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グローバル企業とは何か? 武田薬品工業の事例に学ぶ!

 
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こんにちは、さんちゃんです。

 

グローバル企業という言葉は平成の時代からよく聞かれたものですが、実際にはどのようなものなのでしょうか。

 

武田薬品工業~従業員の9割が外国人~

 昨年3月に完成した東京・日本橋の「武田グローバル本社」。4階ロビーの大型スクリーンでは、ニューヨーク証券取引所への上場を祝って1月に開かれたセレモニーの映像が流れ、その脇を多様な国籍の外国人が行き交う。
 武田は今年1月、アイルランドの製薬大手シャイアーを日本企業として過去最高の約6兆円で買収。売上高で製薬企業の世界トップ10に入った。それに伴い、世界で約5万人いる従業員の9割が外国人になった。
 「こんなに国際化が進むとは想像もつかなかった」。2015年から西日本のがん事業(営業部門)を統括している江原昌慶(51)はそう話す。

…中略…

決定的だったのは2014年。英国の製薬企業出身でフランス人のクリストフ・ウェバーが、武田初の外国人社長に就いた。「インパクトがあった。本当の意味でグローバル企業になる過程だと感じた」と振り返る。
本社は日本人が半数以上だが、世界のがん事業を統括する上司はフランス人やアメリカ人で、英語が欠かせない。英会話教室で週6時間ほど勉強し、フィリピンで3週間の英語合宿にも参加。自宅の最寄り駅で困っていそうな外国人に声をかけ、英語力と度胸を磨いた。
グローバル企業で活躍するには、どんなスキルが必要なのか─。江原は「成功体験を『言語化』して周りに伝えること」という。

出所)「創業200年超の老舗、気づけば「社員9割が外国人」 武田薬品日本人社員の試行錯誤」GLOBE+(2019年6月7日配信)

 

記事内で江原昌慶さんも指摘しているように英語で物事を伝える力が重要となります。
「体験の言語化」という表現があるように、日本人による日本人の感覚・ニュアンスを英語でしっかり表現できなければならないということであり、そこに行きつくまでの努力がうかがい知れます。

 

さらに重要なこととして記事内でもう一人紹介されている山口奈美子さんの事例が参考になります。

 

 「ニューロサイエンス創薬ユニット」の山口奈美子(31)もその一人。国内唯一の研究所「湘南ヘルスイノベーションパーク」(神奈川県藤沢市)で、アルツハイマー病など神経系疾患の治療薬の研究をしている。

…中略…

とまどいもあった。中国出身の社員が昨年12月、仕事の時間にクリスマスパーティーを開くことを提案した。「メリットがあるのか」「そもそも仕事の時間を使って良いのか」。日本人ではあまり考えないような提案に、そんな不安もよぎったが、飲食をしながら仕事内容を伝え合ったことで、その後の研究で相談できる人が増えたという。
今では、国籍や考え方が違ってもオープンマインドで相手を受け入れ、自分の意見は物おじせず言うことを意識している。「周りを巻き込み、それぞれが持つ『プラスの情報』を良い方に高められるよう意識することは、控えめと言われる日本人がグローバル企業で存在感を示すためにも大事だと感じます」

出所)同上

 

国籍や考え方が違うことを前提として、そのうえで自分とは異なる他者の考え方を拒絶せずにオープンマインドで受け入れることが求められます。

 

同時に、自身の発言も他者にどのように伝わるか、考え方の前提が異なるということを理解しているからこそ、自分の意見がすぐに受け入れられなくても物おじせずに伝えることが大切となってくるといえます。

 

共通言語としての英語はもちろん大切となるが、それ以上に文化の異なる他人同士のコミュニケーションが大切になってくることをこの事例は端的にあらわしています。

 

これからの日本企業で求められること

すでに様々なメディアをとおして平成の30年間の総括がなされていますが、世界が経済成長していたにもかかわらず日本の経済成長は停滞していた30年間だったといえます。

平成の30年間は日本経済のガラパゴス化現象といわれたりもしています。

 

ガラケー(ガラパゴス携帯)の語源ともなったガラパゴス諸島は、極めて長いあいだ人間が入らなかったためその島でしか対応できない独自の世界を形成していました。

飛べない鳥などが有名で、人間が入って瞬く間に捕獲され絶滅してしまいました。
もちろん、それ以外でも諸島の自然が大きく変化することになったのはいうまでもありません。

 

外部との接触を断った内向きの最適化を図るあまり互換性のない商品や文化が発展を遂げ、いざ外部と接点ができたときに互換性のない商品や考え方が淘汰されることになります。

 

もちろん、日本の企業や経済として、このまま淘汰されるのを指をくわえて待っているわけにはいきません。

 

武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長以外でも話題となった外国人社長には日産自動車のカルロス・ゴーン元社長、日本マクドナルドのサラ・カサノバ元社長などがいますが、これからもますます増えてくると思われます。

 

同時に、他国籍の企業の経営者を日本人が務めることも増えてくるのではないでしょうか。

 

今や都会を歩いていると日本人以外の人と出会わない日はないというほど職場や生活に外国人は溶け込んでいます。

 

そういった時代であるからこそ、働くすべての人に多国籍のコミュニケーションが求められているといえます。

それは必ずしも英語を話すということではなくオープンマインドな姿勢で積極的なコミュニケーションを心がけるということであり、できる限りイメージや偏見、先入観で物事を捉える姿勢は慎む必要があります。

 

日本経済のガラパゴス化による平成の30年間の間に他国は驚くほど経済成長を遂げていました(日本の高度経済成長のような成長率で成長し続けた国も少なくありません)。

 

これからは内向きなガラパゴス思考ではなくオープンマインドな姿勢が大切になってきます。

 

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