最新ニュース、書籍やマンガなど身近な話題から昭和・平成・令和の生き方・働き方を考える

ふるさと納税をめぐる騒動に新展開! 総務省の勇み足!?

 
この記事を書いている人 - WRITER -

こんにちは、さんちゃんです。

 

ふるさと納税をめぐる騒動に新しい動きがありました。

 

総務省の「狙い撃ち」に疑問の声

そもそもの事の発端は、泉佐野市などいくつかの自治体がふるさと納税の返礼品に地場産業といえないような物品を取り揃えることで税収を確保していた点に総務省が制度の趣旨にそぐわないと発言したことです。

 

ある意味では経営努力として制度の枠組みを最大限に活用した泉佐野市と、制度の抜け道を行くかのような泉佐野市のやり方に反発した総務省との面子をかけた言い争いとでもいうような状況に発展し、法制度を変更する流れとなっていました。

 

その法制度変更にともなう処分が泉佐野市を狙い撃ちしているようなものと国地方係争処理委員会に受け止められました。

 

 ふるさと納税をめぐる大阪府泉佐野市と総務省との対立で「国地方係争処理委員会」は2日、総務省の手法が強引だったと認定した。総務省は昨年末、ギフト券などで多額の寄付を集めた自治体を問題視したが、泉佐野市は総務省に反抗する形で「地方自治」の名の下に高額品での寄付金集めを続けた。総務省の“狙い撃ち”するかのような対応が、今回は不当だと判断された。
出所)「ふるさと納税 総務省の“狙いうち”に不当判断」産經新聞2019年9月2日配信

 

とはいえ、泉佐野市の主張が全面的に認められたというわけではありません。

 

 「(泉佐野市の)やり方はひどいと判断している。だからといって、法律的に除外でいいのか」
 委員長を務めた富越和厚元東京高裁長官は記者会見で、勧告決定の理由をこう述べた。
最大の焦点だったのは、新制度が始まる前の状況を理由に除外決定をしたことだった。委員会は総務省の対応について、「(違法ではなかった)過去半年間ほどの募集の態様から、ただちに不指定団体の要件とするのは法律の範囲を超える恐れがある」と指摘した。
一方で委員会は、「泉佐野市によるふるさと納税の募集態様が、ふるさと納税の存続が危ぶまれる状況を招き、是正を求めるべき事情にあった」とも認めた。
出所)同上

 

記事にあるように、泉佐野市のふるさと納税の募集様態には制度維持に向けた問題があると指摘したうえで、法律的に抵触しているとはいえないという判断です。

 

新制度に法整備をしたとたんに、旧制度で(一応のところ、まがりなりにも)適法であった自治体を排除するのはいかがなものかという判断です。

 

 総務省の態度を強硬にさせたのは、制度改正に水を差すような、泉佐野市の規制強化前のなりふり構わない対応だった。「閉店キャンペーン」と銘打つ寄付募集で総務省を挑発し続け、今年度も4、5月の2カ月間だけで、約185億円の寄付金を集めた。
ふるさと納税は、都市部に比べて税収が少ない地方を応援するのが本来の趣旨だ。返礼品競争の過熱に歯止めをかけたいという総務省の立場に、委員会は理解も示した。
過度な寄付集めを継続した泉佐野市が制度に復帰するとなれば、制度見直しに従ってきた大多数の自治体との不公平は解消されないままとなる。委員会による同市除外の再検討勧告は総務省にとり打撃だが、総務省も簡単には引けず、両者が対立する構図は当面、続きそうだ。
出所)同上

 

とはいえ、新制度にあわせて調整してきた自治体も少なくないことから総務省としても引くに引けない状況が続きます。

 

ふるさと納税の意味を再考する

総務省と泉佐野市との対立構図は今しばらく続きそうです。

 

法整備の変更などもあり、最終的には総務省の意向に沿う形で落ち着く公算が高いですが、今回のように都合よく改正法を振りかざすことには反発を強める結果となります。

 

このような状況のなかで、今一度ふるさと納税の意味合いを考えてみます。

 

記事にもあるように、「ふるさと納税は、都市部に比べて税収が少ない地方を応援するのが本来の趣旨」といえます。

 

しかし、有名な地場産業、特産品が多い地方とそうではない地方都では大きく差がつくことは容易に想像できます。

たとえば海産物や農産物で有名な北海道の自治体は税収が増える一方で、過疎化してきた自治体がますます税収が減少する事態もありえます。

結果として泉佐野市など金券・商品券といった返礼品を設定する自治体がでてきました。

泉佐野市としては、実施したふるさと納税関連のキャンペーンを地方自治体の工夫、経営努力と捉えているわけです。

 

実際のところグレーゾーンのやり過ぎ感、総務省の意向を逆撫でするような対応が大きな反発を招いているところが見え隠れします。

地方分権を強力に推進する泉佐野市のような先進的な自治体と国家である総務省が対立することは今後もありそうです。

 

今回は総務省の「勇み足」と国地方係争処理委員会が判断したわけですが、本来の趣旨である地方(地方のなかでも税収が潤っている地方とそうでない地方がある)の応援とはどういった施策が求められているのか、「ふるさと納税」それ自体の枠組みから再考してみなければならないかもしれません。

 

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright© 21世紀の生き方・働き方 , 2019 All Rights Reserved.