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バイトテロは個人の問題で終わらない! ライバル企業を陥れることも不可能ではない 動画投稿者の意図を読む力がないと危険!!

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

私も何度かブログで取り上げましたが、バイトテロについてさまざまな方がさまざまな意見を述べています。

 

そのなかで非常に興味深い言説がありましたので紹介します。

 

ネットニュース編集者/PRプランナーの中川淳一郎さんによるPRESIDENTの連載記事「バカッターが発生する9つの理由・決定版」(2019年3月15日配信)です。

 

中川淳一郎さんというと『ウェブはバカと暇人のもの』という本で有名です。

今回の記事について、半分同意、半分的外れではないかと感じています。

 

同意できる部分は、端的に「バイトテロ」を実行する若者に対する分析です。

一方、的外れだと考えられる部分は、若者個人の問題として極小化して問題を捉えているとこです。

 

今後、バイトテロは3つの最悪の方向に進むのではないかと危惧していますので、そうならないことを祈りながら、ブログを書いています。

 

中川淳一郎さんによるバカッター(バイトテロ)が発生する理由9選

切れ味鋭い文章で、最初に結論から述べられています。

 

バカッターにしてもバイトテロにしても、次の一言で説明はつく。
バカだから。
これで終わりだ。

いちいち「なぜ若者は画像や動画をネットに投稿するのですか?」とか、「どうしてここまで報道され、世間から非難もされているのに、あえてあのような愚行を世界中に晒すのですか?」などと尋ねられるのだが、ファイナルアンサーとしては「バカだから」と言うほかない。

そもそも「バカ」+「ツイッター」で「バカッター」なのである。こんな端的で素晴らしい造語が2013年に誕生していることからもわかるように、すでに本質は喝破されているのだ。

出所)「バカッターが発生する9つの理由・決定版」PRESIDENT(2019年3月15日配信)

 

して、バカッター(バイトテロ)が発生する9つの理由を次のようにまとめています。

 

【理由1】暇だから
【理由2】ネットのことをよくわかっていないから
【理由3】「炎上させることが趣味」という悪趣味なヤツがいるから
【理由4】自分の仕事と社会の関係に気付いていないから
【理由5】自分のことを面白い人間だと誤解しているから
【理由6】人生に対して危機感を持っていないから
【理由7】仲間内でマウンティングをするしかない世界に生きているから
【理由8】成功体験がないから
【理由9】自己顕示欲が強いから

出所)同上

 

理由3以外は、バカッターを投稿する当事者の幼稚性、すなわち当事者である若者が「バカだから」をかみ砕いて表現したものです。

 

過激な表現もみられますが、当事者がバカだという結論について同意できるところが大きいです。

 

気に入らない人間や企業を社会的に抹殺することができる!?

しかし、「【理由3】「炎上させることが趣味」という悪趣味なヤツがいるから」に関連して、当事者がバカだからという個人の問題では終わらない可能性について指摘しておく必要があります。

 

中川さんは、理由3については、悪趣味な人たちという第三者を想定しています。

世の中には不思議な趣味を持つ人々がいて、ネット上に転がっている過去の映像や画像を炎上目的で探し出し、突然SNSで公開して当事者を炎上させたりすることがある。
…中略…

今年発生した一連のバカッター騒動についても、ビッグエコーの「唐揚げ用の鶏を床にスリスリ」や、バーミヤンの「中華鍋から上がる炎でタバコに火をつける」は2018年にアップされた動画だ。それを悪趣味な輩が2019年になって改めて投稿し、あたかも最新動画のように扱って拡散させたのだ。こうした趣味を持つ者は「いいね」やRTの数が増えていく様を見るのが快感で、SNS上でバカッター動画・画像探しをすることは、あたかも“宝探し”のような感覚になっているのかもしれない。

出所)同上

 

先日のブログで書きましたが、バイトテロには「実行」「撮影」「投稿」という3つの要素から成り立っています。
「バイトテロ」問題の予防・解決策を考える。厳罰か処遇改善か? 撮影禁止が単純かつ即効性のある対応策!

 

中川さんを含めて、多くの論者が前提としているのが、実行、撮影、投稿を実行者個人もしくは実行者を含む友人グループがおこなっており、その後、炎上につながっているということです。

 

炎上する際には、悪趣味な第三者が「再投稿」のようなかたちで拡散することがあるという解釈です。

 

この前提があるからこそ、投稿すればどうなるのか想像力が働かないのはなぜか、すなわちバカだからだ、という論理になります。

 

しかし、投稿者が、実行者や撮影者とまったく違う人物という可能性が捨てきれません。
そのことを理解していないと、極めて危険な思考に陥ってしまいます。

 

今後起こりうるかもしれない、3つの最悪のケースについて考えていきます。

 

ケース1.気に入らない実行者に社会的制裁を加える目的で悪意を持って投稿される

ひとつ目は、実行者や撮影者に対して、あまりいい感情を持っていない人が投稿者となる可能性です。

 

撮影者が実行者とは異なる友人に映像を見せて、その友人がまた別の友人に映像を見せて、などと映像を見る人が増えていくと実行者たちのことをよく思わない人がその映像を見る機会が発生します。

 

その人が、実行者たちに社会的制裁を加える目的で悪意を持って投稿することが可能となります。

 

誰がいつどのような目的で映像を投稿したかに関わらず、映像が拡散されてバッシングを受けるのは当然のように悪ふざけをした実行者となりますので、投稿者としては自らの手を汚さずに実行者を社会的に抹殺することも不可能ではありません。

 

悪ふざけの実行や撮影そのものももちろん大問題ですが、人生を犠牲にしなければならないような次元までバッシングを受けるには、その投稿者の意図を考慮せずに映像に映っている人を断罪するのは極めて危険な考え方といえます。

 

ケース2.ライバル企業を陥れるためにバイトテロが悪用される

ふたつ目の可能性は、ライバル企業を陥れることを目的にバイトテロが悪用されることです。

 

ファストフードやファミレス、コンビニなどは、競合他社との競争に勝ち抜くために日夜企業努力を欠かさず新商品や新サービスを導入し続けています。

 

ひとたびバイトテロが発生すると、企業イメージは大きく損なわれ、大戸屋ホールディングスの事例のように一斉休業や従業員研修をおこなうことになり、そこには億単位の損失が発生します。

 

このことを悪用しようと思えばできなくもない、というのがバイトテロの危険性として認識しておく必要があります。

 

たとえば、

●ライバル企業の店舗に若者を送り込みバイトテロをおこす
●ライバル企業のアルバイトを買収しバイトテロをおこす

などといったことを実行可能かといえば可能です。

 

顔が映っている必要はなく、ライバル企業と特定できるもの、たとえば制服が映っているだけでライバル企業に大ダメージを与えることができてしまいます。

 

オレオレ詐欺の受け子や違法薬物の運び屋に数万円程度の報酬でなってしまう若者がいるのが現実ですから、バイトテロについても数万円程度で請け負ってくれる若者がいても不思議ではありません。

 

それで億単位の損失をライバル企業に与えることができてしまうという恐ろしい現実があります。

 

この場合、悪ふざけ映像の投稿者がライバル企業の関係者ということになりますので、若者個人がバカだからという次元を超えた組織的な問題(というより犯罪)になります。

 

そのため、若者個人の問題という狭い意味ではの「バカッター」ではなく、より広い意味でテロリズムという表現を含む「バイトテロ」として、アルバイトを取り巻く企業、業界など包括して議論をしていかなければいけないといえます。

 

ケース3.「パソコン遠隔操作事件」が繰り返される危険性がある

「パソコン遠隔操作事件」と聞いて、忘れていた記憶を思い出した人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

2012年に発生したサイバーテロ事件で、コンピューターウイルスを使って被害者のパソコンを乗っ取り、殺害予告などをインターネット掲示板にだしていたものです。

 

事件は当初、無実であるパソコンの持ち主が逮捕され、取り調べで犯行を認める供述をした人もいました。

 

その後、遠隔操作ウイルスによる真犯人の犯罪であることがわかりパソコンの持ち主は釈放されました。

 

しかし、連日報道されていたように、無実でも逮捕される危険性があること、無実でも取り調べを受けると犯行を認める供述をしてしまう可能性があること、がはっきりと証明された事件となりました。

 

もし、スマホやパソコンを遠隔操作されたり、盗み撮りをされたり、編集ソフトなどを悪用してねつ造や偽造した映像を作られて、さも悪ふざけ動画のように投稿された場合、どのようなことが起こるのか、一つの可能性として常に考えておく必要があります。

 

まとめ~動画投稿をする人の意図を考えよう~

バイトテロは、悪ふざけの実行、撮影、投稿、の3つの要素から成り立っています。

 

これらの行為が実行者個人もしくは実行者を含む友人グループがおこなっているのであれば、当事者がバカであるという論理は成立します。

 

しかし、特に投稿については、必ずしも実行者や撮影者の意図とは離れた第三者による悪意にもとづく行為である可能性が考えられます。

 

このブログでは、バイトテロに関する最悪のケースとして、

①実行者たちに悪意を持って社会的制裁を加えるために動画投稿をおこなうケース、
②企業がライバル企業を陥れるために若者を使いバイトテロをおこなうケース、
③パソコン遠隔操作事件のように全く知らない第三者にバイトテロの犯人に仕立て上げられるケース、

の危険性について検討してきました。

 

現時点でこのようなケースが起こっているという報道はなされていませんが、バイトテロに対して若者個人がバカだからだというところで思考を停止してしまうのではなく、アルバイトを取り巻く環境をしっかりと認識したうえで議論を深めていく必要があるのではないでしょうか。

 

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