アメリカ大富豪が学生の奨学金を肩代わり、その額44億円相当に! アメリカの強さの秘密に迫る!
こんにちは、さんちゃんです。
最近は国内外の経済情勢が不安定なためあまりいい話題がないのですが、アメリカの大富豪による大学の卒業式でのスピーチに称賛を浴びています。
卒業生約400人分の奨学金を全額肩代わり!!
ジョージア州アトランタのモアハウスカレッジで19日、卒業式のスピーチに登場した億万長者の投資家ロバート・スミス氏が、卒業生約400人の学生ローンは自分が全額返済すると申し出て、拍手喝采を浴びた。同カレッジは伝統的に黒人学生が通っている。
卒業生を前にスミス氏は、「この国で暮らしてきた私の家族8世代を代表して、あなた方に少しばかり燃料を注入しよう」と述べ、同カレッジの学生ローン負担を取り除くため、助成金を創設すると発表。「今後も全クラスに同じ機会を提供しよう。全員がアメリカンドリームのチャンスをつかめるように」と語った。
同カレッジのデービッド・トーマス学長によると、卒業生396人のローンを返済するために必要な金額は最大で4000万ドル(約44億円)。「借金を抱えていれば、世界の中で出来ることの選択肢は狭まる。(スミス氏の贈り物は)、夢や情熱を追求できる自由を学生たちに与えてくれる」と申し出を歓迎した。…中略…
スミス氏(56)は投資会社ビスタ・エクイティ・パートナーズを創設した起業家で、米紙フォーブズによれば資産総額はおよそ50億ドル相当と、米国の黒人の中では最も多い。
過去にも母校の1つコーネル大学院に5000万ドルを寄付したほか、がん研究や芸術の分野でも多額の寄付を行っている。出所)「米億万長者、学生のローン返済を全額肩代わり 卒業式スピーチで発表」CNN.CO.JP(2019年5月20日配信)
投資会社を設立した起業家であり投資家のロバート・スミス氏が、大学の卒業式で全員の学生ローン全額の返済を肩代わりするとスピーチしたところ卒業生から拍手喝采を浴びたとのことです。
その額は日本円にすると約44億円にも上ります。
スミス氏は米フォーブス誌による長者番付で黒人で最も多い資産総額を持っていると紹介されている人物です。
卒業生たちにアメリカンドリームを手にしてほしいと、そのチャンスは全員にあるのだと、口だけではなく44億円ものお金をポンっとだせること自体がまさにアメリカンドリームといったところでしょうか。
まさにアメリカらしい寄付金文化、日本で根づくには税制上の改正が必要かも!?
まさにアメリカンドリームといったところですが、アメリカの大富豪は実業家やスポーツ選手、俳優やミュージシャンなどこのような多額の寄付をする文化が成り立っています。
数億から数百億もの資金を30~40代までで稼ぎ出してアーリーリタイヤ、その資金を若者や貧困層への寄付をおこなったり基金を設立するなどといったパターンが成功者のひとつの形となっています。
つまり大金を稼ぐことができる才能のある人に対して、遺憾なくその才能を発揮してもらい巨額の資金を形成してもらう。そしてその資金を大金を稼ぐことができない大多数の人たちに分配することで税制上優遇するわけです。
このようにアメリカでは、お金を稼ぐ仕組みと稼いだお金を使う仕組みとをうまく組み合わせて経済を活性化しているのです。
日本ではどちらかというと生涯現役、自分の稼ぎで自分の生活をというような文化が成り立っていますので、巨額の資産を形成した人に対してはどうしても成金のような目で見てしまいがちです。
よくよく考えてみると、アメリカのように大金を稼ぐことができる人が大金を稼ぎ、その資金をあまり稼ぐことができない別の人に配分するという考え方は資本主義そのものだといえます。
この場合「別の人」には、アーティストのたまごなども該当します。
古くはパトロンやタニマチと呼ばれていたような人たちです。
そしてそのアーティストのたまごが有名になって巨額の資金を得ると、また次のたまごに資金を分配するわけです。
アメリカのすごいところはこのような大きな意味での資金の循環を活性化させることで国力を高めているところにあります。
日本はというと、巨額の資金を稼ぎ出すことも困難ですが、稼いだとしてもその稼ぎをひけらかすことには否定的(前述のように成金と蔑まれる)で、表向きは自助努力のアピールと自身や家族の生活のために資金を使います。
なかなか寄付などをして他者に分配することは好まれていないようです。
老後の不安も大きいのでしょうが、結果預貯金など資金が経済活動に使われず停滞することになります。
もちろん、アメリカと日本では税制なども大きくことなりますので寄付金をするインセンティブはアメリカ人の方が高いのは仕方がないといえます(詳細は割愛しますが、アメリカでは税制上寄付金をすることによる節税効果が日本より格段に高い)。
それでも近年話題の「ふるさと納税」は市町村によっては工夫次第でこれまでになかった巨額の税収につながっていますので、納税者である国民からすると節税効果が高ければそこに資金が流れることは予想に難くありません。
もちろん税制以外でも宗教をはじめとした様々な違いが日米でありますので、いきなり寄付金文化が出来上がるわけではありませんが、貧困層や教育への寄付金について税制上優遇することは経済を好転させるうえでひとつの施策といえるのではないでしょうか。
現在は、国によるバラマキ政策が選挙対策などともからんで頻繁におこなわれてきました。
たとえば●●無償化、●●商品券配布、などといった耳障りのいい製作です。
そういった施策には野党が税金のバラマキといって非難するのがセットとなっています。
であれば、国が税金でおこなうのではなく、民間で成功して巨額の資金を形成した人が多額の寄付金を拠出する。
その拠出した寄付金に対して税制上優遇する文化の方が経済が活性化するのではないでしょうか。
ある意味で日本は画一的で社会主義的な福祉をつくりあげてきた歴史があります。
平等主義といえば聞こえはいいですが、残念ながら平成の30年間は多くの人にとって「みんなが平等に貧しくなる」というジリ貧の状況に陥ってしまっていたのではないでしょうか。
大きな政策転換になりますが、このままジリ貧状態が続くと失われた30年が、40年、50年…、となってしまうかもしれません。
巨額の資金を形成することにチャレンジできる仕組みと、成功したときの資金を他者に分配しやすい仕組み、同時に失敗したときには分配してもらえる仕組み、のバランスが大切になってくるわけです。
アメリカの真似をすればいいというわけではありませんが、こう、ワクワクするような経済の活性化施策がでてこないことにはバブル崩壊以降長らく続いている停滞ムードを解消することは困難だといわざるをえません。