毎月勤労統計調査、全数調査しておらず! 日本政府は大丈夫か??
こんにちは、さんちゃんです。
開いた口が塞がらないというのが正直な感想で、あまり触れたくはないのですが、やはり触れておかないといけないテーマです。
21世紀の働き方や生き方を考えるにあたり、国家、国民の現状を知ることは極めて重要となります。また、しっかりとした統計データが公表されているということ自体が国際社会における国家の信頼にもつながっています。
日本はこれまで緻密な統計を公表している国家のひとつでした。
日本では、国勢調査をはじめ「指定統計」が100以上あります。
それは国が責任をもって調査を実施し公表するもので、個人や企業は協力する義務があります。
(いわゆる個人情報保護法があるから回答したくない、は通用しません)
指定統計
政府もしくは地方公共団体が直接または第三者に委託する統計で,行政管理庁長官が特に指定し,その旨を公示する。統計法2条によって指定された統計であるところからこの名称がある。指定統計の制度は,国民生活にとって重要な関係をもち,国の基本政策の決定の基準として特に必要な統計の精度を高めるために特別の考慮を払うことをねらいとしている。統計法では,指定統計について,調査従事者に対する資格,調査対象 (個人や法人など) の申告義務,調査に対する協力等々を定めると同時に,調査事項に対する秘密の保護なども規定している。国勢調査を第1号として,100をこえる指定統計がある。
出所)『ブルタニカ国際百科事典』
今回、厚生労働省が公表している「毎月勤労統計」の調査手法がずさんだったことが明らかとなりました。
厚生労働省が公表している「毎月勤労統計」で、本来は従業員500人以上の事業所は全て調査しなければいけないのに、東京都内分は3分の1程度しか調査していなかった。厚労省への取材で判明した。毎月勤労統計は統計法に基づいて実施されている政府の基幹統計の一つで、結果は国内総生産(GDP)などの算出にも用いられている。同省はずさんな調査の経緯や影響を調べている。
出所)「毎日新聞」2018年12月28日発信
毎月勤労調査は、その名のとおり雇用動向を把握することが目的で、基本給や残業代などを合計した1人当たりの現金給与総額や前年同月と比べた変動率などが公表されています。
毎日新聞の引用記事からもあきらかなように、今回の出来事は極めてずさんな調査体制であったといわざるを得ません。
ちなみに従業員500人以上の事業所は全国で約6,000あります。全数調査ですから6,000事業所、北海道から沖縄まですべての事業所が調査対象になります。そのうち東京都には約1,400の事業所があります。そのなかで実際に調査していたのは約500事業所だけだったようです。
しかも、比較的規模の大きい、つまり給与水準の高い事業所が調査から外されていたようです。
従業員の人数が増えると手間がかかるからでしょうか。仮にそうだとしてもそれは言い訳にはなりません。調査対象者の企業や個人に協力義務を課して調査をしているわけですから、政府もしっかり実施してくれないと困りますね。正直、今回のずさんさは理解に苦しみます。
もちろん、従業員500人以上の事業所が首都である東京に集中していることはわかります。が、その分、東京都の調査担当者も47都道府県で最も人員を割いていると思うのですが・・・。
今回のようなずさんな調査がいつから始まったのか、その時期や経緯についてはよくわからないようです。また、全数から抽出調査にしたことは意図的なのか、さらには抽出する事業所をどのように選定していたのか、厚生労働省によると、これから詳しく調べるとのことです。
いずれにしても、この間、政府統計は、データの改ざん(経済産業省「繊維流通統計」)や、外国人労働者の失踪に関する聞き取り調査における解釈のずさんさ(過去ブログ参照)、そして今回の毎月勤労統計の調査「せず」など、やりたい放題とまでは言わないですが、ちょっと度が過ぎているように感じてしまいます。
およそ6年にわたり安倍晋三内閣が長期政権となっていますが、この間、与党がギクシャクしていたときであっても、対抗軸にならなければならないはずの野党がギャグかと思えるような体たらくぶりを発揮することもしばしばでしたので結果的に自民党一党独裁に近い状況がつづいています。
今後もこのままの政治体制でいくのか、2019年新元号となる年に大きな変動があるのか、興味深いところです。
政権交代は・・・、あまり現実的にではないでしょうが、与党のなかで建設的な反対意見を論理的に発言できる勢力が必要になってくるのではないでしょうか。
だいぶ昔になるかもですが、過去の自民党にはそのような主流派と反主流派とが建設的に意見を言い合うことでバランスがとれていた時期もあったように思います。
いずれにしても、経済は大荒れの状況ですので、政治も手をこまねいて現状維持では早晩立ち行かなくなります。そうしないためにも2019年の安倍晋三総理が打つ次の一手に注目です。
心の声・・・。
私のような小市民としては、消費税増税やめたらいいのにという気持ちですが、向こう5年の激動を乗り越え、これから50年、100年の成長を見据えた政策をお願いしたいものです。
当たり前のことですが、基礎となる統計データは精確であってしかるべきです。