用いたリクナビ登録者の内定辞退率分析の情報ですが、これまで38社で購入していたといわれています。

 

今回あらたにNTTグループなどが購入していたことが明らかとなりました。

 

内定辞退率情報をNTTグループも購入!

 就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリア(東京)が、学生の「内定辞退率」の予測データを販売していた問題で、NTTグループのNTTコムウェア(同)とNTTファシリティーズ(同)の2社がデータを購入していたことが14日、分かった。両社とも「採用の合否判定には使用していない」としている。
NTTコムウェアはシステム開発、NTTファシリティーズは建築などのコンサルティングを手掛けており、いずれもNTTグループの主要企業。両社とも購入目的について「内定者への対応の際の参考にしていた」としている。
内定辞退率は、学生によるリクナビのサイト上の閲覧履歴などを人工知能(AI)で解析して予測。リクルートキャリアは、合否判定に使わない条件で38社に販売したとしている。これまでに、トヨタ自動車、ホンダ、大和総研ホールディングスが購入したことが判明している。
出所)「リクナビの「内定辞退率」、NTT系2社も購入」時事通信2019年8月14日配信

 

いろいろとつっこみどころ満載の記事、というか今回の出来事です。

 

リクルートキャリアにとっては、満を持して販売した「就職辞退率情報」のはずです。
先日のブログでも記載しましたが、年間400~500万円で販売しており、その情報価値に見合うと考えた大手企業が購入していたわけです。

しかし、「リクナビ」に登録した個人情報の扱いや、学生の一生を左右する可能性のある情報を軽く扱っているのではないかという非難を受けて発表数日後に販売中止を発表するというドタバタ劇を演じました。

 

☆過去記事☆
リクナビ「内定辞退予想」の波紋! リクルートの終わりの始まりか!?

その後、購入した側の企業情報が続々と明らかになってきたわけです。

記事にもあるように、トヨタ、ホンダ、大和総研、そして今回のNTTグループ会社といった日本を代表する大企業です。
(金額を考えると中小企業が購入対象にはなっていないことは想像に難くありませんが)

 

どの会社も「採用の合否判定には使用していない」と回答しています。

仮に使用していたとしても言えないわけですが、大金を払って購入した情報が合否判定に使用していないというのはかなり無理がある説明だと考えられます。

販売したリクルートキャリアによる「合否判定に使わない条件で販売」という条件付きの販売方法における実行力・強制力にも疑問があります。

 

内定辞退情報は企業が喉から手が出るほど欲しい情報!

そもそも企業にとって内定を出した応募者が内定辞退するとそれまでにかかった採用コスト(時間や費用)が無駄になりますし、辞退者の代わりに新しい人を選考する追加の採用コストもかかります。

万が一、採用人員が埋まらなければ配置計画など大きな変更を余儀なくされるわけです。

 

じっくり採用活動をおこなったうえで内定を出すわけですから、全員入社してくれることが理想です。

 

一方で学生の側も必ずしも採用される保証がないわけですからたくさんの会社に応募することになります。

結果として優秀な学生は複数の会社から内定を獲得することになり、本命の一社を除いて内定辞退することになります。

 

企業の人事担当者としては、優秀な学生を採用したい、しかし優秀な学生に内定を出しても他社で内定を獲得すると辞退されるのではないかと常に不安を抱いています。

 

そんなところにリクルートキャリアが学生の「内定辞退率情報」を販売すると言ってきたわけですから、飛びつく気持ちもわかります。

まさに喉から手が出るほどほしい情報だからです。

 

販売側、購入側、学生側、すべてがより効果的・効率的な利用を心がける必要がある!

販売したリクルートキャリアも、購入した企業側も、今回の件はなんとなく奥歯にものが挟まったような物言いに終始していますが、はっきりと「より効果的・効率的なマッチング」のための情報と言えばいいのだ感じます。

 

情報の集め方に問題があったところなどは改める必要がありますが、就職ナビサイトのひとつの活用方法が新卒学生の個人情報の収集であることは間違いありません。過年度の蓄積をもとに「おすすめ情報」を学生側、企業側に提供するのがナビサイトを運営するリクルートキャリアの役割となります。

 

学生側が無料で登録できるように、企業側から掲載料などをとっているわけですから、今回の情報商材の販売は、それ自体なんら非難されるものではないはずです。

 

無料で登録できる就職活動ナビサイトとはそういうものである、ということを学生や大学がはっきりと認識したうえで、そのうえで効果的に活用することが大切となります。もちろん、ナビサイトを活用しないという選択肢も十分に考えられます。

 

ここでは詳しく述べませんが、就職ナビサイトにはメリットだけではなくデメリットも指摘されていますので、ナビサイト登録をしなければ就職活動ができないと強迫観念的に考えているような大学や学生にとっては再認識の機会となったかもしれません。

そして、ナビサイトに頼らない新しい形態の就職活動・採用活動が始まるかもしれません。

 

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