平成の30年間で変化したこと(5)日本企業の競争力が大幅に低下! 成長とは何か
こんにちは、さんちゃんです。
平成は日本企業の競争力が低下し続けた時代
平成の30年間で変化したこと第5弾は「日本企業の競争力の低下」です。
平成の30年間は日本企業の競争力が世界のなかで停滞し続けた時期となります。
平成が始まりバブル崩壊をきっかけに「失われた10年」「失われた20年」「失われた30年」などと自虐的な表現で語られていましたが、実際のところ平成30年間の長期にわたって日本企業の成長はほぼストップしていました。
その間に、アメリカや中国をはじめとして多くの国で経済成長が実現されそれらの国の企業が競争力を持つようになるなか日本企業は総じて置いてけぼりをくらっていたような状況です。
世界の企業時価総額ランキング比較~平成元年vs平成30年~
『週刊ダイヤモンド』2018年8月25日号の特集「平成経済全史」において平成元年と平成30年の世界時価総額ランキングの比較表が掲載されていました。
これをみると世界時価総額ベスト3はNTT、日本興業銀行、住友銀行と日本企業が独占しています。
より詳細に数えていくとベスト10に7社、ベスト50のなかには32社の日本企業がランクインしていることがわかります。
まさにジャパン・アズ・ナンバーワンと呼ぶにふさわしい隆盛ぶりです。
しかし、平成の30年間で企業勢力図は激変します。
ベスト50のなかに日本企業はトヨタの1社を数えるのみで、しかも35位に低迷しています。
直近の2019年4月末現在だと45位とさらに下がってしまいます。
一方でアメリカは平成元年の15社から31社に倍増していますし、平成元年当時には1社もランクインしていなかった中国が7社ランクインする躍進を遂げています。
現在、アメリカと中国の貿易摩擦の再燃が懸念されていますが、時価総額ランキングをみると世界経済の覇権を争っている両国の争いであり、この動向次第では、今後、中国が大躍進を遂げて企業勢力図を塗り替える可能性も否定できません。
そして時価総額の金額に目を向けると、当然30年間の経済成長がありますから全体として上昇しています。
平成元年に第1位だったNTTをそのまま平成30年に持ってくると48位にランクインしますが、2位以下の企業が入り込む余地はありません(そういう意味では当時のNTTがいかに巨大企業だったかということがわかります)。
唯一ランキングに掲載されているトヨタの時価総額は平成元年で541億ドル(11位)、平成30年には1939億ドルと約4倍に成長しているわけです。
当時はランクインすらしていなかったアップル、アマゾン、アルファベット(グーグルの親会社)、マイクロソフト、フェイスブックといった新興企業が現在では世界を席巻していることがわかります。
30年間の停滞を抜け出すために
日本企業が30年間停滞しているあいだに一気に追い抜かれて背中も見えないようなところまで差をつけられてしまいました。
今すぐに打開できるわけではないでしょうが、令和の時代は世界と戦うことのできる企業、ビジネス、個人の出現が求められているといえます。
本日トヨタの決算発表を受けての記者会見で豊田章夫男社長は「大企業をフルモデルチェンジするには時間がかかる。過去の成功モデルに頼っては未来が無い。めまぐるしい変化の中でぶれない軸を持って変革を進めたい」と語りました。
過去の成功モデルから脱却して変化の激しい現在のなかで変えるところと変えないところを精査して新しいビジネスモデルを構築することでさらに大きなステージでビジネスを展開する意気込みが伝わりました。
同時に、中小企業や個人など小回りが利く存在は変化に迅速に対応し変化し続けることが成長につながるとも解釈できます。
昨日より今日、今日より明日を少しでもより良い社会や経済を実現するために企業も個人も変わり続けなければならないといえます。