レオパレス21構造欠陥問題、アパマンショップ消臭スプレー爆発、賃貸マンションは業界総出の改革が必要!
こんにちは、さんちゃんです。
引っ越ししたくても業者が予約いっぱいで引っ越しできない「引越難民」が増加中です。
このブログでは、2019年2月~4月に予想される引越難民の状況を想定しながら、業界をあげての対応策を検討する必要性について考えてきます。
2019年2月-4月「引越難民」の予想
「引越難民」とは、ちょうど一年前に広まった用語です。
2月から4月にかけての進学、入社、転勤などによる引越需要が、働き方改革を余儀なくされている引越業者の供給を大きく宇上回った結果、希望どおりに引っ越しできない人を指す用語として広まりました。
今年度は、政府からの社会的な要請もあり、また、企業としても人員やトラックなどが確保できていれば受注できたであろう機会損失を最小限に食い止めるために、この時期はスタッフの増員、トラックの増大など経営努力をしています。
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しかし、ここにきてCMなどでもおなじみの賃貸マンションを手掛ける大手2社による問題が相次いで発生したため、当初の需要予測を大きく上回る引っ越しの申し込みが発生しています。
賃貸マンション大手2社の問題点の本質は?
ここでは記憶に新しいアパマンショップのスプレー缶爆発事故、レオパレス21の施工不良問題をとりあげます。
アパマンショップの問題点~サービスの提供不履行の可能性~
不動産会社APAMANは13日、傘下の賃貸仲介会社が運営する札幌市豊平区のアパマンショップ平岸駅前店で引き起こした爆発火災事故の賠償金などで、2019年9月期に特別損失10億円を計上すると発表した。
これに伴い、同期の連結純損益予想を従来の6億円の黒字から1億円の赤字に下方修正した。出所)「爆発事故の賠償金10億円=赤字転落へ-アパマン」時事通信2019年2月13日配信
この問題は、2018年12月16日にアパマンショップ平岩駅前店が入居する雑居ビルが爆発した事故です。
警察の発表によると、店舗はもちろん隣接する居酒屋まで倒壊し、52名が負傷する大惨事となりました。
その後、少し離れた場所に住む人たちからも、屋根が壊れた、窓ガラスが割れたなどの被害の報告が相次ぎ、年末年始を親せき宅やホテルで過ごすことを余儀なくなれるなどの問題に発展しました。
これらの賠償金などとして特別損失10億円が計上される結果となったわけです。
原因については記者会見で詳細が述べられたいましたが、「除菌消臭スプレー缶」を大量に廃棄処分するために缶に穴をあけていたところ噴出したスプレーが発火し爆発したようです。
つっこみどころの多い事故でさまざまな問題点が散見されます。
なかでも問題の本質は、新品のままの除菌消臭スプレー缶が大量に存在したということ、意味するところは入居時に顧客と契約した「除菌消臭」サービスを実施していなかったということです。
その後、アパマンショップでは除菌消臭サービスの未実施がほかにもなかったか調査をしていますが続報がないため詳細はわかりません。
とはいえ、意図的に未実施であれば、ほとんど「詐欺」ということになります。
また、見た目にはわからないサービスだからこそ丁寧に実施する、というわけではなく、手を抜くという行為が常態化していたのであれば今後大きな問題に発展する危険性があります。
レオパレス21の問題点~手抜き工事による転居要請~
レオパレスの物件を巡っては、設計図と異なる天井部分の工事を行い、耐火性能が不足するなどの施工不良が、33都府県の1324棟で今月、新たに発覚。改修のため、入居者計1万4443人に転居を促す事態になっている。これらの物件を含め、全3万9085棟の調査を実施中だ。1月28日現在、調査した約1万4000棟のうち、8割以上で何らかの不備が見つかっている。補修工事が終わるまで入居者を募集しないため、今後、空室率が急増する見通しだ。
出所)「レオパレスの融資実態、一斉調査へ 金融庁、施工不良問題巡り」毎日新聞2019年2月16日配信
レオパレスの問題は、より深刻です。
過去にも指摘を受けていたようですが、耐火性能不足の施工といった生命にもかかわる部分での施工不良を実施し続けていたようです。
しかも、調査をした物件の実に8割以上で不備が見つかっているという驚くべき自体になっており担当者や施工業者の責任を越えた組織ぐるみでの悪質な指示があったものと考えられます。
やはり問題の本質は、顧客の安全や安心よりも、コストダウンや納期短縮などを理由とした手抜き工事といえます。
自分たちの利益のために、顧客の利益を犠牲にしているといわれても仕方がありません。
賃貸マンション業界は、業界総出で改革に乗り出した方がよい!
このままでは「衣・食・住」のうち最も根本的な安心安全を担う住環境が危険に脅かされることになります。
アパマンショップ、レオパレス21といったテレビでもCMが流れている大手企業による事故や不正ですので、その影響は甚大です。
またこれだけニュースやインターネットに取り上げられましたから、よほどしっかりとした対応策を実施しなければ、両社のイメージダウンはもちろん業界全体に対する懐疑的な視線が避けられない状況になっています。
それでなくても、敷金礼金、仲介料、鍵交換費用、クリーニング代、その他オプションサービスについて入居者負担でなくても大丈夫な費用も少なくないといった情報がインターネットやTVで特集されたりしており、業界の慣習に対する不信感は強まりつつありました(おそらく賃貸アパートを運営する会社にとって大きな収入源になっているサービスです)。
このような状況下での出来事ですので、入居者の安心安全、快適な住環境を第一として、業界をあげての改革が必要となってくるのではないでしょうか。
中長期的には、施工および施工後のチェックに対するルールの見直し、建築施工から完成そして入居から退去までの一連の工程における利益とコストの見直し、そして大きな事故などに対する保険の検討などが考えられます。
また短期的には、レオパレス21から転居要請を受けた人たちへの住居のあっせんがあってもいいと考えます。
メディア受けするパフォーマンスと捉えられるかもしれませんが、それでも今住んでいる住居が欠陥マンションだと知らされた人にとっては心強いものがあるのではないでしょうか。
レオパレス21、アパマンショップだけの問題と捉えるのではなく、業界全体の問題として捉えることが大切になってくると考えられます。